[スポンサーリンク]

ケミカルバイオロジー

Noah Z. Burns ノア・バーンズ

ノア・バーンズ(Noah Z. Burns、19xx年x月xx日-)は、米国の有機合成化学者である。スタンフォード大学 助教授。

経歴

2004 Columbia大学 卒業
2009 The Scripps Research Institute 博士号取得 (Prof. Phil S. Baran)
2009 NIH postdoctoral fellow, Harvard University, USA (Professor Eric Jacobsen)
2012- Assistant Professor at Stanford University

研究概要

ハロゲン化反応の開発

ハロゲン化化合物は、生物活性化合物の中に多く見られる化合物群である。Burnsらはこれまでに、アルケンに対する触媒的かつエナンチオ選択的なジハロゲン化反応やsp3C–H結合のハロゲン化反応などを開発し、様々な生物活性物質の迅速合成に成功した。

図は参考文献[1]のTOCより

なお、2016年までのBurnsらの成果に関しては有機合成化学協会誌2016年12月号のReview de Debut (執筆:早稲田大学 武藤慶 博士)に詳しくまとめられているので参照されたい。
ケムステ内参考記事:ビシナルジハライドテルペノイドの高効率全合成

生物活性物質の全合成

シクロブタン環が連続的に縮環された化合物、ラダランリン脂質(Ladderane Phospholipid)は階段状の構造をもつ天然物化合物である。特異な活性を示すことから、生物学的にも興味深い化合物として知られている。Burnsらは独自の手法を用いて、図に示すラダランリン脂質を合成している。[2]
ケムステ内参考記事:天然階段状分子の人工合成に成功

また、Stanford大学のYan Xiaらと共同して、ラダラン構造をユニットとしてもつポリマーの合成を行なった。[3] そのポリマーに対し機械的な力を加えることによりラダラン構造を開環させ、導電性高分子であるポリアセチレンへと誘導することに成功している。「天然物合成」と「材料科学」をリンクさせたユニークな研究である。(←筆者・感)

図は、Burns研Web siteより

また、Ph.D studentとして在籍していたBaran研での仕事で、著名なものにhaouamine A (ハウアミン A) の全合成がある。彼らによる合成の報告[4]、そのラージ合成[5]ともに非常に秀逸であり有名である(←筆者・感)。
ケムステ内参考記事:ハウアミンAのラージスケール合成

haouamine A (ハウアミン A)

 

参考論文

  1. Landry, M. L.; Burns, N. Z. Acc. Chem. Res. 2018, 51, 1260. DOI: 10.1021/acs.accounts.8b00064
  2. Mercer, J. A. M.; Cohen, C. M.; Shuken, S. R.; Wagner, A. M.; Smith, M. W.; Moss III, F. R.; Smith, M. D.; Vahala, R.; Gonzalez-Martinez, A.; Boxer, S. G.; Burns, N. Z. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 15845. DOI: http://dx.doi.org/10.1021/jacs.6b10706
  3. Chen, Z.; Mercer, J. A. M.; Zhu, X.; Romaniuk, J. A. H.; Pfattner, R.; Cegelski, L.; Martinez, T. D.; Burns, N. Z.; Xia, Y. Science 2017, 357, 475. DOI: 10.1126/science.aan2797
  4. (a) Baran, P. S.; Burns, N. Z. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 3608. DOI: 10.1021/ja0602997 (b) Burns, N. Z.; Baran, P. S. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 205. DOI : 10.1002/anie.200704576
  5. Burns, N. Z.; Krylova, I. N.; Hannoush, R. N.; Baran, P. S. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 9172. DOI: 10.1021/ja903745s

関連リンク

The following two tabs change content below.

関連記事

  1. 菅裕明 Hiroaki Suga
  2. スチュアート・ライス Stuart A. Rice
  3. ロイ・ペリアナ Roy A. Periana
  4. Junfeng Zhao
  5. アルバート・コットン Frank Albert Cotton
  6. エリック・アレクサニアン Eric J. Alexanian
  7. ポール・ロゼムンド Paul W. K. Rothemund
  8. ジョージ・オラー George Andrew Olah

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. エーザイ、医療用の処方を基にした去たん剤
  2. トリプトファン選択的タンパク質修飾反応 Trp-Selective Protein Modification
  3. 私立武蔵高 の川崎さんが「銀」 国際化学オリンピック
  4. 歪み促進逆電子要請型Diels-Alder反応 SPIEDAC reaction
  5. アルダー エン反応 Alder Ene Reaction
  6. カリウム Potassium 細胞内に多量に含まれる元素
  7. 乾燥剤の脱水能は?
  8. スティーブン・ヴァン・スライク Steven Van Slyke
  9. 化学オリンピックを通して考える日本の理科教育
  10. アルカリ土類金属触媒の最前線

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

(−)-Salinosporamide Aの全合成

(−)-salinosporamide Aの立体選択的全合成が達成された。アザ-ペイン転位/ヒドロア…

クラウド版オフィススイートを使ってみよう

クラウド版オフィススイートとはOffice onlineやGoogle ドライブなどのことで、ソフト…

NHCが触媒する不斉ヒドロフッ素化

キラルなN–ヘテロ環状カルベン(NHC)を触媒として用いたα,β-不飽和アルデヒドに対する不斉ヒドロ…

ケミカルバイオロジーとバイオケミストリー

突然ですが、質問です。有機化学と無機化学。違いは説明できますか?「生体物質をあつかうものが有…

改正特許法が国会で成立

特許を侵害したと疑われる企業に専門家が立ち入り検査する制度を新設する改正特許法が10日午前の参院本会…

創薬人育成サマースクール2019(関東地区) ~くすりを創る研究の醍醐味を知る!~

動物や臓器に代わる画期的な実験ツールとして注目される生体機能チップ、原薬(API)合成に不可欠なプロ…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP