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2つのアシロイン縮合

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  アシロイン縮合といえば2つのエステルが金属ナトリウム存在下,縮合してアシロインが生成することはよく知られています。かの有名な有機人名反応をまとめた著書 “Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis” においてもこの反応がアシロイン縮合として紹介されています。

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 そんなアシロイン縮合ですが,StetterらがOrganic Synthesis誌で紹介しているアシロイン縮合1) は少し変わっています。それによると,2つの脂肪族アルデヒドを塩基存在下,チアゾリウム塩で処理することでアシロインを合成しています。論文タイトルもズバリ

“Acyloin Condensation by Thiazolium Ion Catalysis: Butyroin”

であり,しっかり “アシロイン縮合” と記載されています。

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Stetterらが報告したこのアシロイン縮合,もともとはベンゾイン縮合の改良版ですが,従来のシアン化物イオンやチアミンを触媒とする方法では,ベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒドにしか適用できなかったのです。それを触媒量のチアゾリウム塩をもちいて、脂肪族アルデヒドの縮合に適用させたことで,拡張型ベンゾイン縮合,すなわちアシロイン縮合となりました。

縮合させる方法も原料もまったく異なる2つのアシロイン縮合,いずれの方法も「生成物がアシロイン」なのでアシロイン縮合ということですが,少し紛らわしいですね。そんな”アバウトな”アシロイン縮合,そのアバウトさを象徴するエピソードがもう1つ… [続きを読む]

 

*本記事は東京化成工業様からの寄稿記事(一部改変)です。続きは[続きを読む]をクリックしてお読みください。

 

関連文献

1) H. Stetter, H. Kuhlmann, Org. Synth. 1984, 62, 170. DOI: 10.15227/orgsyn.062.0170

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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