[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第20回 超分子から高分子へアプローチする ― Stuart Rowan教授

[スポンサーリンク]

第20回目は、ケース・ウェスタン・リザーブ大学のスチュアート・ローワン教授です。超分子ポリマー・自己修復材料・金属含有ポリマー・ゲルなど、超分子化学を用いた高分子材料の分野を幅広く研究されています。最近も、Natureに光で修復可能な超分子ポリマーを報告されています(こちら)。

 

 

Q. あなたが化学者になった理由は?

僕が化学者を選んだわけじゃなくて、化学が僕を選んだんだ。月並みな言い方かもしれないけど、高校で化学だけが自然と頭に入ってきたんだ。

 

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

何をしたらいいか、ぜんぜん分からないね。表面的な人になっちゃうかな?そんなの僕じゃないね!スコットランド人なら誰でもなりたがる、ウィスキーの蒸留所のオーナーになりたいとも思わないなあ。

 

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

(スコットランド王の)ロバート1世。なぜかって?彼の物語を聞くのが大好きだったんだ。あるいは、ロバート一世みたいに、一緒にいて面白そうな物語上の人物がいいね。僕がスコットランド人だってことを思い出せば、それに該当する人が大勢いることが分かるはずだよ。

Robert I

Robert I

 

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

だいたい6年前かな。ジイミド還元がpoly(p-phenylene ethynylene)からpoly(p-xylene)への変換に使えないかと思って、同僚のクリス・ウェーダー(ケース・ウェスタン・リザーブ大学教授)の研究室に行ったときだね。簡単な反応で、最初から上手くいったんだ!その後すぐにMacromoleculesに論文を出したね。

 

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

僕の気分によって何を選ぶかはかわっちゃうだろうから、難しい質問だなあ。レディオヘッドのCDからなら、「ザ・ベンズ(The Bends)」を選ぶね。本なら”「砂漠の島でのサバイバル術」”だ。これは質問の意図に合っていないだろうけれど、「ザ・ベンズ」を聞くためにはなるべく長く生き延びなきゃならないからね。そんな本が持ち込み禁止なら、リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子(The Selfish Gene)」を選ぶね。僕が生き延びることができるくらい、僕の遺伝子が利己的だといいけど。

[amazonjs asin=”B000007363″ locale=”JP” title=”ザ・ベンズ”][amazonjs asin=”4314010037″ locale=”JP” title=”利己的な遺伝子 <増補新装版>”]

 

※このインタビューは2007年6月6日に公開されたものです。

光で修復する超分子ポリマーの動画です。ローワン教授が出演しています。

Avatar photo

suiga

投稿者の記事一覧

高分子合成と高分子合成の話題を中心にご紹介します。基礎研究・応用研究・商品開発それぞれの面白さをお伝えしていきたいです。

関連記事

  1. 第121回―「亜鉛勾配を検出する蛍光分子の開発」Lei Zhu教…
  2. 第113回―「量子コンピューティング・人工知能・実験自動化で材料…
  3. 第40回「分子エレクトロニクスの新たなプラットフォームを目指して…
  4. 第22回 化学の複雑な世界の源を求めてーLee Cronin教授…
  5. 第94回―「化学ジャーナルの編集長として」Hilary Cric…
  6. 第137回―「リンや硫黄を含む化合物の不斉合成法を開発する」St…
  7. 第47回「目指すは究極の“物質使い”」前田和彦 准教授
  8. 第35回 生物への応用を志向した新しいナノマテリアル合成― Ma…

注目情報

ピックアップ記事

  1. UiO-66: 堅牢なジルコニウムクラスターの面心立方格子
  2. E.・ピーター・グリーンバーグ E. Peter Greenberg
  3. ルドルフ・クラウジウスのこと② エントロピー150周年を祝って
  4. 強酸を用いた従来法を塗り替える!アルケンのヒドロアルコキシ化反応の開発
  5. ウィリアム・リプスコム William N. Lipscomb Jr.
  6. 新規抗生物質となるか。Pleuromutilinsの収束的短工程合成
  7. 第81回―「均一系高分子重合触媒と生分解性ポリマーの開発」奥田 純 教授
  8. 光触媒の活性化機構の解明研究
  9. 親子で楽しめる化学映像集 その2
  10. ペプチドの精密な「立体ジッパー」構造の人工合成に成功

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP