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化学者のつぶやき

近況報告PartII

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昨年11月に徒然なるままに最近の出来事を報告させていただきました。(記事:近況報告PartI)今回は第二弾。全く脈絡のないケムステ代表の「myニュース」を書き綴りたいと思います。たまにはこんな記事があってもいいですよね。「化学者のつぶやき」なんで許してください。

 

ウェブサイトを2コつくりました

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お正月もすべて潰してセコセコ2つのサイトを作成させていただきました。「お前はウェブクリエイターか」といわれそうですが、いや歴とした「研究者」です。この2つは残念ながら断ることができませんでした。

1つは私の所属している名古屋大学理学部のホームページ。当時はかなり最新技術を駆使して作成されていたものの長い年月がたち、アトラクティブなホームページとはいえないものとなっていました。いまやホームページは団体の「顔」ということで、一役買いまして1から作成させていただきました。デザインに関しては当時働いていたデザインが得意なTさんに全面協力していただきました。主に心がけたことはこちら。化学科構成員一丸となって外部に情報を配信する。そのために忙しい研究者が数分で更新できるようなシステムにしたつもりです。現在まだまだ目標とする段階までいっていませんが、今後に期待したいと思います。

もうひとつは「日本スクリプス会」と呼ばれる米国スクリプス研究所の日本人Alumniのためのサイト。毎年秋に東日本と西日本にわかれまして50人前後で同窓生のフォーラムを行なっています。主にケミストが中心ですが、いやはや皆さんとっても偉くなっていまして、大変勉強になる会です。筆者も過去にスクリプスに博士研究員として在籍していて大変お世話になっていますので、どうしてもとお願いされ断り切れませんでした。作成所要日数はそんなにかけれなかったので若干手抜き、お見苦しいところもあるかもしれませんが、特に今後海外へ留学を希望している方は体験記やマニュアルなどもありますのでぜひご覧になって下さい。

 

書き物ばかりの数ヶ月

 

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年明けから、残念ながらほとんど実験もできず、書き物ばかり書いていました。「君は作家か!」といわれそうですが、いやいや今回は列記とした「研究者」としての化学に関連する論文等なので。結局やったのは論文5報と、総説1つ、本1つ。と書くとぱっとしませんが、その内の総説は50ページ超のメガレビュー。炭素ー水素直接変換を駆使した天然物合成に関する総説です(上図の画像に表紙に使った画像の一部を掲載しました)。2月の卒論、修論、D論チェックで忙しい中仕上げました。論文も1500報ぐらい読みました。ほとんど家に帰りませんでした。「顔色悪いよ」と何度も言われました。たまにはそれぐらいのことがあってもいいのではないかと思います。二度とはやりたくないですが。既に、アクセプトされているので近いうちに出版されます。ぜひご覧になってください。本はまだ完全には終わっていないですが、60ページぐらいです(今調べたらrequirementは40ページでした。書きスギタ。)。論文には合成化学的に新しいものは以下の2つ。1つは新聞にも掲載され随所で紹介していだきました。ありがとうございます。また共同研究者の学生にこの場を借りて深謝いたします。もちろんいずれもケムステでは書いていないので抄録などにどうぞ。

現在総説2つ(1つは日本語)、論文3つ書いてます。本業とは若干ずれた書籍も2冊書いていますが、各々100ページほどから全く進んでません。編集者の方々へこの場を借りて謝ります。ごめんなさい。

 

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 “Nickel-Catalyzed C−H/C−O Coupling of Azoles with Phenol Derivatives”

Muto, K.; Yamaguchi, J.;Itami, K. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 169. DOI: 10.1021/ja210249h

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“Hindered Biaryls by C-H Coupling: Bisoxazoline-Pd Catalysis Leading to Enantioselective C-H Coupling”

Yamaguchi, K.; Yamaguchi, J.; Studer, A.; Itami, K Chem. Sci, 2012, Advance Article. DOI:10.1039/C2SC20277H 

大盛況の日本化学会ケムステキャンペーン

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3月末の日本化学会で行われた付設展示会参加10企業によるケムステキャンペーン(過去記事はこちら)。化学系参加人数最大の日本化学会年会での初の試みでしたが大盛況に終わりました!時間がなく急遽始めたため、強引にお願いさせていただきまして、「お前は一体何者なんだ」といわれそうでしたが(実際は快く受け入れていただきました)。

実際、筆者も時間をみつけて足を運んで各ブースを拝見させていただきましたが、と各所で「ケムステを見た!」と聞くことができました。というわけで大好評で来年も既に決行決定しました!来年はますます読者様にとって有用な情報、モノを用意したい(してほしい!)と思っていますのでよろしくお願いいたします。というわけで来年も合言葉覚えて、恥ずかしがらずに言ってくださいね!

ちなみに、エルゼビア・ジャパン(学会特価+5%OFF)とシュプリンガー・ジャパン(学会特価)の書籍割引に関しては5月31日まで継続していますので、この機会にぜひ注文してみてはいかがでしょうか。注文方法は過去の記事に記載されています。

エルゼビア・ジャパンに関してはこちら

シュプリンガー・ジャパンに関してはこちら

もうひとつ、年会といえば、今回久々に、スタッフが増大してからははじめて「スタッフ交流会」を行いました。日本だけでなく海外にもいるので遠方で来れない方もいまして、結局15名ほどしか集まりませんでしたが、盛り上がりました。皆次世代、次次世代の化学を担う人材になるのではないかと思っています。前からよく「君は学会でも立ち上げたいのか」といわれますが、そうとも言えますし、単純に「化学に熱い人材と共に切磋琢磨したい」といったことが正直なところです。このサイトのスタッフは「忙しい研究の合間に自分の面白い化学を語る、語れるか?」というスレッシュホールドを乗り越えた方が集まっていますので、とても話していてためになります。現在50人超。化学にどっぷり浸かりたい人はこのコミュニティを”利用”してはいかがでしょうか。スタッフ随時募集しています。

 

そういえば立場が少し変わりました

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アメリカから名古屋に来て今年の8月で4年。長いようで実はあっという間でした。筆者の所属研究室も十数人程度の立ち上げから初まり、今年はなんと35名。既に小学校でいえば1クラスです。そういえば、お会いした方には報告しましたが今年度から准教授を拝命することとなりました。何が変わったかというと、

会議が増えた、お食事に行く機会が増えた、研究室での立ち位置が変わった、名刺が変わった、◯◯委員、◯◯委員長というお仕事が増えた、お給料がちょっとだけ増えた

といくつかありますが、一番変わったのは、学生のいる大学で研究をしたいきっかけの一つである授業をいくつかうけもつことになったことです。今年は半期以下の授業も含めて、化学実験の他に4つの授業を受け持つこととなりました。大学教員にとって研究ももちろんですが、教育は本望であり、もっとも魅力的なものです。何度もいいますが、「研究室の教育、講義も教育、そしてインターネットで化学を発信するのも広い意味の教育」ですので、今後もこのスタンスを変えず邁進したいと思っております。

 

コレカラ?

まだまだいっぱいありますが、今回の「つぶやき」はこれぐらいにしておきます。そういえば今年の夏は天然物化学談話会と構造有機若手の会という2つの若手の会でお話させていただきことになりました。ケムステ読者ともそちらでお会いできればと思います。また、8月から2ヶ月弱ほどヨーロッパへ共同研究と講演旅行に行きます。全く行き先は考えていませんが、折角の機会なので10個ぐらい大学を回ってこようと思います。なにか観光も含めオススメがあれば教えて下さい。

また、ケムステに関しては実はあと1週間ほどで開設12周年を迎えます。中途半端な数字なので特にお祝いごとは無いですが、今年の目標を1つ。1つ新しコンテンツを立ち上げることと、前から述べているケムステ国際バージョンを立ち上げること。両者とも既に水面下で進んでおり、夏までには何とかして公開したいと思っています。国際バージョンの重要なコンセプトは「日本の化学、研究者を紹介すること」。もっとビジブルにならなければいけない、なってもよい研究や研究者は日本に多くいます。誰かがアピールしてくれるよとたよっていても他国はもちろん、国内でも誰もどこもやってくれません。そうでなくても良い研究は後々認められます。これも事実です。ただ、素晴らしい化学研究を行なっている研究者の一助になればよいと思っています。

それでは今後共よろしくお願いいたします。

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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