ニコラウ K. C. Nicolaou
キリアコス・コスタ・ニコラウ (Kyriacos Costa Nicolaou, 1946年7月5日-)はアメリカの有機化学者である。米国スクリプス研究所主任研究員。
- 経歴
1946年7月5日にキプロスのカラヴァス(Karavas)で生まれた。
1972年にロンドン大学でPh.D取得後、T.J.Katz教授(コロンビア大学)、E.J.Corey教授(ハーバード大学)の下で合計4年間ポスドクとして研究を行う。
その後ペンシルバニア大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)教授を歴任し、2007年現在米国スクリプス主任研究員、また化学科のチェアマンの座についている。
1972 ロンドン大学 博士号取得
1972 コロンビア大学 博士研究員(T.J.Katz教授)
1973 ハーバード大学 博士研究員(E.J.Corey教授)
1976 ペンシルバニア大学 教授
1989 カリフォルニア大学サンディエゴ校 教授
1996 スクリプス研究所教授(主任)
- 受賞歴
数々の新規な有機合成反応、多くの巨大複雑天然物の全合成を通じた有機合成化学界への貢献により、様々な賞を受賞している。
- 研究
複雑骨格を持つ巨大天然物の化学全合成
タキソール[1]、エポチロン[2]、バンコマイシン、ブレベトキシン、ジアゾンアミド、などを始めとする巨大複雑天然物の化学全合成を達成している。最近では貝毒アザスピロ酸の提唱構造の誤りを化学合成によって多数訂正[3]する。合成天然物を生物学的研究のために供給することで、こちらの発展にも貢献。もちろん、天然物合成の方法論の発展にも多大な寄与がある。

- コメント &その他
- 全合成分野での業績は圧倒的であり、またその合成化合物を用いる研究展開で他分野へもインパクトを与えています。ThomsonISI社のノーベル賞候補者に名前が挙がるほどです。
- Classics in Total Synthesisいう全合成の歴史的傑作に関する書物を執筆されています。本書は化学専門書としては異例のベストセラーとなっており、世界中の有機合成化学者達に愛読される「合成化学のバイブル」となっています(関連書籍参照)。
- 最近はシンガポール政府が科学研究に多額の資金を投入し、Institute of Chemical and Engineering Sciencesという研究所における、Chemical Synthesis Laboratory @ Biopolisの部門長として彼を招聘しました。そのためシンガポールにもNicolaou研が設立されており、今は1年で数回ほど、カリフォルニアとシンガポールを行き来しているそうです。
- 彼の研究室でPh.D.を取得した研究者として、Erik J. Sorensen (プリンストン大)、Phil S. Baran(スクリプス研究所)、Scott A. Snyder (コロンビア大学)がいる。
- 親日家としても知られており(日本人は良く出来、働くため)多くの日本人研究者がポスドクとして在籍していた。日本人ポスドクが全合成研究の鍵となることが多く、有名な化合物には必ずできる日本人化学者の存在がある。代表的な研究者(大学関係)は以下の通り(順不同)。企業も含めると50人近くいるのではないかと推測される。大江浩一(京大)、戸嶋 一敦 (慶応大学)中田雅久(早稲田大)、岩渕好治(東北大)、上西潤一(京薬大)、鳥澤保廣(高崎健康福祉大)、斎本博之(鳥取大)、林良雄(東薬大)、林昌彦(神戸大)、杉田和幸(東大)、大嶋孝志(阪大)、細川誠二郎(早稲田大)、池田潔(静岡県立大)、山田陽一(分子研)、庄司満(東北大)、三木 康嗣(京大)、堀田清(北海道医療大)、梅澤大樹(北大)など
- 2009年になって論文のグラフィカルアブストラクトを一新して、カラフルな構造式で表すようになった。
- 関連論文
[1] Nicolaou, K. C. et al.Nature 1994,367, 593. doi:10.1038/367630a0 [PubMed]
[2] Nicolaou, K. C. et al. Nature 1997,387, 268.doi:10.1038/387268a0 [PubMed]
[3] Nicolaou, K. C. et al. .J. Am. Chem. Soc. 2006,128, 2248, 2258, 2859. DOI:10.1021/ja054750q(pp.2248)
- 関連書籍
有機合成の最高峰
有機合成の聖書
有機合成化学の座右の書
有機合成化学の最高峰を目指して
とにかく読んでおくべき古典
前作と合わせて持っておきたい一冊
前作同様の名作
一度は見るべき書籍
厳選されたトライ&エラーの紹介
こういった本を待っていました!- 関連リンク
K. C. Nicolaou Group Scripps研究所・K.C.ニコラウ研のホームページ
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