[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

掃除してますか?FTIR-DRIFTチャンバー

[スポンサーリンク]

恥ずかしい話なのですが、FTIRのDRIFTチャンバーを長年掃除していなかったために、長年蓄積した残留物の影響で1週間ほど実験結果が再現できず酷い目に遭いました。きちんと掃除されている方にとってはどうでもよい話ですが、つぶやきということでご容赦ください。

DRIFTチャンバーとは?

DRIFTチャンバーは下図のような形をしていることが多いです(詳しくはFTIR-DRIFTで検索してください。)。

任意の温度・ガス中における固体試料表面上に吸着される物質を高感度で検出できるため、固体触媒の研究で頻繁に用いられます。青線で囲まれた部分に粉末サンプルとKBrを載せて測定を行いますが、一部のサンプルとKBrが赤線で囲まれた部分に落ちてしまう事がよくあります。一度落ちてしまうと掃除し辛く、溜まったものが見えづらいのでついつい掃除を忘れがちです。

FTIR

https://www.uni-due.de/iptc-zellner/oberreflektion.shtmlより(一部変更)

 

私の場合、落ちたサンプルが水分やアンモニアを吸着して溜め込んでいたようで、溜まったものが少しずづ気化して予期せぬピークが現れたりしていました。どうやら5年ほど掃除していなかったようで、掃除しようと中を開けたところカチカチに固まった緑と茶色の何かが大量に出てきました。掃除後はコンタミもなく予想通りのデータが得られました。

今ちょうど研究室では卒論・修論が終わり、実験がひと段落した所が多いのではないでしょうか。

この機会にFTIRだけではなく実験装置を掃除されてみてはいかがでしょうか?

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4061543253″ locale=”JP” title=”固体表面キャラクタリゼーションの実際 (KS化学専門書)”][amazonjs asin=”480790633X” locale=”JP” title=”有機化合物のスペクトルによる同定法―MS,IR,NMRの併用”]

Ohno

投稿者の記事一覧

博士(理学)。ナノ材料に関心があります。

関連記事

  1. トンネル効果が支配する有機化学反応
  2. 「溶融炭酸塩基の脱プロトン化で有用物質をつくる」スタンフォード大…
  3. 「一家に1枚」ポスターの企画募集
  4. 炭素原子のまわりにベンゼン環をはためかせる
  5. 第32回フォーラム・イン・ドージン ~生命現象に関わる細胞外小胞…
  6. 銅中心が動く人工非ヘム金属酵素の簡便な構築に成功
  7. フローリアクターでペプチド連結法を革新する
  8. C(sp3)-Hアシル化を鍵とするザラゴジン酸Cの全合成

注目情報

ピックアップ記事

  1. 自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間
  2. 医薬品有効成分の新しい結晶化経路を発見!
  3. 帝人、EV向けメンブレンのラインを拡充
  4. エッシェンモーザー・タナベ開裂反応 Eschenmoser-Tanabe Fragmentation
  5. ケムステSlack、開設一周年!
  6. マイクロ波を用いた合成プロセス技術と実用化への道【終了】
  7. 「高分子材料を進化させる表面・界面制御の基礎」
  8. 高純度フッ化水素酸のあれこれまとめ その1
  9. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑤
  10. ビギネリ反応 Biginelli Reaction

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年2月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
29  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP