[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

デイヴィッド・マクミラン David W. C. MacMillan

デイヴィッド・W・C・マクミラン (David W. C. MacMillan、1968年x月x日-)はアメリカの有機化学者である。米プリンストン大学教授 (写真:www.rsc.org)。

経歴

1991 グラスゴー大学 卒業
1996 カリフォルニア大学アーバイン校 博士号取得(L.E.Overman教授)
1998 ハーバード大学 博士研究員 (D.A.Evans教授)
1998 カリフォルニア大学バークレイ校 着任
2000 カリフォルニア工科大学へ異動
2004 カリフォルニア工科大学 Earle C. Anthony Professor of Chemistry
2006 プリンストン大学 A. Barton Hepburn Professor of Chemistry
2011 プリンストン大学 James S. McDonnell Distinguished University Professor of Chemistry

 

受賞歴

2001 Boehringer-Ingelheim New Investigator Award
2001 Woodward Scholarship Award from Harvard
2001 Cottrell Scholar Award
2001 Astra-Zeneca Excellence in Chemistry Award
2001 Eli-Lilly New Investigator Award
2001 Glaxo Smithkline Chemistry Scholar Award
2001 Eli-Lilly Grantee Award
2002 Pfizer Award for Excellence in Synthesis
2002 Bristol-Meyers Squibb Award for Organic Synthesis
2002 Alfred Sloan Fellowship
2003 Camille and Henry Dreyfus Teacher-Scholar Award
2005 Corday-Morgan Medal
2005 Elias J. Corey Award for Outstanding Contribution in Organic Synthesis by a Young Investigator
2005 Tetrahedron Young Invesigator Award
2006 Thieme-IUPAC Prize in Organic Synthesis
2007 Mukaiyama Award
2007 アーサー・C・コープ スカラー賞
2011 ACS Award for Creative Work in Synthetic Organic Chemistry
2014 Harrison Howe Award
2015 Ernst Schering Prize

 

研究

不斉有機分子触媒の開発にもとづく新規合成方法論の開拓
MacMillan_Cat.gif
彼の開発したMacMillan触媒[1]は、種々のα-アミノ酸から容易に調製可能であり、エナールを基質とする不斉共役付加反応を高い不斉収率にて進行させる。二級アミン部位が基質と反応して求電子性の高いイミニウム中間体を形成し、付加反応を促進させる(LUMO-activation)。取り扱い容易で市販もされており、大変高い実用性を誇る有機分子触媒の一つ。

また、MacMillan触媒を用いて、一電子酸化剤の存在下に電子豊富化学種とラジカル機構を介して反応させるという新規活性化方式(SOMO-activation)をScience誌に報告している。[2] さらに光レドックス触媒としてよく知られているRu(bpy)32+錯体を共存させたることでSOMO-Activation形式で、アルデヒドの不斉α-アルキル化を報告した[3]。有機触媒と光レドックス触媒を組み合わせた先駆的な結果である(関連記事:光レドックス触媒と有機分子触媒の協同作用)

2015-06-10_18-26-33

不斉α-アルキル化

この触媒系を用いて、ヘテロ芳香環・芳香環のトリフルオロメチル化にも成功している[4]。(関連記事:すべてがFになる)

 

関連文献

  1. Review: Lelais, G.; MacMillan, D. W. C. Aldrichimica Acta 200639, 79.
  2. Beeson, T. D.;  Mastracchio, A.; Hong, J.-B.; Ashton, K.; MacMillan, D. W. C. Science 2007, 316, 582. DOI:10.1126/science.1142696
  3. Nicewicz, D.; MacMillan, D. W. C. Science, 2008, 322, 77. DOI: 10.1126/science.1161976
  4. Nagib, D. A.; MacMillan, D. W. C. Nature, 2011,  480, 224. DOI: 10.1038/nature10647
  • Jones, S. B.; Simmons, B.; Mastracchio, A.; MacMillan, D. W. C. Nature, 2011,  475, 183.
  • McNally, A.; Prier, C. K.; MacMillan, D. W. C. Science, 2011, 334, 1114.
  • Pirnot, M. T.; Rankic, D. A.; Martin, D. B. C.; MacMillan, D. W. C. Science, 2014, 339, 1593.
  • Zuo, Z.; Ahneman, D.; Chu,L.; Terrett, J.; Doyle, A. G.;  MacMillan, D. W. C. Science, 2014, 345, 437.
  • Cuthbertson, J. D.; MacMillan, D. W. C. Nature, 2015, 519, 74.
  • C. P. Johnston, R. T. Smith, S. Allmendinger, D. W. C. MacMillan, Nature, 2016, 536, 322.
  • E. R. Welin, C. C. Le, D. M. Arias-Rotondo, J. K. McCusker, D. W. C. MacMillan, Science, 2017, 355, 380.
  • C. Le, Y. Liang, R. W. Evans, X. Li, D. W. C. MacMillan, 2017, Nature, 2017547, 79.

 

関連動画

 

関連書籍

関連試薬

Aldrich

mfcd03426983.gifMacMillan触媒: (5S)-(−)-2,2,3-Trimethyl-5-benzyl-4-imidazolidinone monohydrochloride

分子量:254.76

CAS:278173-23-2

製品コード:569763

用途:不斉有機分子触媒

説明:2000年に報告された、触媒的不斉Diels-Alder反応を皮切りに、MacMillanらは、1,3- 双極子環化付加反応や、Friedel-Crafts アルキル化反応、α- 塩素化反応、α- フッ素化反応、分子内Michael 反応などを高いエナンチオ過剰率で進行させることが可能な触媒を見出した。このイミダゾリジノン触媒を基本骨格として、さらに様々な触媒的不斉合成反応を見出している。

文献:Jen, W. S.; Wiener, J. J. M.; MacMillan, D. W. C. J. Am. Chem. Soc2000, 122, 9874.

その他のMacMillan触媒に関する記述: 有機分子触媒(Aldrichオンラインカタログ, PDFファイル)

 

外部リンク

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. マーティン・ウィッテ Martin D. Witte
  2. トーマス・ホイ Thomas R. Hoye
  3. グラーメ・モード Graeme Moad
  4. 黒田 玲子 Reiko Kuroda
  5. オマー・ヤギー Omar M. Yaghi
  6. キース・ファニュー Keith Fagnou
  7. 紫綬褒章化学者一覧 Medal with Purple Ribb…
  8. 宮坂 力 Tsutomu Miyasaka

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 水をヒドリド源としたカルボニル還元
  2. 水分解 water-splitting
  3. カーボンナノチューブの毒性を和らげる長さ
  4. ヒストリオニコトキシン histrionicotoxin
  5. リード反応 Reed Reaction
  6. YMC研究奨励金当選者の声
  7. クラリベイト・アナリティクスが「引用栄誉賞2018」を発表
  8. 留学せずに英語をマスターできるかやってみた(4年目)
  9. ロジャーアダムス賞・受賞者一覧
  10. パリック・デーリング酸化 Parikh-Doering Oxidation

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

カクテルにインスパイアされた男性向け避妊法が開発される

男性の避妊法はXXドームを付ける一時的なものか、パイプカットを行って完全に生殖行為を不可能にするかと…

水素社会実現に向けた連続フロー合成法を新開発

第179回のスポットライトリサーチは、東京大学理学系研究科化学専攻有機合成化学教室の宮村浩之先生にお…

【大阪開催2月26日】 「化学系学生のための企業研究セミナー」

2020年卒業予定の学生の皆さんは、3月から就活本番を迎えますが、すでに企業の選考がスタートしている…

Nature 創刊150周年記念シンポジウム:ポスター発表 募集中!

本年、Nature 創刊150周年を迎えるそうです。150年といえば、明治時代が始まったばかり、北海…

アルケニルアミドに2つアリールを入れる

ニッケル触媒を用いたアルケニルアミドの1,2-ジアリール化反応が開発された。フマル酸エステルを配位子…

蛍光標識で定性的・定量的な解析を可能に:Dansyl-GSH

反応性代謝物の存在を調べたい。代謝化学の実験をしていれば、ほとんどの人がそう思うのではないでしょうか…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP