[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ジョン・ハートウィグ John F. Hartwig

[スポンサーリンク]

ジョン・F・ハートウィグ (John F. Hartwig、1964年8月7日-)は米国の有機化学者・有機金属化学者である(写真:http://www.chem.yale.edu/)。米カリフォルニア大学バークレー校教授。

経歴

1964年イリノイ生まれ。

1986 プリンストン大学卒業
1990 カリフォルニア大学バークレイ校 博士号取得 (R. A. Anderson 教授 および R. G. Bergman教授)
1990 マサチューセッツ工科大 博士研究員 (Stephen J. Lippard 教授)
1992 イェール大学 助教授
2006 イリノイ大学 教授
2011 カリフォルニア大学バークレー校教授

 

受賞歴

1997 アーサー・C・コープ スカラー賞
2004 Thieme-IUPAC Prize
2006 ACS Award in Organometallic Chemistry
2007 Raymond and Beverly Sackler Prize
2007 Tetrahedron Young Investigator Award
2008 Mukaiyama Award
2008 International Catalysis Award
2008 Paul N. Rylander Award
2009 三井触媒化学賞
2009 Edward Mack Jr. Memorial Award, Ohio State University
2009 National Institutes of Health MERIT Award
2010 GlaxoSmithKline Scholars Award
2011 Einstein Fellowship, Berlin
2013 Herbert C. Brown Award for Creative Research in Synthetic Methods2012 Member, National Academy of Sciences
2013 ACS Catalysis Lectureship for the Advancement of Catalytic Science
2014 Nagoya Gold Medal Award
2014 Tetrahedron Chair at the Belgium Symposium on Organic Synthesis
2014 Sierra Nevada Section of the ACS Distinguished Chemist Award
2014 Janssen Pharmaceutica Prize for Creativity in Organic Synthesis
2014 Organometallics Senior Fellowship

 

研究

遷移金属錯体を用いる有機金属化学・触媒反応の開発研究

特に彼の名を冠した人名反応のBuchwald-Hartwigクロスカップリングは芳香族アミン合成に革新的インパクトを与えた反応である[1]

buchwald_hartwig_coupling_1.gif

近年では不活性なC-H結合や不飽和結合を直接的に変換しうる金属触媒の開発にも取り組んでいる。

hartwig_hydroamino_1.gif

Hartwigヒドロアミノ化[2]

miyaura_boryl_2.gif

宮浦-石山-Hartwigボリル化反応[3]

上記にあげた人名反応意外にもアルカンのC–Hボリル化[4,5]、Irピンサー錯体を用いたアンモニアの酸化的付加反応の観測[6]、イリジウム触媒的不斉アリル位置換反応[7]、ニッケル触媒を用いた芳香族エーテルの加水素分解[8]、触媒反応のハイスループットスクリーニング[9]など有機金属化学分野で独創性の高い成果を上げている。

また、同位体効果に関する論説(Angew. Chem. Int. Ed. 201251, 3066. DOI: 10.1002/anie.201107334)、有機金属の反応開発を行っている研究者なら読んでおくべき価値のあるものである。

コメント&その他

  1. 長年をかけて執筆した有機遷移金属化学に関する書籍「Organotransition Metal Chemistry: From Bonding to Catalysis」は有機金属化学分野のバイブルとなっている。日本語の翻訳本も最近発売されました。「ハートウィグ 有機遷移金属化学

名言集

 

関連動画

 

関連文献

 

  1. Paul, F.; Patt, J.; Hartwig, J. F. J. Am. Chem. Soc. 1994116, 5969. DOI:10.1021/ja00092a058
  2. Hartwig, J. F. et al. J. Am. Chem. Soc. 2000122, 9546.
  3. Ishiyama, T.; Takagi, J.; Ishida, K.; Miyaura, N.; Anastasi, N. R.; Hartwig, J. F. J. Am. Chem. Soc.2002124, 390. DOI: 10.1021/ja0173019
  4. Waltz, K.M.; Hartwig, J.F.  Science, 1997, 277, 211. DOI: 10.1126/science.277.5323.211
  5. Chen, H.; Schlecht, S.; Semple, T.C.; Hartwig, J.F.  Science 2000, 287, 1995. DOI: :10.1126/science.287.5460.1995
  6. Zhao, J.; Goldman, A.S.; Hartwig, J.F. Science 2005, 307, 1080. DOI: 10.1126/science.1109389
  7. Hartwig, J.F.; Stanley, L.M.  Acc. Chem. Res. 2010, 43, 1461. DOI: 10.1021/ar100047x
  8. Sergeev, A.G.; Hartwig, J.F. Science, 2011, 332, 439. DOI: 10.1126/science.1200437
  9. Robbins, D.W.; Hartwig, J.F. Science, 2011, 333, 1423. DOI: 10.1126/science.1207922
  10. Simmons, E.M.; Hartwig, J.F. Nature, 2012,483, 70.DOI: 10.1038/nature10785
  11. Hartwig, J.F. Acc. Chem. Res. 2012, 45, 864.
  12. Fier, P.S.; Hartwig, J.F.  Science, 2013, 342, 956.
  13. Cheng, C.; Hartwig, J.F. Science, 2014, 343, 853.

 

関連書籍

 

外部リンク

cosine

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. エチオ・リザード Ezio Rizzardo
  2. ダン・シェヒトマン Daniel Shechtman
  3. 長井長義 Nagayoshi Nagai
  4. ウィリアム・モーナー William E. Moerner
  5. アメリ化学会創造的有機合成化学賞・受賞者一覧
  6. 小松紘一 Koichi Komatsu
  7. フランシス・アーノルド Frances H. Arnold
  8. ベン・デイヴィス Ben G. Davis

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 死刑囚によるVXガスに関する論文が掲載される
  2. 光触媒の活性化機構の解明研究
  3. リーベスカインド・スローグル クロスカップリング Liebeskind-Srogl Cross Coupling
  4. 有機レドックスフロー電池 (ORFB)の新展開:オリゴマー活物質の利用
  5. ベックマン転位 Beckmann Rearrangement
  6. 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとして利用される蛍光色素
  7. 一度に沢山の医薬分子を放出できるプロドラッグ
  8. 172番元素までの周期表が提案される
  9. 化学連合シンポ&化学コミュニケーション賞授賞式に行ってきました
  10. 青色LED励起を用いた赤色強発光体の開発 ~ナノカーボンの活用~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

注目情報

注目情報

最新記事

アルケンのエナンチオ選択的ヒドロアリール化反応

パラジウム触媒を用いたアルケンの還元的Heck型ヒドロアリール化反応が開発された。容易に着脱可能なキ…

第109回―「サステイナブルな高分子材料の創製」Andrew Dove教授

第109回の海外化学者インタビューは、アンドリュー・ダヴ教授です。ワーウィック大学化学科に所属(訳注…

蛍光異方性 Fluorescence Anisotropy

蛍光異方性(fluorescence anisotropy)とは溶液中で回転する分子の回転速…

(–)-Spirochensilide Aの不斉全合成

(–)-Spirochensilide Aの初の不斉全合成が達成された。タングステンを用いたシクロプ…

第108回―「Nature Chemistryの編集長として」Stuart Cantrill博士

第108回の海外化学者インタビューは、スチュアート・カントリル博士です。Nature Chemist…

化学工業で活躍する有機電解合成

かつて化学工業は四大公害病をはじめ深刻な外部不経済をもたらしましたが、現代ではその反省を踏まえ、安全…

細胞内の温度をあるがままの状態で測定する新手法の開発 ~「水分子」を温度計に~

第266回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院薬学研究科 中林研究室 修士二年生の杉村 俊紀(…

ケムステSlack、開設一周年!

ケムステが主体となって立ち上げた化学専用オープンコミュニティ、ケムステSlackを開設してはや一年が…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP