[スポンサーリンク]

その他

はじめての研究生活マニュアル

[スポンサーリンク]

 

内容

この本は,はじめて卒業研究をする人のためのものです.研究室の一員になると,最初は初めてのことばかりで,頭を悩ますことも多いでしょう.先輩や先生に聞きづらいこともあります.この本では,すぐに実行できる初歩的なコツから,ワンランク上を目指すための心構えまでを紹介しています.イラストやマンガを交え,気軽に読みやすい工夫も満載です.(引用:化学同人HPより)

 

対象

高校生、大学生、研究室に所属した大学4年生の卒業まで

 

解説

本書は大学で研究を行う「研究室」とはなにか?という疑問から、研究室に所属して卒論完成までの流れをマニュアル化したものである。2015年4月発行。無論、私には必要のない書籍であるが、近い将来、自身の研究室を主宰した際に、研究室においておくつもりで購入した。1つの研究室に関する疑問や、やることを1項目として、見開き2ページで42項目紹介している。読んでみるとなんとも驚愕な内容が。「メールは返信しよう」「欠席の連絡をしよう」「研究者は、清く、正しく」など、こんなのは当たり前なんじゃないか…と思わせる項目(全部じゃないですよ)。

 

書籍は見開き2ページで1項目

書籍は見開き2ページで1項目

 

とはいえど、研究室って何?という人にはとってもわかりやすく、漫画も入れながら読み易く記載してある。確かに、ここまで丁寧な書籍はなかった!というのも頷ける。

私事の話となるが、大学1年生の講義の雑談で「研究室の生活」を度々話している(基本的な内容は過去記事:いつも研究室で何をしているの?【一問一答】から)。あまり反応がなく、当然すぎたかな?とはじめた当初は思ったが、講義の最終アンケートで「研究室の生活を知れて良かった」「研究室の話が面白かった」という感想が圧倒的に多く、びっくりさせられた。確かに、既に人生の1/3以上を研究室で過ごしていると、そんな素朴な疑問を当然のことと感じ、わからなくなっていたのかもしれない。そもそも、大学生の時に所属していた研究室には、所属前に度々訪れて、さらに先輩の話などを聞いていてわかっていたつもりでも、入ってみないと結局のところほとんどわからなかった。そのため、大学教員となった時に、そういうことがわかるように、また研究室の一員となったことを再認識するように、実験の方法や係の役割、行事や役立つ知識を散りばめた、「研究室マニュアル」をつくった。毎年更新され、現在でも4月配属のピカピカの大学4年生に一人一人ファイリングして配っている。

そういわけで、研究者を目指す高校生や、近い将来研究者となる理系大学生には確かに実験に関するトピックや、研究成果を発表、論文紹介などの研究室生活を垣間見ることのできる本書籍は願ってもない本なのかもしれないと、思いを新たにさせられた。

 

最後に著者の西澤幹雄教授(立命館大)のあとがきの一文を紹介。

 先生たちは自分たちの過去を忘れているので、要求するレベルと現実のギャップがあるのを見落としているのです。

…仰るとおりですね。

 

関連書籍

 

webmaster

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 植物たちの静かな戦い
  2. 細胞の分子生物学/Molecular Biology of th…
  3. 有機化学1000本ノック【命名法編】【立体化学編】
  4. 有機機能材料 基礎から応用まで
  5. 2009年5月人気化学書籍ランキング
  6. 菌・カビを知る・防ぐ60の知恵―プロ直伝 防菌・防カビの新常識
  7. 有機・無機材料の相転移ダイナミクス:数理から未来のマテリアル開発…
  8. フラックス結晶育成法入門

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり④:「ブギーボード」の巻
  2. 第六回 電子回路を合成するー寺尾潤准教授
  3. コーヒーブレイク
  4. 吉岡里帆さん演じる「化学大好きDIC岡里帆(ディーアイシーおか・りほ)」シリーズ、第2弾公開!
  5. 酢酸ビニル (vinyl acetate)
  6. 三菱化学の合弁計画、中国政府が認可・330億円投資へ
  7. 求電子剤側で不斉を制御したアミノメチル化反応
  8. できる研究者の論文作成メソッド 書き上げるための実践ポイント
  9. ダイヤモンドライクカーボン
  10. Zoomオンライン革命!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

注目情報

注目情報

最新記事

CEMS Topical Meeting Online 超分子ポリマーの進化形

1月28日に毎年行われている理研の無料シンポジウムが開催されるようです。事前参加登録が必要なので興味…

カルボン酸に気をつけろ! グルクロン酸抱合の驚異

 カルボン酸は、カルボキシ基 (–COOH) を有する有機化合物の一群です。カルボン…

第138回―「不斉反応の速度論研究からホモキラリティの起源に挑む」Donna Blackmond教授

第138回の海外化学者インタビューはドナ・ブラックモンド教授です。2009年12月現在、インペリアル…

Ru触媒で異なるアルキン同士をantiで付加させる

Ru触媒を用いたアルキンのanti選択的ヒドロおよびクロロアルキニル化反応が開発された。本反応は共役…

化学系必見!博物館特集 野辺山天文台編~HC11Nってどんな分子?~

bergです。突然ですが今回から「化学系必見!博物館特集」と銘打って、私が実際に訪れたいちおしの博物…

有機合成化学協会誌2021年1月号:コロナウイルス・脱ニトロ型カップリング・炭素環・ヘテロ環合成法・環状γ-ケトエステル・サキシトキシン

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2021年1月号がオンライン公開されました。あ…

第137回―「リンや硫黄を含む化合物の不斉合成法を開発する」Stuart Warren教授

第137回の海外化学者インタビューはスチュアート・ウォーレン教授です。ケンブリッジ大学化学科に所属し…

吉岡里帆さん演じる「化学大好きDIC岡里帆(ディーアイシーおか・りほ)」シリーズ、第2弾公開!

印刷インキや有機顔料世界トップシェアのDIC株式会社は、2021年1月より、数々のヒット作に出演し、…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP