[スポンサーリンク]

天然物

グルタミン酸 / Glutamic Acid

[スポンサーリンク]

おいしい和食の秘訣は何か?と考えると、なかなか難しい質問でしょうか。やはり、「ダシ」でしょう。

 

実は、世界ではじめにダシの成分がグルタミン酸であることを突き止めたのは、日本人の池田菊苗です。

化学式は、上記の構造式の通りアミノ酸であり、HOOC-CH2-CH2-CH(NH2)-COOHです。

 

その後、味の素がグルタミン酸のナトリウム塩(グルタミン酸ナトリウム)の合成に成功し、現在は広く調理に用いられています。

上の構造を見て、気づく人もいるかも知れませんが、グルタミン酸は光学異性体をもちます。下図のようにL体とD体を並べてみると、不斉中心がどこなのかよくわかります。

 

DL-GlutamicAcid.png

 

ちなみに、グルタミン酸の場合は、L体はダシの成分としておいしく戴くことができますが、D体の方は全くダシとしては使えません。

 

このグルタミン酸、コンブやしょう油などの中に含まれています。その他にも、グルタミン酸がたくさんつながって高分子になると、納豆のネバネバ成分、ポリグルタミン酸にもなります。ポリグルタミン酸の場合は、以下のようにNH-COというペプチド結合を作り、以下のような分子になります。

 

PolyGlutamicAcid.png

 

  • 関連記事・リンク

グルタミン酸 – Wikipedia

【味の素KK】「味の素」|アジパンダ(AjiPanda)~うま味調味料「味の素」基礎知識

 

  • 関連商品

Masa

投稿者の記事一覧

某大学の薬学部に通う大学3年生。有機金属錯体と生体活性の関係に興味を持っている。現在は目的の研究室にどうやったら入れるのかということを考える日々を過ごしています。 薬学に関連した内容を発信していければと思っています。よろしくお願いします。

関連記事

  1. ミヤコシンA (miyakosyne A)
  2. モルヒネ morphine
  3. ブラッテラキノン /blattellaquinone
  4. アルゴン (argon; Ar)
  5. ピラーアレーン
  6. クルクミン /curcumin
  7. 化学者のためのエレクトロニクス講座~無電解めっきの原理編~
  8. アデノシン /adenosine

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 科学とは「未知への挑戦」–2019年度ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞
  2. C70の中に水分子を閉じ込める
  3. 浜松ホトニクス、ヘッド分離型テラヘルツ波分光分析装置を開発
  4. イグノーベル賞2023が発表:祝化学賞復活&日本人受賞
  5. 化学者のためのエレクトロニクス入門⑥ ~エレクトロニクス産業の今後編~
  6. チェーンウォーキングを活用し、ホウ素2つを離れた位置へ導入する!
  7. ヒュスゲン環化付加 Huisgen Cycloaddition
  8. ミツバチの活動を抑えるスプレー 高知大発の企業が開発
  9. 福住 俊一 Shunichi Fukuzumi
  10. 青色LEDで駆動する銅触媒クロスカップリング反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年10月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

保護基の使用を最小限に抑えたペプチド伸長反応の開発

第584回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 薬学系研究科 有機合成化学教室(金井研究室)の…

【ナード研究所】新卒採用情報(2025年卒)

NARDでの業務は、「研究すること」。入社から、30代・40代・50代……

書類選考は3分で決まる!面接に進める人、進めない人

人事担当者は面接に進む人、進まない人をどう判断しているのか?転職活動中の方から、…

期待度⭘!サンドイッチ化合物の新顔「シクロセン」

π共役系配位子と金属が交互に配位しながら環を形成したサンドイッチ化合物の合成が達成された。嵩高い置換…

塩基が肝!シクロヘキセンのcis-1,3-カルボホウ素化反応

ニッケル触媒を用いたシクロヘキセンの位置および立体選択的なカルボホウ素化反応が開発された。用いる塩基…

中国へ行ってきました 西安・上海・北京編①

2015年(もう8年前ですね)、中国に講演旅行に行った際に記事を書きました(実は途中で断念し最後まで…

アゾ重合開始剤の特徴と選び方

ラジカル重合はビニルモノマーなどの重合に用いられる方法で、開始反応、成長反応、停止反応を素反応とする…

先端事例から深掘りする、マテリアルズ・インフォマティクスと計算科学の融合

開催日:2023/12/20 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

最新の電子顕微鏡法によりポリエチレン分子鎖の向きを可視化することに成功

第583回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 陣内研究室の狩野見 …

\脱炭素・サーキュラーエコノミーの実現/  マイクロ波を用いたケミカルリサイクル・金属製錬プロセスのご紹介

※本セミナーは、技術者および事業担当者向けです。脱炭素化と省エネに貢献するモノづくり技術の一つと…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP