[スポンサーリンク]

その他

サイエンスライティング超入門

[スポンサーリンク]

サイエンスライティング超入門

サイエンスライティング超入門

石浦 章一
¥1,980(as of 10/09 15:51)
Amazon product information

hodaです。今回は2022年4月に発売された書籍をご紹介します。

概要

科学を正しく、いかにうまく伝えるか
長年,大学で「サイエンスライティング」の講義を担当してきた著者が,
学生や研究者に必要なライティングのコツを紹介.

★★★著者のことばから
「科学を正しく伝えたい」と考えている人が多いのは事実です.
しかし,正しく伝えてもそのとおりに伝わらないのがこの世界の難しいところです.
(中略)
書くことは誰でもできます.
しかし,研究経験と指導経験がある者にしかわからない重要なことがらも多々あります.
本書では,特にそれを紹介します.
将来そのような職に就きたいと考えている若い人たちのお役に立つことができれば幸いです.

引用:東京化学同人より(リンク)

対象者

  • 大学生以上
  • サイエンスコミュニケーションに興味がある方
  • 文章がうまく書けずに困っている理系学生
  • 発表資料作成に困っている理系学生

内容・感想

タイトルはサイエンスライティングですが、ライティングだけでなく発表スライド作成時のポイントやプレゼンのコツといった内容も記載されています。科学の文章の書き方から発表資料作成、口頭発表時の意識すべきポイントまで、一通り体系的に学ぶことができる書籍であると思います。本書籍を読んで自分の文章や発表について反省しました。

目次:

第1章  サイエンスライティングで身につくこと
第2章 誰を対象に何を書くか
第3章 文章の構造と型
第4章 各項目の書き方のコツ
第5章 マップを使って内容を練る
第6章 タイトルのつけ方
第7章 文章の要約
第8章 データの信頼性を読み取る
第9章 スライドのつくり方(初級編)
第10章 スライドのつくり方(上級編)
第11章 話し方は大切
付録 研究発表や申請書類における要旨のまとめ方

全11章、137 ページからなる本書籍は口語調で大変読みやすいです。文章例や演習もあり、実践的な内容であると思います。

第1章の「サイエンスライティングで身につくこと」ではサイエンスライティングの意義などが書かれており、第2章の「誰を対象に何を書くか」では読者層に分けて作成された、似た内容の文例3つを実際に比較しながら勉強できます。
第3章の「文章の構造と型」では基本的な文章構造が一から説明されています。多くの方が起承転結といった、基本的な文章構造を既に意識されていると思いますが、本書籍では実際に書かれた複数の文例と、詳しい解説があり、自分の書いた文章を見直す機会になるかもしれません。
第4章の「各項目の書き方のコツ」では冒頭文や文中の日本語の使い方に焦点を当てて説明されています。
第5章の「マップを使って内容を練る」では、内容をいかにまとめるか「マップ」というものの使い方について、マップの例を挙げながら説明されています。
第6章の「タイトルのつけ方」は特に印象に残りました。キャッチーなタイトルをつけることはとても難しくないですか?少なくとも私は、いつもタイトル決めに困っています。スライド作成時の抑えるべきポイントなどは、いろいろな方の方式が紹介されているのを拝見したことがありますが、タイトルのつけ方について学ぶ機会は多くないと思います。タイトルは特に意識して作成することはありませんでしたが、確かに面白そうな、興味を引くタイトルをつけることは発表を聞いてもらうこと、内容を読んでもらうためには重要な要素だと感じました。
第7章の「文章の要約」は、演習も含めた内容になっています。ネタバレになってしまうと思うのでここでは詳しく書きませんが、演習の題材も面白かったです。
第8章の「データの信頼性を読み取る」では、学術論文といった一次情報から情報を取得する重要性について述べられています。また研究においてどのようなデータが信頼できるのか、生命科学の例を用いて信頼度順が説明されており、大変わかりやすいと思いました。

第9章以降の各章ではライティングにとどまらず、口頭発表を意識した内容になっています。第9章の「スライドのつくり方(初級編)」では発表スライド中の文章や文字について、第10章の「スライドのつくり方(上級編)」では発表スライド中のグラフや画像、デザインといった内容にそれぞれフォーカスされています。第10章の第9章、第10章共に多くのスライド例を比較しながらブラッシュアップしていく構成になっており、スライド作成時に普段から意識していることであっても、改めて勉強する機会になると思います。第10章最後にあるコラムではオンライン会議で意識すべきことなどが盛り込まれており、最近多い発表スタイルにも完全に対応していると感じました。
第11章の「話し方は大切」では、口頭発表時に意識すべき点や魅力的なスピーチをアイコンタクトといったよく聞くようなことから、面白いスピーチ内容にするために意識すべき点まで含まれていると思いました。

本書籍の最後には付録として「研究発表や申請書類における要旨のまとめ方」が付いているのですが、しっかり文例もついており、また修正すべき点など細かく指摘されていて、付録まで内容が濃いです。

各章それぞれの内容も凝縮されており勉強になるのですが、どの章にも最後にコラムが付いており、細部まで面白いと書籍だと思いました。

本書籍の紹介動画

本書籍の著者の石浦先生による本書籍の紹介動画が公開されています。

関連書籍

サイエンスライティング超入門

サイエンスライティング超入門

石浦 章一
¥1,980(as of 10/09 15:51)
Amazon product information

書籍の表紙画像は東京化学同人ホームページから引用しました。

関連リンク

「サイエンスライティング超入門」の立ち読みサイト(東京化学同人ホームページより)

第1章まで公開されていました。

 

hoda

投稿者の記事一覧

大学院生です。ケモインフォマティクス→触媒

関連記事

  1. Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析
  2. 世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ
  3. Lead Optimization for Medicinal …
  4. えっ!そうなの?! 私たちを包み込む化学物質
  5. 【書籍】「世界一美しい数学塗り絵」~宇宙の紋様~
  6. Practical Functional Group Synth…
  7. What’s Cooking in Chemistr…
  8. 【書評】ストラウブ化学数学 / MATHEMATICAL MET…

注目情報

ピックアップ記事

  1. キラルオキサゾリジノン
  2. 武装抗体―化学者が貢献できるポイントとは?
  3. アルカリ土類金属触媒の最前線
  4. 光学活性ジペプチドホスフィン触媒を用いたイミンとアレン酸エステルの高エナンチオ選択的 [3+2] 環化反応
  5. 思わぬ伏兵・豚インフルエンザ
  6. 第129回―「環境汚染有機物質の運命を追跡する」Scott Mabury教授
  7. アミン存在下にエステル交換を進行させる触媒
  8. ESIPTを2回起こすESDPT分子
  9. 東大、京大入試の化学を調べてみた(有機編)
  10. 武田薬、米国販売不振で11年ぶり減益 3月期連結決算

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年5月
月 火 水 木 金 土 日
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

【味の素ファインテクノ】新卒採用情報(2028卒)

当社は入社時研修を経て、先輩指導のもと、実践(※)の場でご活躍いただきます。…

MEDCHEM NEWS 35-3 号「2024年度 MCS 優秀賞」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、オープンアクセ…

【速報】2026年のノーベル化学賞は「不斉有機合成における非線形効果および自己触媒作用の発見」へ

2026年のノーベル化学賞は、アンリ・カガン (Henri B. Kagan、フランス・パリ=サクレ…

柳沢 正史 Masashi Yanagisawa

柳沢 正史(やなぎさわ まさし、Masashi Yanagisawa、1960年5月…

ケムステ人気新着記事 トップ 5【2026年8月版】

2026年8月にケムステでは22本の新しい記事を公開しました。この記事では、その新着記事の中から、ペ…

シュライナー チオウレア触媒/Schreiner’s Thiourea Catalyst

⏱ 30秒サマリー 何をする反応か — 2本の N–H による二座水…

タリンにいってきました BOS2026 後編

前編では、BOS2026とタリンについて、また今回訪問した理由、そして実際に講演するところまでお話し…

「そっちが切れちゃうの!?」 〜弱い結合を残し、強い結合を切断する HAT 反応の開発〜

第721回のスポットライトリサーチは、金沢大学 大学院医薬保健学総合研究科(平野研究室)博士前期課程…

SNS予想で盛り上がれ!2026年ノーベル化学賞は誰の手に?

【速報】(2026/10/7 19:10)2026年のノーベル化学賞 (速報…

予想外から!cis-クレロダン型ジテルペノイド類の発散的不斉全合成

TEMPO⁺BF₄⁻を用いたラクトン化および付加環化反応による骨格構築と酸素官能基の導入により、ci…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP