[スポンサーリンク]

ケムステニュース

化学オリンピック:日本は金2銀2

[スポンサーリンク]

 

世界の高校生が化学の知識と応用力を競う「第42回国際化学オリンピック」が27日、早稲田大(東京都新宿区)の大隈講堂で閉幕した。日本代表4人のう
ち、栄光学園高(神奈川県)3年の遠藤健一さん(17)が昨年に続く2回連続の金メダル獲得の快挙となった。また、灘高(兵庫県)2年の斉藤颯(はやて)
さん(17)も金メダルを受賞。滋賀県立膳所高2年の浦谷浩輝さん(16)と筑波大駒場高(東京都)3年の片岡憲吾さん(17)の2人も銀メダルとなり、
7年連続で代表全員が受賞した。(文章および写真引用:毎日JP)

以前からお伝えしてきましたが、世界中の高校生たちが競い合う知の祭典のひとつ、今年の国際化学オリンピックは日本国内で7/19-28、つまり本日まで開催されました。
参加を始めてまだ年が浅い日本勢ですが、昨年度は過去最高の結果を得ることに成功していました。今年はホームグラウンドでもあり、否が応にでも期待が高まる選手団でしたが、見事金メダル2個の快挙を成し遂げました!ほかの2人もともに銀メダルということで、昨年に引き続きすばらしい結果に終わり、日本にとっては最高の化学オリンピックになったのではないでしょうか。

日本選抜の学生は、ほとんど医学部志望ということで、それだけが少し残念ではあります。
日本のシステム上、優秀な学生は医学部・法学部に集中してしまうのが避けられないですが、日本選抜から世界的化学者が輩出されるいつか日がくることを願ってやみません。化学は日本が世界的に十分戦える研究レベルを誇る学問のひとつなのです。

さて選手団は文句のつけようがない見事な成績でしたが、運営もつつがなく終了した模様です。

公式ホームページの「今日の一日」という写真集コーナーが更新されていました。写真を見てみると、どの学生も皆さん日本を堪能されたようで、何よりですね。
世間の盛り上がりはスポーツのオリンピックに比べると例年通りいまいちでしたが、日本の化学界にとっては疑いなくビッグイベントでありました。
化学オリンピックというのは、化学を通じて国際交流が行える、日本をもっとよく知ってもらえるという優れたイベントでもあるのです。優れた学生どうしが切磋琢磨する、という以上の意味合いがあるのですね。そういう重要イベントで、若い化学界に日本の存在感を示せたことは大きな意味があると思います。
選手、運営の皆様、本当にお疲れさまでした。

 

関連書籍

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 20年新卒の志望業界ランキング、化学は総合3位にランクイン
  2. 白い有機ナノチューブの大量合成に成功
  3. ノーベル化学賞:下村脩・米ボストン大名誉教授ら3博士に
  4. 有望ヘリウム田を発見!? ヘリウム不足解消への希望
  5. シイタケ由来成分に抗アレルギー効果を確認
  6. 情報守る“秘密の紙”開発
  7. 耐熱性生分解プラスチック開発 150度でも耐用 阪大
  8. 製薬、3強時代に 「第一三共」きょう発足

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本学士院賞・受賞化学者一覧
  2. 「神経栄養/保護作用を有するセスキテルペン類の全合成研究」ースクリプス研究所 Ryan Shenvi研より
  3. 結晶格子の柔軟性制御によって水に強い有機半導体をつくる
  4. FM-AFMが実現!”溶ける”を原子レベルで直接観察
  5. 金属から出る光の色を利用し、食中毒の原因菌を迅速かつ同時に識別することに成功!
  6. 固体なのに動くシャトリング分子
  7. 赤外光で分子の結合を切る!
  8. 触媒的syn-ジクロロ化反応への挑戦
  9. はてブ週間ランキング第四位を獲得
  10. 脂質ナノ粒子によるDDS【Merck/Avanti Polar Lipids】

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年7月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP