[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第121回―「亜鉛勾配を検出する蛍光分子の開発」Lei Zhu教授

[スポンサーリンク]

第121回の海外化学者インタビューは、Lei Zhu教授です。フロリダ州立大学 化学・生化学科で、亜鉛の超分子化学と生物無機化学を研究しています。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

高校時代、理科ならどの教科も好きでした。(高校)化学の実験パートは、他の何よりもずっと視覚的であり、それが今の仕事に興味を向かせてくれました。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

化学に次ぐ職業選択は、調査ジャーナリズムでしょう。科学とあまり変わらないのですが――人は証拠に基づいて結論を導きます。

Q. 現在取り組んでいることは何ですか?そしてそれをどう展開させたいですか?

私たちは、生体内の亜鉛勾配を検出できる蛍光分子の開発を行っています。また、設計した化合物にまつわる光物理学や配位化学にも興味を持っています。化学系の基礎的な理解を深めることに加えて、より良いセンサーや触媒、そして最終的にはたくさんの驚きにつながることを期待しています。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

ビーグル号に乗っていた チャールズ・ダーウィンですね。彼は賢かったし、航海中には信じられないほどの夕食の選択肢があったかもしれない。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

実験ノートの最後の書き込みは今年の3月17日です。研究中の配位子の前駆体を調製しました。何度もやっている反応です。うまくいかないことはありません。事務仕事から逃げるためにやりました。プロジェクトをタイムリーに進めるために必要な継続性を維持できなくなったので、自分ではもうプロジェクトを持っていません。私の研究室での活動のほとんどは、機器のメンテナンスです。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

中国のカンフー小説を楽しんでいると、たまに海の幸のレシピが載っていることがあり、嬉しいですね。音楽はあまり好きではありません。音楽CDとDane Cookのコメディー番組の録音何枚かと交換したいです。

Q.「Reactions」でインタビューしてほしい化学者と、その理由を教えてください。

ニューヨーク大学のメイトランド・ジョーンズです。人生経験豊富な人ですが、若くて遊び心があります。あと、SUNY New PaltzのFrantz Andersenも面白いです。彼はテキサス大学オースティン大学時代からの親友です。Frantzはいつもショッキングな面白い話をしてくれます。

 

原文:Reactions – Lei Zhu

※このインタビューは2009年6月26日に公開されました。

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 第73回「分子混合物の分離特性を制御する機能性分離膜の創製」金指…
  2. 第22回「ベンゼン環の表と裏を利用した有機合成」植村元一教授
  3. 第68回「表面・界面の科学からバイオセラミックスの未来に輝きを」…
  4. 第72回―「タンパク質と融合させた高分子材料」Heather M…
  5. 第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異…
  6. 第57回―「アニオン認識の超分子化学」Phil Gale教授
  7. 第69回「見えないものを見えるようにする」野々山貴行准教授
  8. 第66回「機能的な構造を探求する」大谷亮 准教授

注目情報

ピックアップ記事

  1. 【書評】現場で役に立つ!臨床医薬品化学
  2. 有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成
  3. 第66回「機能的な構造を探求する」大谷亮 准教授
  4. 危険物に関する法令:行政手続き、許可取り消し
  5. 第40回ケムステVシンポ「クリーンエネルギーの未来を拓く:次世代電池と人工光合成の最新動向」を開催します!
  6. 先端領域に携わりたいという秘めた思い。考えてもいなかったスタートアップに叶う場があった
  7. タミフル―米国―厚労省 疑惑のトライアングル
  8. 抗体ペアが抗原分子上に反応場をつくり出す―2つの抗体エピトープを利用したテンプレート反応の開発―
  9. 網井トリフルオロメチル化 Amii Trifluoromethylation
  10. マイクロリアクターによる合成技術【終了】

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP