[スポンサーリンク]

一般的な話題

アイディア創出のインセンティブ~KAKENデータベースの利用法

[スポンサーリンク]

最近は、ありとあらゆる研究に関する情報が容易に入手可能になり、研究者に対する研究情報基盤が確立されつつあります。その中で、公的機関が提供する"まじめで正確な"情報源は有用なものがあります。

今回は、公共のデータベースを活用した、研究費申請のアイディア創出の参考、刺激になるひとつの方法を紹介したいと思います。

kaken_logo_home.jpg

研究を計画するためには、意図して(もしくはそうでなくとも)自分のバックグラウンドからみた様々なインセンティブにふれることが重要です。人との同じ事を考え、はたまた真似をして実行していたのでは独創的な研究計画を立てることはできず、研究も似たようなものになり、結果的に国民の血税である研究費をいただくことはできないのは明白です。

研究アイディア創出のインセンティブとなる手法は様々です。もちろん関連分野の論文を読んだり、様々な講演を聞いたり、ディスカッションをしたり、自分の研究とはかけ離れた分野に興味を持ってみたり、はたまたひとり妄想してみたり….

「それ」をしていると楽しくなってきたり、反対に苦しんで泣きそうになることも多いでしょう。真剣に新しいもの!と考えれば考えるほどそういう状況に追い込まれる場合も少なくありません。

そんなとき人はどういうふうに書いているのかな?気になりませんか?いやいやそれを参考にするといって盗め!といっているわけではありません。そうではなく、研究計画を立てる上で、ちょっとした"刺激"を得ようというものなのです。

ちょっとした"刺激"とは?そう、まず研究費申請書で最も大事であり、最も効果的である

 

【タイトル】

 

に関するものです。

 

「そんなことはいろいろな組織から聞いて分かっているいるさ、でも、良いのが思いつかないから困っているんだ!」

 

という声が聞こえてきそうです。

 

【良文を書けるようになるためには良文をたくさん読め】

 

とはよく言ったもので、人を惹きつけ、人を動かす一文及び文書を作成するためには、やはり見本になるものをどんどん読み吸収していくほかありません。最近では大学が学内で研究費を得た申請書を学内限定で公開しているところも多いようですが、それだけでは身近の人の申請書をと読むといっても数が知れていますね。

その通りでして、現実問題として申請書に関してはたくさん読むことは思うようにいきません。

そこでお困りの方は、まずは、

 

http://kaken.nii.ac.jp/

 

にアクセスしてみてください。

そして、思ったキーワード、もしくは、著名な研究者の名前などで検索!実は自分と関係無い分野を研究されている研究者を調べたほうがほうが良い"刺激"が転がっているかもしれません。例えば、といいたいところなのですが、ちょっと気が引けるのでここでは例示しませんが、

「うまい!」

というのがいくつか見つかったのではないかと思います。それでもタイトルだけでは申請書が通るわけ無いだろう、という方もいらっしゃると思います。それでも、タイトルによって申請書が意外にも締まるものなのです。うまいタイトルが思いつくと、今度は中身を締め直そうという気にもなりますし・・・。ただし、注意したいのはタイトルもその人の著作物の一部と考えられますので、そのまま使うことは倫理上お勧めできません。あくまでも「アイディア創出のためのインセンティブ」「良文から学ぶ」という観点で一度覗いてみてはいかがでしょうか。研究費申請に関わらずオススメです。特に異なるバックグラウンドの方が書いたタイトルは結構参考になりますよ。

是非お試しあれ!

 

 

 

Avatar photo

あぽとーしす

投稿者の記事一覧

微生物から動物、遺伝子工学から有機合成化学まで広く 浅く研究してきました。論文紹介や学会報告などを通じて、研究者間の橋掛けのお手 伝いをできればと思います。一応、大学教員で、糖や酵素の研究をしております。

関連記事

  1. 鉄系超伝導体の臨界温度が4倍に上昇
  2. ダイアモンドの双子:「神話」上の物質を手のひらに
  3. 機械学習は、論文の流行をとらえているだけかもしれない:鈴木ー宮浦…
  4. ケムステ海外研究記 まとめ【地域別/目的別】
  5. ジアルキル基のC–H結合をつないで三員環を作る
  6. 有機光触媒を用いたポリマー合成
  7. 留学生がおすすめする「大学院生と考える日本のアカデミアの将来20…
  8. JSRとはどんな会社?-2

注目情報

ピックアップ記事

  1. 温故知新ケミストリー:シクロプロペニルカチオンを活用した有機合成
  2. ヒドラジン
  3. 知られざる有機合成のレアテク集
  4. カルボカチオンの華麗なリレー:ブラシラン類の新たな生合成経路
  5. 石谷 治 Osamu Ishitani
  6. 化学反応を起こせる?インタラクティブな元素周期表
  7. ムレキシド反応 Murexide reaction
  8. 光で水素を放出する、軽量な水素キャリア材料の開発
  9. ケムステVシンポまとめ
  10. ギ酸 (formic acid)

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年1月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

アザボリンはニ度異性化するっ!

1,2-アザボリンの光異性化により、ホウ素・窒素原子を含むベンズバレンの合成が達成された。本異性化は…

マティアス・クリストマン Mathias Christmann

マティアス・クリストマン(Mathias Christmann, 1972年10…

ケムステイブニングミキサー2025に参加しよう!

化学の研究者が1年に一度、一斉に集まる日本化学会春季年会。第105回となる今年は、3月26日(水…

有機合成化学協会誌2025年1月号:完全キャップ化メッセンジャーRNA・COVID-19経口治療薬・発光機能分子・感圧化学センサー・キュバンScaffold Editing

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年1月号がオンライン公開されています。…

配位子が酸化??触媒サイクルに参加!!

C(sp3)–Hヒドロキシ化に効果的に働く、ヘテロレプティックなルテニウム(II)触媒が報告された。…

精密質量計算の盲点:不正確なデータ提出を防ぐために

ご存じの通り、近年では化学の世界でもデータ駆動アプローチが重要視されています。高精度質量分析(HRM…

第71回「分子制御で楽しく固体化学を開拓する」林正太郎教授

第71回目の研究者インタビューです! 今回は第51回ケムステVシンポ「光化学最前線2025」の講演者…

第70回「ケイ素はなぜ生体組織に必要なのか?」城﨑由紀准教授

第70回目の研究者インタビューです! 今回は第52回ケムステVシンポ「生体関連セラミックス科学が切り…

第69回「見えないものを見えるようにする」野々山貴行准教授

第69回目の研究者インタビューです! 今回は第52回ケムステVシンポ「生体関連セラミックス科学が切り…

第68回「表面・界面の科学からバイオセラミックスの未来に輝きを」多賀谷 基博 准教授

第68回目の研究者インタビューです! 今回は第52回ケムステVシンポ「生体関連セラミックス科学が切り…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP