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トリメチルロック trimethyl lock

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トリメチルロック(trimethyl lock, TML)とは、適切なトリガーに応じて分子を放出するための保護基の一種。ケミカルバイオロジーやプロドラッグ応用などの文脈で用いられる。

原理

2-hydroxybenzenepropionic acidsのラクトン化過程においては、フェノール近傍にある3つのメチル基のThorpe-Ingold効果が、大きな環化加速効果をもたらす。特に右端の構造においては極めて高速な環化がおこり、強固なアミド結合であっても切断されるほどである。

ラクトン形成速度の相対値

フェノール部位を保護したトリメチルロック構造で標的化合物をマスクすることで、フェノール保護基(PG)の除去がトリガーとなって機能するプロドラッグケージド化合物が作れる。

たとえばアシル基で保護しておけばエステラーゼによる加水分解で、キノンへと酸化しておけば還元酵素で駆動し、生理的条件下にラクトン形成が起こって望みの化合物が放出される。

関連文献

  1. “Rate Acceleration by Stereopopulation Control: Models for Enzyme Action” Milstien, S.; Cohen, L. A. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1970, 67, 1143.
  2. “Trimethyl lock: a trigger for molecular release in chemistry, biology, and pharmacology” Levine, M. N.; Raines, R. T. Chem. Sci. 2012, 3, 2412. doi:10.1039/C2SC20536J
  3. “刺激応答型アミノ酸の開発とケミカルバイオロジー分野への展開” 薬学雑誌, 2012, 132, 1075. [PDF]

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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