[スポンサーリンク]

ケムステニュース

極小の「分子ペンチ」開発

[スポンサーリンク]

分子マシン三種類の分子を組み合わせて、光に反応して別の分子を挟んでねじることができる極小の「分子ペンチ」を、東京大の金原数(きんばら・かずし)講師(有機化学)や村岡貴博さんらの研究グループが開発した。23日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 1ナノメートル(10億分の1メートル)のスケールで機械のように動く分子は「分子機械」と呼ばれ、医療やナノテクノロジーの分野での利用が期待されているが、従来の分子機械は回転運動やスライド運動など比較的単純な動きしかできず、応用の範囲が限られていた。グループの相田卓三教授は「これまで部品でしかなかった分子機械が、道具として使えるようになる第一歩だ」と話している。(引用:京都新聞

 

 分子機械、分子マシン、ナノマシーンなど様々な言い方がありますが、マクロで実現されて機械としてもちいられているものを、分子という非常に小さな世界でで模倣、実現させたもののことをさします。例えば、分子モーターや、分子シャトル、分子エレベーター、分子ローター様々なものがありますが、今回は分子ペンチ(分子ピンセット)です。

 道具として使えるようになる第一歩だということは確かにそうかもしれませんが、まだまだ遠い目標となりそうですね。今回の分子ペンチは、光で異性化し、伸縮運動を行うアゾベンゼン、シクロペンタジエニル基が回転し運動を行うフェロセン、金属錯体であり、分子を捕まえることのできる、亜鉛ポルフィリンから構成されています。

?

関連書籍

超分子と高分子
賢くはたらく超分子

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 分子の動きを電子顕微鏡で観察
  2. 114番元素生成の追試に成功
  3. 武田 新規ARB薬「アジルバR錠」発売
  4. 国公立大入試、2次試験の前期日程が実施 ~東京大学の化学の試験を…
  5. ヤンセン 新たな抗HIV薬の製造販売承認を取得
  6. 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正す…
  7. 塩野義 抗インフルエンザ薬製造・販売の承認を取得
  8. 換気しても、室内の化学物質は出ていかないらしい。だからといって、…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ブラッド・ペンテルート Bradley L. Pentelute
  2. 研究助成情報サイト:コラボリー/Grants
  3. アメリカで Ph. D. を取る –希望研究室にメールを送るの巻– (実践編)
  4. 半年服用で中性脂肪3割減 ビタミンPと糖の結合物質
  5. ジンケ アルデヒド Zincke Aldehyde
  6. ミック因子 (Myc factor)
  7. 海外で働いている僕の体験談
  8. リチウムイオン電池 電解液の開発動向と高機能化
  9. がん治療にカレー成分-東北大サイエンスカフェ
  10. 日本化学会がプロモーションムービーをつくった:ATP交流会で初公開

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2006年4月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

はじめから組み込んじゃえ!Ambiguine P の短工程合成!

Ambiguine Pの特徴的な6-5-6-7-6多環縮環骨格を、生合成を模倣したカスケード環化反応…

融合する知とともに化学の視野を広げよう!「リンダウ・ノーベル賞受賞者会議」参加者募集中!

ドイツの保養地リンダウで毎年夏に1週間程度の日程で開催される、リンダウ・ノーベル賞受賞者会議(Lin…

ダイヤモンド半導体について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、究極の…

有機合成化学協会誌2025年6月号:カルボラン触媒・水中有機反応・芳香族カルボン酸の位置選択的変換・C(sp2)-H官能基化・カルビン錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年6月号がオンラインで公開されています。…

【日産化学 27卒】 【7/10(木)開催】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 Chem-Talks オンライン大座談会

現役研究者18名・内定者(26卒)9名が参加!日産化学について・就職活動の進め方・研究職のキャリアに…

データ駆動型生成AIの限界に迫る!生成AIで信頼性の高い分子設計へ

第663回のスポットライトリサーチは、横浜市立大学大学院 生命医科学研究科(生命情報科学研究室)博士…

MDSのはなし 骨髄異形成症候群とそのお薬の開発状況 その2

Tshozoです。前回はMDSについての簡易な情報と歴史と原因を述べるだけで終わってしまったので…

水-有機溶媒の二液相間電子伝達により進行する人工光合成反応

第662回のスポットライトリサーチは、京都大学 大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 阿部竜研究…

ケムステイブニングミキサー 2025 報告

3月26日から29日の日本化学会第105春季年会に参加されたみなさま、おつかれさまでした!運営に…

【テーマ別ショートウェビナー】今こそ変革の時!マイクロ波が拓く脱炭素時代のプロセス革新

■ウェビナー概要プロセスの脱炭素化及び効率化のキーテクノロジーである”マイクロ波…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP