[スポンサーリンク]

一般的な話題

反応がうまくいかないときは冷やしてみてはいかが?

最近の冷凍食品はたいてい美味しいですよね。

私が子供の頃は、冷凍食品と言えば「あんまり美味しくないたべもの」の代名詞でした。

これも冷凍食品会社さんの努力の賜ですね。

 

 

 

最近の美味しい冷凍食品たち。写真と本文は直接関係ないですが、美味しそうな物をあげてみました。

さて、冷凍して食品が保存されているのは、低温下であるため、様々な化学反応(例えば食べ物が傷む、腐るなど)がほとんど進行しないからだと思いますが(もちろんそれだけではないです。念のため。)、一方で凍結下で反応を進めてしまおうと考える人々もいたりするんです。

温度が下がると、特に凍結してしまうと分子の運動が減りますよね。

でも、凍結の結果、反応すべき分子たちが濃縮するために反応が促進されることもあるようです。

最近では(もうそんなに最近ではないですが)、理化学研究所の伊藤幸成主任研究員が行ったグリコシル化反応がよく知られています。

以下参考になる総説のリンクをあげておきます。

 

“Accelerated O-glycosylation under frozen conditions and its application to the synthesis of complex glycans.”

Ishiwata, A., Sakurai, A., and Ito, Y. Trends in Glycoscience and Glycotechnology 201224, 179-189. DOI: 10.4052/tigg.24.179

抄録: O-グリコシル化反応をp-キシレン中凍結条件で行ったところ、非凍結条件に比べて顕著な反応促進効果があることが見いだされた。凍結反応条件下グリコシル化の立体選択性に関し、反応機構についても、溶媒、濃度、糖供与体のアノマー位の立体化学及び保護基、などの種々の要因の効果を検証し、立体選択性は、凍結、非凍結どちらの反応条件においても基質濃度によって影響をうけることが明らかとなり、凍結条件下における反応加速は高濃度環境によると示唆された。また、溶媒凍結による基質濃縮効果は50倍程度であろうと見積もられる。凍結反応を利用した生物活性分子や複雑な糖鎖の合成への応用例についても、あわせてまとめた。

 

反応速度があまり芳しくないときには温度を上げるのが常識ですが、下げてみるという選択肢があっても良いですね。

 

関連書籍

The following two tabs change content below.
あぽとーしす

あぽとーしす

微生物から動物、遺伝子工学から有機合成化学まで広く 浅く研究してきました。論文紹介や学会報告などを通じて、研究者間の橋掛けのお手 伝いをできればと思います。一応、大学教員で、糖や酵素の研究をしております。
あぽとーしす

最新記事 by あぽとーしす (全て見る)

関連記事

  1. レビュー多くてもよくね?
  2. 化学クラスタ発・地震被害報告まとめ
  3. 電子豊富芳香環に対する触媒的芳香族求核置換反応
  4. 創薬開発で使用される偏った有機反応
  5. Slow down, baby, now you’r…
  6. 「大津会議」参加体験レポート
  7. 【2分クッキング】シキミ酸エスプレッソ
  8. 聖なる牛の尿から金を発見!(?)

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. はしか流行?
  2. ケムステイブニングミキサー2016を終えて
  3. 抗がん剤大量生産に期待 山大農学部豊増助教授 有機化合物生成の遺伝子発見
  4. A-Phosパラジウム錯体
  5. ハリース オゾン分解 Harries Ozonolysis
  6. フェイスト・ベナリー フラン合成 Feist-Benary Furan Synthesis
  7. 2013年ケムステ人気記事ランキング
  8. プロドラッグの話
  9. クロム(η6-アレーン)カルボニル錯体 Cr(η6-arene)(CO)3 Complex
  10. 宮沢賢治の元素図鑑

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

ラジカルと有機金属の反応を駆使した第3級アルキル鈴木―宮浦型カップリング

第154回のスポットライトリサーチは、中村 公昭(なかむら きみあき)博士にお願いしました。中村さん…

有機合成化学協会誌2018年8月号:触媒的不斉全合成・分子ローター型蛍光核酸・インドロキナゾリンアルカロイド・非対称化・アズレン・ヒドラゾン-パラジウム触媒

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2018年8月号がオンライン公開されました。今…

Noah Z. Burns ノア・バーンズ

ノア・バーンズ(Noah Z. Burns、19xx年x月xx日-)は、米国の有機合成化学者である。…

結晶データの登録・検索サービス(Access Structures&Deposit Structures)が公開

ケンブリッジ結晶学データセンターとFIZ Karlsruhe は,無償で利用できる結晶データの登録・…

可視光で芳香環を立体選択的に壊す

キラルルイス酸光触媒を用いた不斉脱芳香族的付加環化反応が開発された。ヘテロ芳香環の芳香族性を壊しなが…

科学とは「世界中で共有できるワクワクの源」! 2018年度ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞

2018年7月18日、フランス大使公邸にて2018年度ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞の授賞…

PAGE TOP