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化学者のつぶやき

粒子画像モニタリングシステム EasyViewerをデモしてみた

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スラリー中の粒子(結晶)の観察は、晶析研究などではぜひみたいところです。

しかし、外に取り出してから観察するのは面倒ですし、サンプリングが困難なときもあります。もっとも大きな問題点はサンプリングやサンプル調整中にみたい対象が変化してしまい、何を観察しているのかわからなくなることです。そんなときはリアルタイムでの直接観察がかかせません。

前回の記事化した、メトラー・トレド社のパーソナル有機合成装置 EasyMax 402 のデモのついでに、新製品である粒子画像モニタリングシステム EasyViewerのデモも見せてもらったので、その機器も引き続き紹介したいと思います。

EasyViewerとは

トップ画像にありますが、EasyViewerとはこんな装置。

メトラー・トレド社のHPから今回デモを行った、プローブ型粒子画像解析装置 EasyViewerについて引用すると、

EasyViewerは、晶析プロセス中に存在する結晶、粒子、液滴、重合、乳化、凝集の画像を高解像度でとらえるプローブ形のインライン粒子計測装置です。

高い情報収集能力と簡単な操作性により、意思決定とプロセス開発のスピードアップを実現する粒径・粒度分布分析画像解析装置です。

とのこと。筆者は自身の研究において、粒子を観察することはありませんが、例えば製薬企業の医薬品の晶析検討などではかなり効果的であることがわかります。実際にオンラインデモでみたところ、小型かつPCにUSBで接続するだけで使える、簡便な「マイクロスコープ」であることがわかりました。とはいえど、当たり前ですが、CCDカメラなどでは捉えられない動いている画像を鮮明に画像として残すことができます。

デモでは、食塩を溶かしたスラリーを見たのですが、非常に鮮明に粒子の形やサイズがわかる画像が映し出されました

EasyViewerの特徴

このEasyViewerの特徴を箇条書きですが、以下に示します。

  • コンパクトで、プローブの直径も小さいので小スケールでも使うことができる。
  • Plug-and-pkayのセットアップでUSBでPCと接続するだけで使える。
  • 高解像度の画像が得られ、不透明・半透明のスラリーでも観察できる。
  • 解析ソフトウェアは画像解析に優れており、使いやすい

と、使い勝手や機能は申し分ありません。

やはり高価

さあ、決め手となる価格ですが、これもなかなかの高価な装置です。メトラー・トレド社といえば筆者はin situ IR装置であるReact IRを思い浮かべるわけですが、まあ同じぐらいの価格です。ただReact IRと同じ様に、類似した高性能なプローブ型粒子画像解析装置がほとんどないので、一択となりますね。この装置を手にい入れれば研究が加速する分野は多いのではないでしょうか。

値引きなどどれくらいできるのかわかりかねますが、今回のようにオンラインデモも受け付けているようですので、ぜひ交渉してみてください。

百聞は一見しかず。今回オンラインデモも、動画を撮影/編集しましたのでぜひそちらもご覧いただければ幸いです。

 

関連リンク

関連動画

今回のEasyViewerを設置している機器はEasyMaxという有機合成化学装置。ぜひそちらの記事とオンラインデモ動画もご覧ください。

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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