[スポンサーリンク]

一般的な話題

2016 SciFinder Future Leadersプログラム参加のススメ

[スポンサーリンク]

ケムステをずっと見ている方にはもうお馴染みですが、今年もCASが主催するSciFinder Future Leaders プログラムの参加募集が開始されました。ケムステの過去記事()にもあるように、このプログラムではオハイオ州にある大学やCAS等の企業見学に加えACS Fall meeting(@ボストン)に無料で招待され(航空券、宿泊費、学会参加費等はすべてCAS持ち)、さらに賞金として1000$が支給されます。

募集要項は

  1. 博士課程の学生かポスドクである
  2. 500-1000字のエッセイ(研究にどのようにSciFinderを利用しているか?)
  3. 履歴書
  4. 推薦状

のみです。(日本からの募集期限は4月18日まで

これまでの方の体験談にもある様に日本からの応募者が少なく選ばれる確率が高く(?)、チャンスなので思い切って応募してみましょう!見事選ばれた場合は非常に素晴らしい経験が出来ます。

昨年は中島誠也さん(千葉大学)が参加され、前回と同様、化学情報協会による記事では「ケムステの記事がきっかけで応募し参加した!」ということでしたので、是非インタビューを!、ということで色々と参加された感想をお聞きしてみました。

Q1.申し込みのきっかけはなんですか?

SciFinderのログインページよりプログラムの存在は知っていたのですが、ケムステの過去の参加者の体験談を見て申し込んでみようと思いました。

指導教官である教授に相談してみると「挑戦してみなさい」と言って頂けたので応募しました。

世話人Peterと

世話人Peterと

Q2.エッセイ(英語)を書く際に心がけた点は何でしょうか?

絶対通りたいと思っていたのでエッセイは結構頑張りました。英語でのちゃんとしたエッセイを書くのは初めてだったので、とりあえず「決定版 英語エッセイ•ライティング」を購入し勉強しました。丸一冊勉強し終えるのに一ヶ月くらいかかったので、一遍のエッセイのために少しやり過ぎた感じはしますが、勉強した内容を基に「The value of SciFinder to my research」というタイトルでエッセイを書き上げました。その後更にダメ押しで教授に学内のネイティブの教授を紹介していただき、評価と校正を行ってもらいました。目の前で「こういう表現、単語はこの場合は使わない」など我々ノンネイティブには理解が難しい部分を色々教えてもらったので非常にタメになりました。

また、CV(英語の履歴書)も初めて作成したので、アカデミアな就職やポスドク申請の仕方が載っているアメリカのサイトをいくつかピックアップし、それらを参考に作成しました。

 

Q3.事前に準備したこと・ものはありますか?

修士課程の頃台湾に1ヶ月程留学はしたことがありましたが、英語圏に行くのは初めてでしたので英会話を本やアプリ等で練習しました。それ以外の準備(航空券やホテルの手配)は全てSciFinderの方が行ってくれたのでアンケート的なのに応えるだけで準備出来ました。

 

Q4.プログラムの良かった点を教えてください。

このプログラムは国際的な友人関係が構築できる最良の機会だと思います。世界中から化学を専攻する博士(課程)が集められているので楽しくないはずがありません。過去、現在、将来の話に盛り上がり、色々な国の文化や研究環境も知ることが出来ます。現在でも特に仲が良くなったメンバーとは連絡を取り合っています。

また、アルコールとお土産以外の経費は全てSciFinderが払ってくれるので金銭面の心配は特に必要ないのも魅力の一つです。

そして化学者ならば誰しもが使うSciFinder、その本社でどのように仕事がされているのか、どんな設備があるのかを見学できるのはこのプログラムに参加するかSciFinderに就職しなければできないかと思います。

(韓国からの参加者Tae-woo kwonさんとプログラム終了後浅草にて)

(韓国からの参加者Tae-woo kwonさんとプログラム終了後浅草にて)

 

Q5.もう一度参加するなら準備したいこと・ものはありますか?

アジア、ヨーロッパ、ラテン系の参加者とは英語でのコミュニケーションにそれほど問題は無かったものの、やはりネイティブスピーカーのスピードと文の長さにはついていくのは大変でした。日本で準備しても準備しきれない部分だとも思いますが、もう一度参加するならネイティブスピードに対応出来るように準備しときたいです。

Q6.実際に参加してみて、参加前の想像と違っていたことはありますか?

過去の参加者のケムステの記事だとグループワークが多い印象でしたが、2015年度はそうでもなく、レクチャーや施設見学が多かったように思えます。

4

SciFinderでのレクチャーの様子

また、2015年度は過去の参加者も招待された特別な年だったので非常に沢山の人が参加していました。ディナー以外は基本的に別行動でしたが、様々な人と話すことが出来ました。

5

2014年参加の稲葉さんと

SciFinder本社でのプログラムは朝集合してディナー後に解散という形でしたが、ACS meetingに参加している期間はほぼ完全にフリータイムで各々が好き好きに行動できるという形だったのも予想外でした。自分の興味のある講演や発表の日は聞きに行き、それ以外の日は仲良くなった友人らと観光に行くことが出来ました。

6

ACSでのレセプション

 

Q7.この記事を読んで「参加しようかな」と思っている方にメッセージをお願いします。

このプログラムでの経験や出来る人間関係は一生ものの財産になります。少しでも興味があるなら絶対応募した方がいいです。JAICI(化学情報協会)のHPにも過去の参加者のインタビュー記事がありますので是非参考にして下さい。

後に手厚いサポートをしていただいたSciFinderの方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

申し込みは4月18日まで

いかがでしょうか?参加すると、世界各国から集まった優秀な若手研究者たちと貴重な体験が出来ることは間違いありません!締切までまだ一か月ほどあるので今すぐエッセイを書いて応募しましょう!!申込はこちら

最後に、忙しい中インタビューにご協力いただきました中島誠也さんにこの場を借りて御礼申し上げます。

関連書籍

[amazonjs asin=”4864540500″ locale=”JP” title=”増補改訂版決定版 英語エッセイ・ライティング”]

 

関連動画

外部リンク

 

Ohno

投稿者の記事一覧

博士(理学)。ナノ材料に関心があります。

関連記事

  1. クロロラジカルHAT協働型C-Hクロスカップリングの開発
  2. 合成手法に焦点を当てて全合成研究を見る「テトロドトキシン~その1…
  3. ホウ素でがんをやっつける!
  4. 反応化学の活躍できる場を広げたい!【ケムステ×Hey!Labo …
  5. 【速報】2017年ノーベル化学賞は「クライオ電子顕微鏡の開発」に…
  6. 怒涛の編集長 壁村耐三 ~論文と漫画の共通項~
  7. 【ケムステSlackに訊いて見た④】化学系学生の意外な就職先?
  8. “マイクロプラスチック”が海をただよう …

注目情報

ピックアップ記事

  1. ビタミンB12を触媒に用いた脱ハロゲン化反応
  2. クオラムセンシング Quorum Sensing
  3. フェイスト・ベナリー フラン合成 Feist-Benary Furan Synthesis
  4. 超高速レーザー分光を用いた有機EL発光材料の分子構造変化の実測
  5. 分子集合体がつくるポリ[n]カテナン
  6. キムワイプをつくった会社 ~キンバリー・クラーク社について~
  7. 金属イオン認識と配位子交換の順序を切替えるホスト分子
  8. 第105回―「低配位有機金属錯体を用いる触媒化学」Andrew Weller教授
  9. 【Q&Aシリーズ❷ 技術者・事業担当者向け】 マイクロ波による焼成・乾燥プロセス
  10. 鈴木 章 Akira Suzuki

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年3月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP