マーク D. レビン (Mark D. Levin、–年10月14日)は米国の有機化学者である。米国シカゴ大学准教授
経歴
2012 ロチェスター大学 学士号取得 (A. J. Frontier 教授)
2017 カリフォルニア大学バークレー校 博士号取得 (F. D. Toste 教授)
2017–2019 ハーバード大学 博士研究員 (E. N. Jacobsen 教授)
2019–2022 シカゴ大学 助教授
2022– シカゴ大学 准教授
受賞歴
2010 Iota Book Award
2010 Merck Index Award
2010 Barry M. Goldwater Honorable Mention
2011 Phi Beta Kappa, University of Rochester
2012 Carl A. Whiteman Teaching Award
2012 Dr. E.W. and Maude V. Flagg Award
2015 Andrew Dorsey Memorial Award for Excellence in Teaching
2017 Reaxys Ph.D. Prize Finalist
2020 Cancer Research Foundation Young Investigator Award
2021 David and Lucille Packard Foundation Fellowship
2022 Amgen Young Investigator Award
2022 FMC New Investigator Award
2022 Camille Dreyfus Teacher-Scholar Award
2022 Sloan Foundation Fellowship
2022 Thieme Chemistry Journal Award
2023 Dream Chemistry Award
2023 Arthur C. Cope Scholar Award
2023 Bristol Myers Squibb Unrestricted Research Grant
2023 NSF CAREER
2023 Bayer Early Excellence in Science Award
2024 Kyoto Rising Star Lectureship Award
2024 Falling Walls Breakthrough Finalist
研究概要
2019年に研究室を主宰してから、一原子骨格編集法を精力的に開発している。Levin、Sarpongらは、環状分子の分子骨格部位での原子の挿入·削除·置換などの変換手法を骨格編集法としている[1]。骨格編集の中でも一原子骨格編集は、骨格内の一原子を変換する手法であり、スキャフォールド・ホッピングにも、天然物の単純かつ精密な逆合成にも有用な手法と言える。また、骨格編集の中で最も単純な形式であるため、原理的には一原子骨格編集を組み合わせれば、分子骨格のより複雑な編集も可能になる。ここで、一原子骨格編集を大きく5つの形式に分類する。まず、編集する原子(X)が反応の前後で骨格の内部か置換基として骨格周辺に保持される場合、つまり転位(Rearrangement)による骨格編集の1.環拡大 (Expansion)と2.環縮小 (Contraction)である。これらに対し、編集する原子Xが分子に保持されない場合、外部源であり骨格内に組み込まれるか、骨格内から分子外にXが放出される骨格編集は総じてミューテーション(Mutation)と呼ばれる。ミューテーションによる環拡大は3. 挿入(Insertion)、環縮小は4. 削除(Deletion)として1、2と区別される。またXが環拡大や縮小を伴わず、他の原子(Yとする)と置き換わる変換(X→Y)は5. 置換法(Transmutation)と分類される。本分類に基づき、Levinらの一原子骨格編集法を環拡大/挿入および環縮小/削除、置換の順で紹介し、その後、骨格編集以外の研究についても紹介する。
環拡大/挿入 (1. Expansion or 3. Insertion)
ピロール骨格からピリジン骨格への一炭素原子挿入法を開発した(3. Insertion)[2a]。ピロールに対しアリールクロロジアジリン1を反応させると、ピリジンが得られる。反応機構は、まず系中でアリールクロロジアジリン1から発生したカルベンがピロールと反応し、シクロプロパン化が進行する。次に、塩化水素の脱離をともなう芳香族化で、C3位選択的に1のアリール基が導入されたピリジン類が得られる。本炭素原子挿入法はインドールにも適用可能で、C3位にアリール基が導入されたキノリンが得られる。
同様の戦略で、ピラゾール骨格からピリミジン骨格への変換にも成功した[2b]。ピラゾール、インダゾール類に1を作用させると、ピロール骨格とは異なり、窒素–窒素結合の開裂、続く芳香族化により、C2位選択的にアリール基が導入されたピリミジン、キナゾリン類が得られる。
インダノン骨格からイソキノロン/イソキノリン骨格への一窒素原子挿入法を開発した(1. Expansion)[3]。C2位にエステルを有するインダノン類に対し、独自に開発したDNIBX(2)を作用させた後に、加熱によりイソキノロンが、光照射ではイソキノリンが得られる。それぞれの反応機構を見てみると、DNIBX(2)により、インダノン骨格にジベンゾアザビシクロヘプタジエン(dbabh)基が導入されたAが得られる。このAを塩化リチウム存在下加熱すると、アジリジン形成とGrob開裂、アントラセン(B)の脱離をともなう異性化によりイソキノロンが得られる。一方で、Aに対し光触媒 (TXO)存在下390 nmのLED光を照射すると、C–C結合の均等開裂(Norrish I型反応)、続く水素原子移動、ジメトキシジヒドロアントラセンCの脱離をともなう縮合によりイソキノリンが得られる。ここで、DNIBX(2)はdbabhから二工程で合成できる窒素原子トランスファー試薬である。従来、無機化学の分野で窒素原子のシントンとして用いられてきたdbabhを有機反応に応用し、超原子価ヨウ素によりdbabh基のアミンの酸化的極性転換を利用した点が特徴である。
インデン骨格からイソキノリン骨格への一窒素原子挿入法を開発した(3. Insertion)[4]。インデンに対し、オスミウムニトリド錯体3を反応させると錯体Dが生成する。続いて、錯体Dに対しトリエチルアミンを作用させると、オスミウム錯体Eの脱離をともなう芳香族化により、イソキノリンを与える。また、錯体Eは三工程で3へと再生できる。オスミウムニトリド錯体3はBrownらがオレフィンへの窒素原子挿入法に利用している[5a, 5b]。Levinらは3の窒素原子ドナーとしての性質に着想を得て、インデン骨格への一窒素挿入法に応用した。
環縮小/削除 (2. Contraction or 4. Deletion)
キノリン骨格からインドール骨格への一炭素削除法を開発した(4. Deletion)[6]。キノリンの酸化(F)に続く光異性化(G)、酸による転位(H)、脱アシル化により、キノリンのC2位炭素が削除されたインドールが得られる。キノリンN-オキシドFは光照射により、3,1-ベンゾオキサピンGへと異性化することは知られていたが、従来は高圧水銀ランプを用いて、様々な波長の光を照射していたため、複数の副生成物が生成していた[7a–7c]。Levinらはこの光異性化の際に、照射光を390 nmの波長に限定することで副生成物の発生を抑制した。
この一炭素削除法と前述したアリールクロロジアジリン1を用いた一炭素挿入法、および染井らの一窒素挿入法[8]を組み合わせ、キノリンからシンノリンの合成にも成功した。具体的には、キノリンからの一炭素除去(2-メチルインドール I)、続く一炭素挿入(キノリン J)、再び一炭素除去し(2-フェニルインドール K)、最後に窒素原子挿入(シンノリン)である。
環状二級アミン骨格の窒素原子削除法の開発に成功した(4. Deletion)[9a]。環状二級アミンに独自に設計したアノマーアミド4を反応させると、一窒素除去された環状分子が得られる。まず、二級アミンがアノマー窒素に対し求核付加しアノマーアミドLが生成する。次にLはOBz基の1,2-転位とケトンの脱離によりイソジアゼンMを与える(HERON反応)。さらにMからの窒素脱離により得られたビラジカルNがラジカル再結合し、環状分子が形成できる。本環縮小法の基質は二級アミンの置換基の一方または両方がベンジル位であるものに限られるが、四員環から八員環までの多様な環員数の環状アミンに本手法を適用できた。
後の研究で、窒素原子に隣り合う炭素上に芳香環を有する環状二級アミン(1-アリールテトラヒドロイソキノリン)においては、ビラジカルの再結合ではなく、脱芳香族的スピロ環化反応が進行したのちに1,3-シグマトロピー転位により環縮小体(インダン)が得られる機構も示唆されている[9b]。実験的には、スピロ環中間体Oが単離されており、計算科学的にも分子動力学で説明されている。
置換 (5. Transmutations)
キノリン骨格からキナゾリン骨格への炭素–窒素原子置換法を報告した(5. Transmutations)[10]。前述したキノリン骨格からインドール骨格への一炭素削除法における3,1-ベンゾオキサゼピンGへの変換と同様に、キノリンの酸化(P)と光異性化(Q)の後に、Qをオゾン分解しRへと導く。最後に、Rに対しカルバミン酸アンモニウムを反応させると芳香族化し、キナゾリンを与える。またQからRへのオゾン分解は、Parasram とLeonoriらにより報告された、ニトロアレーンを用いた酸化的開裂反応でも代替可能である[11a, 11b]。
フェニルアジドからピリジン骨格への一原子置換法を開発した(5. Transmutations)[12]。アミノアルコール存在下、フェニルアジドに波長427 nmの光を照射し、続いてN-ブロモカプロラクタムとDBUを反応させ、最後に加熱することでピリジンが得られる。光照射により窒素が脱離し、発生したナイトレンが芳香環に挿入された後に(環状ケテンイミン)、アミノアルコールが求核付加することで、アミノアルコール置換アゼピン誘導体Sが生成する。続いてN-ブロモカプロラクタムを反応させると、窒素に挟まれた炭素がブロモ化され、続いて分子内スピロ環化反応が進行し、スピロ環状N,O-ケタールTとなる。最後に加熱することでカルベンが除去されピリジンを与える。結果として、アジド基のipso位炭素原子が選択的にアジドの窒素原子と交換した。
本反応を鍵反応とし医薬品を合成することで、一原子骨格編集法の有用性が示されている。前立腺肥大症治療薬(5α-還元酵素阻害薬)の候補化合物として知られるアザステロイドは、Giaxoらにより、ノルテストステロンから11工程、総収率1%未満で合成されている[13]。Levinらはノルテストステロン($182 /g)よりも安価で入手容易なエストロン($6 /g)を原料とし、三工程でエストロンのヒドロキシ基をアジド基へと変換し、続けてフェニルアジドからピリジン骨格へ一原子置換した。結果として計四工程、総収率10%でアザステロイドを合成できる。
その他骨格編集以外の研究
骨格編集法とは異なるが、前述した環状二級アミンの窒素原子削除法の報告の中で、鎖状の二級アミンからC–C結合体への窒素原子の削除も達成している[9a]。鎖状の二級アミンに対してアノマーアミド4を作用させると、ジアゼンUが生じ(HERON反応)、ジアゼンからの窒素脱離によりジラジカルVを与える。生じたジラジカルVは直ちに溶媒カゴ内でラジカル再結合しC–C結合体が得られた。本反応で用いたアノマーアミド4は、HERON反応の研究で用いられていたアノマーアミド4’をもとに設計されている[15]。窒素原子削除法に4’を用いると、アミンがアセチル基に求核付加する副反応が進行する。そのため、4’のアセテートをより嵩高いピバレートに変換した。さらに置換基効果の調査により、ベンゾイル基のp位にトリフルオロメチル基を導入した4を用いることで選択的、かつ、高収率でC–C結合体が得られた。
同様の戦略で一級アミンの変換反応を開発した[14a]。一級アミンに対し、アノマーアミド4を反応させると、ジアゼンが生じ、ジアゼンからの窒素脱離によりラジカルWを与える。ラジカルWは水素原子移動により、水素化体を与える。また系中に種々の官能基化剤を共存させることで、ラジカルWをハロゲン化、ヒドロキシ化、チオエーテル化、ホスホニル化できることを示した[14b]。
一級アミンの炭素–窒素結合間へのSO₂挿入法を開発した[16]。一級アミンに対しアノマーアミド4およびスルホニル化剤DABSOを反応させることで、一級スルホンアミドが得られる。まず一級アミンに対し4を反応させたところ、脱アミノ化したラジカルXを与える。続いてXがDABSOからSO2を捕捉し、スルホニルラジカルとなった後、ジアゼン種との水素原子移動(HAT)により、スルフィン酸塩Yが得られる。次にYは4と反応し、再度アミノ化された後、各置換基を除去することでスルホンアミドが得られる。また、アミドを基質に用いると、COがSO2に置換し、スルホンアミドを与えることを見いだした。
ヒドロキシ基ipso位に同位体炭素を有するフェノールの合成法を開発した[17]。1,5-ジリチオ-1,4-ペンタジエンを同位体標識された炭酸エステルもしくは二酸化炭素と反応させるとヒドロキシ基のipso位が同位体標識されたフェノールが得られる。本手法を用い、12種類の1-13C標識フェノールの合成、14C標識フェノールの標識法の概念実証、サイクロトロンで合成した[11C]CO2からのフェノール合成を達成した。
動画
コメント&その他
- 奥さんのDr. Lucia C. Petitoはノースウェスタン大学で生物統計学の助教を務めている。
- Toste研では主に金触媒や有機分子触媒を用いた反応開発に従事しつつ、他の反応開発や反応機構解明に携わった[18a–18g]。
- Jacobsen研でのポスドク時代にはヨードアリールを触媒としたエナンチオ選択的なβ,β-ジフルオロアルキルブロミドの合成反応を開発した[19]。
- 教授室には娘さんから頂いたと思われる絵がたくさん飾られている。
- 毎日、学生に研究の調子を聞いている。
- 常に笑顔を絶やさない。
- 研究室にて犬を飼っており、名前はアシュビー(Ashby)という。犬種はオーストラリアン・ラブラドゥードルでインディアナ州ラファイエット出身。趣味は通りすがりの人に撫でられること、お昼寝、そしてハイド・パークを探検すること。大好きなおやつは、テーブルから落ちてくるものなら何でもとのこと。アシュビーという名前は、カリフォルニア州バークレーにある世界的に有名な「アシュビー駅」からきている。研究室のホームページにメンバー(ラボマスコット)として紹介されている。
関連文献
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