[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

グサリときた言葉

[スポンサーリンク]

みなさんは実験のちょっとした空き時間になにをしていますか?空き時間なんてないですって?

読みたい(読まなくてはいけない)論文に目を通したり、雑誌会の準備をしたり、(スマートフォンでネットサーフィンしたり?)・・・

細かい英字や発光体(画面)を長い間眺めていると頭が凝ってきますよね。そんなときは日本語の文章はいかがでしょうか。

最近、わたくしferroceneがグサリときた言葉をご紹介します!

 

先進者の頭の水準を高く見積もりすぎる

 

 学校を卒業したばかりの秀才が先生になって講義をするととかく講義がむつかしくなりやすい。これにはいろいろの理由があるが、一つには自分の歩いてきた遠い道の遠かったことを忘れるというせいもあるらしい。
若い学者が研究論文を書くと、とかくひとり合点で説明を省略し過ぎて、人がよむとわかりにくいものにしてしまう場合が多い。これもいろいろの理由があるが、一つには自分がはじめてはいった社会の先進者の頭の水準を高く見積もりすぎるためもあるらしい。(柿の種 寺田寅彦著 岩波文庫p217より)

 

関連リンク

 

いわば一種の「源氏名」?

 元素には今では原子番号数というものができて、何番の元素といえばそれで事柄は完全に確定する。それだのに今でも科学者はやはり水素とか酸素とかテルリウムとかウラニウムとか、いわば一種の「源氏名」のようなものをつけて平気でそれを使っているのである。人間味をできるだけ脱却しよう、すべての記載をできるだけ数学的抽象的なものにしようという清教徒的科学者の捨てようとしてやはり捨て切れない煩悩の悲哀がこういうところにも認められるであろう。
(以下省略)(柿の種 寺田寅彦著 岩波文庫p224より)

関連リンク

わたしは元素に名前がついていることでその元素発見までの歴史やかかわった人物が透けて見えて、しみじみ面白いと思うのですが、皆さんはいかがですか?

さて、休憩はここまでとしますか。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4003103777″ locale=”JP” title=”柿の種 (岩波文庫)”]

関連記事

  1. 酵素触媒によるアルケンのアンチマルコフニコフ酸化
  2. MEDCHEM NEWS 31-4号「RNA制御モダリティ」
  3. 配位子保護金属クラスターを用いた近赤外―可視光変換
  4. 究極の黒を炭素材料で作る
  5. 有機ナノ結晶からの「核偏極リレー」により液体の水を初めて高偏極化…
  6. 来年の応募に向けて!:SciFinder Future Lead…
  7. 産学それぞれの立場におけるマテリアルズ・インフォマティクス技術活…
  8. 粒子画像モニタリングシステム EasyViewerをデモしてみた…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第32回生体分子科学討論会 
  2. 海外機関に訪問し、英語講演にチャレンジ!~③ いざ、機関訪問!~
  3. マイクロ空間内に均一な原子層を形成させる新技術
  4. バートン脱アミノ化 Barton Deamination
  5. マイクロ波プロセスを知る・話す・考える ー新たな展望と可能性を探るパネルディスカッションー
  6. ヘイオース・パリッシュ・エダー・ザウアー・ウィーチャート反応 Hajos-Parrish-Eder-Sauer-Wiechert Reaction
  7. 潤滑剤なしで抜群の滑りを実現する「自己潤滑性XXドーム」が開発されている
  8. 第17回ケムステVシンポ『未来を拓く多彩な色素材料』を開催します!
  9. 光学迷彩をまとう海洋生物―その仕組みに迫る
  10. オゾンホールのさらなる縮小を確認 – アメリカ海洋大気庁発表

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP