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化学者のつぶやき

高懸濁試料のろ過に最適なGFXシリンジフィルターを試してみた

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久々の、試してみたシリーズ。今回試したのはアドビオン・インターチム・サイエンティフィック社(AIS)GFXというシリンジフィルター。

シリンジフィルターというとHPLC試料のろ過や組織培養液、生体試料、水系試料の清澄化など様々な場面で使用しますよね。一般消耗品として安く、入手しやすいメーカーを使用して、これと言って気にかけない製品です。

でも、偶に懸濁物が多く、詰まってしまったり、ろ過できず困った経験をもっている研究者は多いのではないでしょうか?

そんな悩みを解決できるので試してみませんかとAISさんからお声がけ頂きました。

「ほんまかいな?普段使っているフィルターと変わらんちゃうん??」

と、当研究室の先生、学生は誰しもが思っていました(注:関西弁ではありません)。

評価前にAISさんが持参したアルブミン懸濁サンプルを試してみたところ、

「なんじゃこりゃ、めっちゃ快適やん」

と思わせるものでした。さっそく、紹介していきたいと思います!

AISさんが販売しているシリンジフィルターはUptiDisk™という製品でGFXはその一部の高懸濁物のサンプルろ過用の位置づけです。

図1のように4層からなる多段フィルターで目の粗い、中、小のグラスファイバー、メンブレンの構造で段階的にろ過を効率的に行っていくようです。

この効果により高懸濁物も難なく処理できてしまうという訳です。

早速、当研究室で試した結果をYoutubeにあげていますので、ご興味ある方はご覧ください。

ほんと、驚きますよ(笑)

興味ある方はAISさんへ問い合わせるか、販売は下記のHPLCショップからのみ可能とのことで覗いてみては如何でしょうか?決して安くはありませんが、困っている方には有難い製品だと思いますよ。

なんと、ケムステ記事掲載記念として2024年3月末まで20%OFFにて提供してくれるそうです。

残予算に余裕ある研究室なら1~2箱は所持しておくと安心かもしれません。

HPLCショップ・研究者様のためのHPLC分析支援セレクトショップ (hplcshop.com)

GFXは25㎜サイズのみとなっているので試料のボリュームによってはデッドボリュームが多くなる可能性があるので注意が必要です。

13㎜や4㎜の小さいサイズもラインナップに加わると選択肢が増えるので今後の開発に期待を込めて要望します。

総括

4層のフィルターは想像以上に良い働きをしてくれました。目詰まりや押しすぎてハウジングの破損などを経験してきた身としてはGFXの活躍する場面は多いだろうと実感しています。

20%OFFの期間中にお試しで購入してみては如何でしょうか?

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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