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兄貴達と化学物質+α

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Tshozoです。以前こういう記事を書いたのですが、昨今の状況を見るにつけ前回調べきれなかった点を加筆いたします。訂正事項は都度記録して修正していきますのでご容赦を。筆者はいわゆるドーピング行為には心理的抵抗がありますが、本件で化合物の使用について是非を申し上げるつもりはありませんのでその点ご留意ください。

前回の記事より「超兄貴」シリーズキャラクター サムソン
双子のアドンと一緒に頭頂部からレーザーを放射する

ステロイドに関する基礎事項

気になる、というのはステロイドとその関連案件のことです。まず名前の定義から。[文献1]によるとステロイドはギリシャ語の”Stereos(固体、立体)”に端を発する言葉です。人体や植物から収集された固体系脂質を指すらしく、そのうちアルコール(-OH)を含み、かつ下図の特徴的な分子骨格を持つものをSterolと呼び、その類似体(=***id)ということで”Steroid“という単語が出来上がったとのこと。このステロイド系化合物の一部が人体や植物への生理活性を持つ、いわゆる”ホルモン”で、それらを「ステロイドホルモン」と呼ぶ場合があります。

代表的なステロイドホルモン、 テストステロン(性腺ホルモンの一種)分子構造
このオレンジ色の部分と類似の骨格を持つ化合物を総称してステロイドと呼ぶ

これらの分子グループを誰が発見したのか、Webレベルではどうしてもわからなかったのですが、[文献2]によると薬品としてその効果を見出したのは現メガファーマ Sanofiの源流会社の一つ”Roussel Uclaf”社の創業者、Dr. Gaston Rousselです。その薬への応用開始時期はなんと1930年前後。こちらの記事で採り上げた消炎剤ジフルコルトロン吉草酸エステル(下図)がドイツの製薬会社Shering(現Bayer)によって1960年代に合成され有効活用されていたのは欧州にこういう技術下地があったからなんでしょうね。1930年代からSherringもステロイド化合物に関する特許を出しておりこの時代から開発競争が存在したことがうかがえます。

筆者が痔疾患時に注入した化合物のひとつ、ジフルコルトロン吉草酸エステル
確かに4つの炭素の円環(いわゆるステロイド核)が存在する

今回はそのうち、下図分類の青色塗りのグループに属するステロイド化合物の話。この性腺ステロイドホルモンに属する化合物も医薬品として様々な場面で活躍していますが、今回は医薬としてではなく特定の目的に対する使用に関してのお話をします。

内分泌ホルモン(体内で生成されるホルモン)の雑な分類
もちろん副腎皮質ホルモン、女性ホルモンにもステロイド構造をもつものが多数あります

蛋白同化ステロイドの体内での動態、種類など

男性ホルモンは乱暴に言うと「身体を男っぽくする」ホルモンで、テストステロンなど一部のホルモンは細胞に作用し、体の構成物のもととなる材料(アミノ酸類)から蛋白質を作り出し体内に取り込む機構蛋白同化作用)を増幅・強化することができ、つまり筋肉を大きくすることが出来る。これらの作用を持つステロイド類を「アナボリック(アンドロジェニック)ステロイド:以下AAS」と呼びます。しかしテストステロンは分解されやすかったり効果が薄かったりであるため、古くから骨格にヘテロ原子を加えたり官能基を変えたり保護基を加えたりして蛋白同化作用を高めたものも合成されるようになっており、下図に示す以外にもそれこそ星の数ほど出回っているでしょう。

テストステロン(Steroid Hormone)の体内での動態概要
脂溶性であるため①細胞膜を通り抜け細胞内に入って②レセプターにくっつき、
③細胞核内へ移行して④筋肉作れ指令を出させて

蛋白質(protein・⑤)の合成を促す [文献3]より引用

[文献4]より引用 全体のほんの一例
Steranabolなど、モノによっては1970年代から販売されているものもあるが
本来は諸症状を緩和するための医薬品である

アナボリック効果を高めるための合成ストラテジー概要[文献4]

文献類によるとこの合成AASで特に効果が高いものを使用すると、一定期間後のトレーニング後の筋肉量増加はゆうに30%近くにも達するとか(使わないと最大でも7%未満に留まる)。つまり適量を使えば諸々の成績を伸ばせる。なのでほとんどのスポーツ競技ではAASの使用を「ドーピング」とみなして厳しく取り締まっています。ロス五輪前後で活躍したベンジョンソンとかフローレンスジョイナーとかの疑惑や、東欧の投擲類の選手はほとんど服薬していた噂があるなど古くは1970年代からの根強い問題です。ちなみにステロイド化合物ではないですが以前採り上げたエリスロポエチンも赤血球への細胞分化を促す”増強”効果があるのでドーピングとみなされるケースがあります(ツールドフランスでの問題など)。

誰が使用するのか おさらい

当然ですが、公平性の観点から一般スポーツ業界ではAASは使用できません。バレると選手生命を失いますし。しかし厳密にスポーツ業界でない領域、つまりショービズに重きを置いている分野では、公然の秘密のように使用されている(いた)ケースがあります。過去問題になったメジャーリーグでの事例、使用を自白したマーク・マグワイヤ氏の1995年前後の体格変化を見ればイメージがつきやすいでしょう。この前後の年代でやたら活躍した野球選手で、急激に体格がよくなったり体幹が太くなったりしていた選手は漏れなくAASを使用していた可能性がある、という噂も、ある程度信憑性がある気がします。

「ultimate warrior james hellwig」の画像検索結果
“アルティメット・ウォーリアー” ジム・ヘルヴィック[写真リンク]

超合金戦士と呼ばれたが54歳という若さで死去
色々画像をみていくと内臓肥大と女性化乳房(乳頭)が顕著

またショービズでは最も代表的な例がプロレス界で、たとえば長年WWFの顔役であったハルク・ホーガンは現役時代のAAS使用を公表しています(リンク)。”やっぱアホーガンよ”を読んでいた世代には辛い話で、同時代だと上図のアルティメット・ウォーリアーも使用したことが明らかになっています。WWFチャンピオンブロック・レスナーも2001年に大量のAASを所持していた容疑で逮捕(リンク)されていますから、業界に根深く浸透していたとみるのが妥当かと。これはマッチョでバルキーな筋肉を持ったレスラーがかっこいいという消費者の希望に沿ったキャラクターを造り上げる必要があったためと考えられ、彼らは被害者でもあり同時にそうした世界を開いてしまった加害者でもあるのでしょう。”Nature Boy” リック・フレアーですら使用したという話も出ており誠に残念です。

そしてもう一つの代表例が下図のボディビル業界。とくに「ナチュラルでない」と言われる分野の話です。

以前の記事から再掲 一番左のボディービルダー開祖 ザンドウ以外は
暗黙のうちにアナボリックステロイドの使用がおおむね明らかになっている方々

上図右4人のように”アンナチュラル”と称される領域におられる方々は、300kg以上の重量を担いでのスクワットなど、想像を絶するレベルのトレーニングを大前提としてAASを服用(又は注射)することで異様な量の筋肉を身にまとうようになります。通常こうした合成AASは医薬品に該当するので目的外使用になる気がするのですが、どうやって入手するんでしょうかね。特に日本国内では医師処方箋が無いと手に入らないはずで、ずーっと疑問に思っておりますです。人づてか、何とかして入手してるんでしょうか。ただアメリカで[文献5]に示されるように高校生、大学生の一部にまで乱用が広がっている現実を考えると、海外の方が入手ハードルが低い印象を受けます。

ともあれその筋肉増量効果はすさまじく、”ミスター・オリンピア”レベルになると上図の真ん中、ドリアン・イエーツというクマゼミみたいに張り出した背筋肉塊を纏うヒューマンとか、その右側の前人未到のミスター・オリンピア7連覇を成し遂げたロニー・コールマンとか、現在も活躍されているイケメンY氏とか、そういう感じの筋肉増大に成功するケースがあります。スクワット最大荷重360kgとかいう値を目にしたことがありますがもう鬼神のごときです。

なお昔幸運にもこの中のお一人と宴席でご一緒することがあったのですが、腕が太すぎて腋が締められず常に上半身が「巾」みたいな状態だったというたまげた体形をされていたのをよく覚えています。たしかその当時の腕回りサイズが筆者の太腿回りよりも太かったような気が・・・その後、飲み会を終えて店を出たところのすぐ前に不法駐車車両があったので酒の勢いもあって皆でリ(続きを読むにはここをクリックしてください)

筆者が初めて雑誌で目にしたボディービルダー Dave Palumbo
筆者に強烈な印象を残した(が、ホルモン剤をスポーツ選手にばらまいた容疑で2004年に有罪になってました)

で、こうした方々もやはり現役時代にお薬を使っていた、つまり合成AASを使用していた可能性が極めて高いことが明らかになっています(各人が公表していたかどうかはここでは触れません)。これらのコンテストでのAASおよび利尿剤などの関連薬物の使用について「使用禁止」が明文化されているわけではなく、またその使用もご本人達のご意思に基づくものでしょうから是非は問いませんが、当然お薬ですから副作用もあるわけです。

その副作用の代表的なものとしては以前の記事に述べた通り、乳首屹立を含む女性化乳房、内臓肥大、禿頭、体毛増加、ニキビなどの肌荒れ顕著化、睾丸縮小、精神不安定化、などなどですがホーガン、レスナー、ウォーリアー、コールマン、イエーツらの使用が明らかになっている方々の胸元をよく見ると、高確率で女性化乳房・乳首屹立が発生し得ることがうかがえます。その程度にも下図の通り数ステージかあるのですが、この症状はステロイド服用の有無を見分けるための一つの指標になるのではないでしょうか。

図は[文献6]より引用 ウォーリアーのレベルでGrade Ⅰに相当するとみられる
さすがにGradeⅢ以上の状態になるのは稀か?

ただし注意しなければならないのは、肥満体質の方々はもともと”Psuedogynecomasia”、つまり”疑似女性化乳房”という症状が現れる可能性があるほか、合成AASの使用に関わらず先天的に女性化乳房を示す傾向がある方がいるようですので、その点はご留意・ご注意ください。さらに少し古いですが[文献7,8]によると思春期男性では女性化乳房”疑い”で受診された方々(同世代の人口の2%未満ですが・・・)のうち1/3以上に薬物服用以外の原因とする確定診断が出たことがあるほか、同じく体のバランスが崩れがちな老齢の男性でも症状疑い(同左)で受診された70%近くの人に確定診断が出されたことがあるようですし、要は女性化乳房症状を示しているからと言って必ずAASを服用しているという話ではない、ということです。

なお、男性ホルモンであるテストステロンまたは合成AASが体内に投与されると何故女性化乳房が進むのか、については現在筆者が調べる限りではよくわかりませんでした。特に細胞内での詳細メカニズムが解き明かされてはいないようですが、一応仮説はあり、[文献6]によるとホルモンバランスの崩れが基本的要因であるほか、「体内でテストステロン(を含むAAS)が大量に合成された場合でも、その何割かが体内の代謝酵素(aromatase)により女性ホルモンであるエストラジオールに変換されうるということが大きな要因である」と書かれています。要は男性ホルモンが体内で大量に存在した状態となると、男っぽく筋肉が増加するいっぽうで男性ホルモンの一部が女性ホルモンに変換され、それらが乳房の乳腺(mammary ductules)を刺激し女性化乳房が進行する、と。「男の娘」という唾棄すべき恐ろしいワードをネット上で目にしたことがあるのですが、この単語同様、男っぽくしようとするあまり裏返って女性化してしまう、という現象であると認識すればよろしいのでしょうか。筆者にはちょっと想像し難い空間へ突入してきた感があります。

テストステロンとエストラジオール 確かに構造は似ている…
Aromataseにより容易に変換するようですが、相変わらず生体酵素は
驚くような反応を起こすなぁと驚かされるばかりです

加えて副作用として女性化乳房以外に外観上顕著になるのが内臓肥大。下記の写真を見ればすぐ理解できるでしょう。結局こういう変化のためか、早死にしたり疾患を抱える人も多かったりするという、グラップラー刃牙のジャック・ハンマーを地で行っている話であります、本人の選択とは言え・・・。なお筋肉増加と同時に臓器肥大は起こるべくして起こるため[文献9]、この内臓肥大の何割程度がステロイド由来であるのか、というのは切り分けにくいようですけども、”bubble gut”で画像検索してみると、まぁだいたいAASの乱用のせいだろうというのは容易に推定できるかと。

内臓肥大が顕著なボディビルダーの場合、腹筋が左右にパカっと割れる
「腹直筋離開」という信じがたい症状を示す人もいる
→ 元リンク

最盛期のロニー・コールマンの腹部 明らかに膨れ上がっていて、
こうした内臓肥大は”Bubble Gut”という微妙な名称を付けられている
→ 元リンク

筆者が引き続き気になっている案件

以上のことをふまえてテレビを見て気づいたのですが、以前より上記のGradeⅠ、GradeⅡに相当する、乳首が屹立している力士が増えてきていないでしょうか。

筆者が目を付けた歴代含む力士の乳首一覧
Youtubeに上がっているNHK中継における動画類、手持ちの画像類から引用

この傾向に気づいたのは昭和の某名横綱、同時期に大活躍していた某人気大関を見ていた頃からでした。どちらもやたら取組前に乳首が立っていることが多いな、と。偶然筆者も緊張すると乳首が立つことが多く、取組前は興奮して緊張しているから無理もなかろうな、と。俺の乳首が力士とシンクロしなくてもいいじゃねぇか、という違和感もありましたが。

もちろん前項の最後に述べたように肥満体質の方は疑似女性化乳房の症状を示すのに加え、苛烈な稽古によって興奮するうえ傷ついた身体を修復するために大量のテストステロンを人体が放出することになるので、力士のホルモンバランスは崩れ気味、どちらかというと一般人より女性ホルモンが相対的に多い状態になっており、その結果女性化乳房のような症状が進む」という説は十分蓋然性を持っております。例えば初代若乃花などは合成AASとは縁遠い時代にもかかわらず、かなりの写真で乳首が立っています。一方同時代に活躍した栃錦にはほとんど見られないほか、名横綱北の湖は稀にそのような傾向がみられる、という状態。これらの例をみても上記の写真における全ての変化がAAS使用によるものとは言い切れず、一概に「薬物由来の女性化乳房が増えている」とは外観だけでは断言できません。

名横綱 二代目若乃花 Wikiより引用 乳首屹立が顕著だが
年代的(1960年前後)に合成AASを使用していたとは考えにくい

昭和中期の人気力士TKMYMの胸部と腹部(youtube動画より引用)
時期的にはセルジオ・オリバ、シュワルツェネッガーらが
活躍した前後に海外から来た力士で、
ある時から突然体毛が濃くなっていたため色々疑問が残る

ただ、確認できることとしては昭和時代に比べ体表にニキビが多い、禿頭化が進んでいる、体毛がやたら濃くなった時期がある、肝臓などの内臓疾患が多い、太鼓腹で内臓肥大が疑われる、引退後に某格闘技イベントに行った元力士などは現役時代に既に顕著な女性化乳房の症状を示していた、等々。こうした様々な状況証拠はあるものの、やはり外野からはどうにも判断しづらいわけですね。

…中傷にもなりかねないのでここらへんでやめときますが、実は2021年1月時点で、大相撲を興行する日本相撲協会はJADA/日本アンチドーピング協会には加盟していないのです(リンク)。基本的にJADAはアマチュア競技を対象としたものでお金を稼ぐショービズ的な要素を含むプロ競技にはあまり関係がないということでしょうが、これは結局は自主的な検査と啓発活動(リンク)のみを行っているだけで使用を厳密に禁止していない、ということでもあり、色々と調べていくうちにこのことを知ってしまい、色々と疑心暗鬼になってしまったわけでして。現役横綱のこういう発言もあるので、根本的には解決されていくでしょうが…

というわけで筆者のような余計なことを考え出すファンを一掃するためにも、是非ともJADAに加盟され、検査を行い、実態を把握することを切に望むものであります。要は場所数と体重がやたら増えて力士たちが疲弊し、バッタリ手をつくような取り組みが増えるよりも、場所数は少なくていいので手に汗握る攻防があった時代の相撲に立ち返ってもらいたい、と考える懐古寄りの相撲ファンの想いでもあります。

おわりに

筆者がある地方にいたころに、こういう話を聞きました。

「××大学の***部の連中、筋肉増強剤使ってるよ でないとデカくなれねぇから」
「『●●の●●』が相撲に増強剤持ち込んだんだんだよ」

××大学は名門中の名門、その分野の学生選手権で優勝者を何名も出しているところで、そこに出入りしていた人間から聞いた話なので、まぁ間違いないでしょう。●●の●●はその強さと迫力から言わずもがなでした。ただ発言者が色々面白いことを言うタイプだったため嘘くせぇな、という程度で当時は終わったのですが、何故か心の端っこに引っかかっていて最近中継を見た際に色々思うところあり、改めて整理してみようとしたのが動機です(注:学生相撲活動を支える日本相撲連盟はその後JADAにきちんと加盟してドーピングを厳しく取り締まるようになっており、当時と今とはだいぶ状況が異なっています)。

実際には相撲ファンとしてはこう書いたところで指を咥えて待つくらいしかできないのですが、どうもここ数十年で色々なもんが筆者が考えている良い世界とは違う方向に変化してしまっているのだが、そうしたうねりは誰にも止められない、ということを再認識したわけで。組織の中の方々もいろいろなものを支えるのに必死でしょうし事情も知らない部外者に色々言われたくないでしょうからご都合はよく理解できます。しかしながら、色々なものが変わろうとしている中で伝統行事として続けるためには、その本義に立ち戻ることで発展したようなケースもあるのでしょうから切にその点を願うものであります。その結果、たとえ力士全員が外国出身の方々になってしまっても別にいいじゃないですか…。

ちなみに敵もさるもの引っ掻くもの、最近はAAS使用に厳しく制限がかかっているため非ステロイド系増強剤という、ステロイド環を持たない分子による筋肉増強という恐ろしい分野が開拓されています。つまり上の方の図で述べた体内動態を考えるに、どのような分子構造でも細胞膜内に浸透しレセプターへ作用してタンパク質合成のスイッチが押せればいいわけです。人工甘味料みたいなイメージでしょうかね。ただ女性化乳房などを軽減できる一方で副作用も多いようで、増々危険な領域に入ってきていると思わざるを得ません。こうした材料はSARMと呼ばれ現時点で禁止薬物リスト(リンク)には入っていますが、現実的にはいたちごっこなのでしょう。

非ステロイド系のドーピング対象物質として最近よく摘発されているのは
このSARM(選択的アンドロゲン受容体調節薬)と呼ばれている化合物類らしい
図は代表的なSARMであるEnobosarmで、UFCの格闘家が検査で陽性になったりしている

イメージとしては上の体内動態図のReceptor部分に作用するとのこと

更に女性化乳房を防ぐためクロミフェンという薬剤、つまりドーピング隠しドーピングに使用される物質があるようで(上記のブロック・レスナーが2016年に再度やらかしました)もう世も末ですね。その業界の方々がそれぞれの立場で考えながらやっていることでしょうし(たぶん)法律で使用が禁止されているわけではないのですからその是非を問うつもりはありませんが、ここまでいくと人間やめますかのレベルではないか、と思うのが筆者だけではないことを祈りつつ、今回はこんなところで。

参考文献

  1. “Bacterial steroid hydroxylases: enzyme classes, their functions and comparison of their catalytic mechanisms”, Applied Microbiology and Biotechnology volume 102, pages8153–8171(2018), リンク
  2. “A history of steroid chemistry: Some contributions from European industry, foreword”, Steroids, Volume 61, Issue 8, August 1996, Pages 473-475, リンク
  3. “Steroids and athletes: Genes work overtime”, Pharmacology Education Partnership, Duke University, リンク
  4. “REVIEW; Pharmacology of anabolic steroids”, British Journal of Pharmacology (2008) 154, 502–521, リンク
  5. “Success Without Steroids”, IHSA Sports Medicine Advisory Committee, リンク
  6. “Gynecomastia: physiopathology, evaluation and treatment”, Sao Paulo Med J. 2012; 130(3):187-97, リンク
  7. “Gynecomastia in adolescent boys.”, Nydick M, Bustos J, Dale JH Jr, Rawson RW. JAMA. 1961;178:449-54.
  8. “Gynecomastia in a hospitalized male population.”, Niewoehner CB, Nuttall FQ.  Am J Med. 1984;77(4):633-8.
  9. “Organ Size Increases With Weight Gain in Power-Trained Athletes.”,  International Journal of Sport Nutrition & Exercise Metabolism, 01 December 2013, vol./is. 23/6″
Tshozo

Tshozo

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メーカ開発経験者(電気)。56歳。コンピュータを電算機と呼ぶ程度の老人。クラウジウスの論文から化学の世界に入る。ショーペンハウアーが嫌い。

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