その他

サイエンスライティング超入門

サイエンスライティング超入門

サイエンスライティング超入門

石浦 章一
¥1,980(as of 07/23 17:48)
Amazon product information

hodaです。今回は2022年4月に発売された書籍をご紹介します。

概要

科学を正しく、いかにうまく伝えるか
長年,大学で「サイエンスライティング」の講義を担当してきた著者が,
学生や研究者に必要なライティングのコツを紹介.

★★★著者のことばから
「科学を正しく伝えたい」と考えている人が多いのは事実です.
しかし,正しく伝えてもそのとおりに伝わらないのがこの世界の難しいところです.
(中略)
書くことは誰でもできます.
しかし,研究経験と指導経験がある者にしかわからない重要なことがらも多々あります.
本書では,特にそれを紹介します.
将来そのような職に就きたいと考えている若い人たちのお役に立つことができれば幸いです.

引用:東京化学同人より(リンク

対象者

  • 大学生以上
  • サイエンスコミュニケーションに興味がある方
  • 文章がうまく書けずに困っている理系学生
  • 発表資料作成に困っている理系学生

内容・感想

タイトルはサイエンスライティングですが、ライティングだけでなく発表スライド作成時のポイントやプレゼンのコツといった内容も記載されています。科学の文章の書き方から発表資料作成、口頭発表時の意識すべきポイントまで、一通り体系的に学ぶことができる書籍であると思います。本書籍を読んで自分の文章や発表について反省しました。

目次:

第1章  サイエンスライティングで身につくこと
第2章 誰を対象に何を書くか
第3章 文章の構造と型
第4章 各項目の書き方のコツ
第5章 マップを使って内容を練る
第6章 タイトルのつけ方
第7章 文章の要約
第8章 データの信頼性を読み取る
第9章 スライドのつくり方(初級編)
第10章 スライドのつくり方(上級編)
第11章 話し方は大切
付録 研究発表や申請書類における要旨のまとめ方

全11章、137 ページからなる本書籍は口語調で大変読みやすいです。文章例や演習もあり、実践的な内容であると思います。

第1章の「サイエンスライティングで身につくこと」ではサイエンスライティングの意義などが書かれており、第2章の「誰を対象に何を書くか」では読者層に分けて作成された、似た内容の文例3つを実際に比較しながら勉強できます。
第3章の「文章の構造と型」では基本的な文章構造が一から説明されています。多くの方が起承転結といった、基本的な文章構造を既に意識されていると思いますが、本書籍では実際に書かれた複数の文例と、詳しい解説があり、自分の書いた文章を見直す機会になるかもしれません。
第4章の「各項目の書き方のコツ」では冒頭文や文中の日本語の使い方に焦点を当てて説明されています。
第5章の「マップを使って内容を練る」では、内容をいかにまとめるか「マップ」というものの使い方について、マップの例を挙げながら説明されています。
第6章の「タイトルのつけ方」は特に印象に残りました。キャッチーなタイトルをつけることはとても難しくないですか?少なくとも私は、いつもタイトル決めに困っています。スライド作成時の抑えるべきポイントなどは、いろいろな方の方式が紹介されているのを拝見したことがありますが、タイトルのつけ方について学ぶ機会は多くないと思います。タイトルは特に意識して作成することはありませんでしたが、確かに面白そうな、興味を引くタイトルをつけることは発表を聞いてもらうこと、内容を読んでもらうためには重要な要素だと感じました。
第7章の「文章の要約」は、演習も含めた内容になっています。ネタバレになってしまうと思うのでここでは詳しく書きませんが、演習の題材も面白かったです。
第8章の「データの信頼性を読み取る」では、学術論文といった一次情報から情報を取得する重要性について述べられています。また研究においてどのようなデータが信頼できるのか、生命科学の例を用いて信頼度順が説明されており、大変わかりやすいと思いました。

第9章以降の各章ではライティングにとどまらず、口頭発表を意識した内容になっています。第9章の「スライドのつくり方(初級編)」では発表スライド中の文章や文字について、第10章の「スライドのつくり方(上級編)」では発表スライド中のグラフや画像、デザインといった内容にそれぞれフォーカスされています。第10章の第9章、第10章共に多くのスライド例を比較しながらブラッシュアップしていく構成になっており、スライド作成時に普段から意識していることであっても、改めて勉強する機会になると思います。第10章最後にあるコラムではオンライン会議で意識すべきことなどが盛り込まれており、最近多い発表スタイルにも完全に対応していると感じました。
第11章の「話し方は大切」では、口頭発表時に意識すべき点や魅力的なスピーチをアイコンタクトといったよく聞くようなことから、面白いスピーチ内容にするために意識すべき点まで含まれていると思いました。

本書籍の最後には付録として「研究発表や申請書類における要旨のまとめ方」が付いているのですが、しっかり文例もついており、また修正すべき点など細かく指摘されていて、付録まで内容が濃いです。

各章それぞれの内容も凝縮されており勉強になるのですが、どの章にも最後にコラムが付いており、細部まで面白いと書籍だと思いました。

本書籍の紹介動画

本書籍の著者の石浦先生による本書籍の紹介動画が公開されています。

関連書籍

サイエンスライティング超入門

サイエンスライティング超入門

石浦 章一
¥1,980(as of 07/23 17:48)
Amazon product information

書籍の表紙画像は東京化学同人ホームページから引用しました。

関連リンク

「サイエンスライティング超入門」の立ち読みサイト(東京化学同人ホームページより)

第1章まで公開されていました。

 

hoda

投稿者の記事一覧

大学院生です。ケモインフォマティクス→触媒

関連記事

  1. 医薬品のプロセス化学
  2. 次世代医薬とバイオ医療
  3. 桝太一が聞く 科学の伝え方
  4. 実験室の笑える?笑えない!事故実例集
  5. 有機化学命名法
  6. 京都大学人気講義 サイエンスの発想法
  7. 【書籍】機器分析ハンドブック3 固体・表面分析編
  8. 化学で何がわかるかーあなたの化学、西暦何年レベル?ー

注目情報

ピックアップ記事

  1. 文化勲章にノーベル賞の天野さん・中村さんら7人
  2. デイヴィッド・マクミラン David W. C. MacMillan
  3. 一家に1枚周期表を 理科離れ防止狙い文科省
  4. π電子系イオンペアの精密合成と集合体の機能開拓
  5. メタンハイドレートの化学 ~その2~
  6. 工程フローからみた「どんな会社が?」~半導体関連
  7. 美麗な分子モデルを描きたい!!
  8. 第99回―「配位子設計にもとづく研究・超分子化学」Paul Plieger教授
  9. 一流ジャーナルから学ぶ科学英語論文の書き方
  10. ビナミジニウム塩 Vinamidinium Salt

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

高分子材料におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用:高分子シミュレーションの応用

開催日:2024/07/17 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

そうだ、アルミニウムを丸裸にしてみようじゃないか

N-ヘテロ環ボリロキシ配位子を用いることで、アニオン性かつ非環式、さらには“裸“という極めて不安定な…

カルベンがアシストする芳香環の開環反応

カルベンがアシストする芳香環の開環反応が報告された。カルベンとアジドによる環形成でナイトレンインダゾ…

有機合成化学協会誌2024年7月号:イミン類縁体・縮環アズレン・C–O結合ホモリシス・ハロカルビン・触媒的バイオマス分解

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年7月号がオンライン公開されています。…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP