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化学書籍レビュー

Molecules That Changed the World

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内容

医薬・香料・ビタミンなど、我々の日常生活に欠かせない、世界中の重要分子たち―それを魅力たっぷりに紹介しているのが本書です。たとえば、”アスピリン物語”はその一つです。3500年前のエジプトでの発見に始まり、初の化学合成を経て、応用に至るまでのエキサイティングな歴史が詳細に解説されています。フルカラー印刷の大判なので、ビジュアル的にも大変インパクトがあります。化学者・天然物化学者にはもちろん、科学を愛するすべてのひとにとって大変楽しい書物となるでしょう。

対象

化学、とくに有機化学に興味を持つすべての人

評価・解説

「世界の中高生に合成化学の魅力を広く知ってもらおう」という考えのもと、全合成研究の大御所・K.C.ニコラウ教授によって企画・執筆された書物です。

タキソールやアスピリン、モルヒネ、ペニシリンなど、世界に測り知れないインパクトを与えた分子たちを、綺麗な写真とグラフィックで紹介しています。

普段触れる機会の少ないであろう「合成化学者の視点」から語られる、悲喜こもごもの歴史物語も魅力の一つ。分子の理解に多大な貢献を果たした化学者達の写真も、ふんだんに使われています。名前だけしか知らなかった学者の写真を見て、「えっ、こんな人だったんだ!?」と楽しむこともできます。

一目見れば、大変ゴージャスな作りになっていることがお分かりでしょう!フルカラーにもかかわらずこの値段は、お買い得以外の何でもありません!

すべての方にオススメです。

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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