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経験と資格を生かしたいが実務経験なし。 そんな30代女性の再就職をかなえたビジョンマッチング

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自分の知識、経験、そして資格を生かせる業種やポジションは何でしょうか。
アカデミアから企業への転職や再就職を考える際、迷いが生じる方も多くいます。特に、前職とは異なる分野で新しいキャリアを築きたいと思う場合、実務経験が求められる求人が多くなり、求職活動の最初の一歩を踏み出せない方もいます。
LHH転職エージェントが活用する「ビジョンマッチング」というコンサルティング手法は、このようなキャリアチェンジにも有効です。企業の課題と求職者のキャリアプランに一貫して向き合うことで、自分の才能を生かせる場所を見つけられずにいた30代女性が、希望に合った転職を実現できました。この事例について、Medical Device紹介部の成田卓氏にインタビューを行いました。
※人材サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupは、日本における人材紹介および転職支援サービスのブランド「Spring転職エージェント」を「LHH」へ統合しました。これに伴い2023年4月3日、同ブランド名を「LHH転職エージェント」に改称しました。

英国留学で修士号を取得するも探しあぐねていた活躍の場

11年以上人材紹介に携わってきたMedical Device紹介部の成田氏。ある日成田氏が面談した薬学部卒の求職者Sさんは、薬剤師として9年間勤務した後、30代半ばで英国の大学院に留学し、MPH(公衆衛生学修士)を取得した異色の経歴を持つ人物でした。
Sさんの印象について、成田氏はこのように話しました。
「薬剤師としての現場の経験から、公衆衛生や疫学についての専門知識を身につけたいと考え、日本より公衆衛生分野の研究が進んでいる英国への留学を決めたそうです。将来的には働きながらPh.D(博士号)を取得したいという意欲もあり、向学心や成長への意欲が非常に高い方でした」
しかし転職に際して、Sさんは悩みを抱えていたと言います。
「自分が得た知識や資格が、民間企業のどの業種や職務分野で生かせるのかがよく分からない、とのことでした。最初の相談は、そこから始まりました」
LHH転職エージェントでは、「ビジョンマッチング」という手法を用いてコンサルティングを行います。この手法では、求職者のキャリアビジョンやライフビジョンに基づいて、転職や再就職の支援を行います。求職活動を単に職種や就労条件をすり合わせる一時的なものとしてとらえるのではなく、求職者が将来にわたって躍動できる環境を実現するために、求人企業との適切なマッチングを重視しています。これが同社の支援における最大の特色です。
LHH転職エージェントのもうひとつの大きな特色は、「360度式コンサルティング」です。360度式コンサルティングとは、1人の担当者が企業と求職者の双方をサポートする一気通貫型のサービスです。他の転職エージェントでは、求職者担当と企業担当を別々の担当者がサポートすることが多くあります。しかし360度式コンサルティングなら、求人企業と求職者の要望をワンストップでつなげられ、両者の間の意思疎通を円滑に進めることが可能です。
Sさんは、自身のキャリアを生かして民間企業で働く将来像を明確に描けていませんでした。そこで成田氏は面談を通じて、S氏が内に秘めたキャリアビジョンやライフビジョンを引き出し、明確にする作業に取り組んでいきました。

他部署との連携で柔軟なマッチングを実現

Sさんと複数回の面談を行った後、成田氏は「Life Science紹介部Biotechnology課の山浦裕太氏が、Sさんの希望に合う企業を知っているかもしれない」と考え、相談しました。
「弊社では、別の部署のコンサルタントとも定期的に情報を共有しています。必要に応じて協力しながら求職者のサポ―トを行っています。」
求職者の希望を実現するために柔軟な体制が取られていることも、LHH転職エージェントの特色なのです。
成田氏から相談を受けた山浦氏は、自身が担当するN社をSさんの転職先として提案しました。N社は臨床研究の支援とコンサルティングを行う企業であり、業績も好調です。N社では、解析アナリストまたはデータサイエンティストの採用を検討しており、Sさんが適している可能性がありました。

面談の中で明らかになった求職者の強み

成田氏は、山浦氏が提案したN社をSさんに紹介しました。しかしSさんは、この提案を聞いても不安を抱えている様子でした。実は、彼女は他の転職エージェントを通じて某製薬会社の求人に応募したものの、実務経験がないことを理由に書類選考で不採用となった経緯がありました。
また、Sさんはデータ分析や統計学を学んでいましたが、解析アナリストやデータサイエンティストの実務について具体的にイメージできていないことも不安の原因でした。
成田氏は慎重なSさんをこう励ましました。
「N社はSさんの実務経験がないことを承知しています。面接を通じてどちらのポジションで採用を検討するかを決めたいとの意向を示しています。求職活動は経験が大事です。チャレンジしてみましょう」
成田氏は、解析アナリストやデータサイエンティストがどういう職種であるかを理解してもらうことから面接対策を始めました。
成田氏はSさんとの面談を通じて、Sさんの強みを把握しました。臨床現場で薬剤師としての経験があることに加えて自分を客観的にとらえたうえで自分の考えを的確に表現できる力を持っていることが、Sさんの強みでした。自分のできることについて明確に話す力は、未知の領域へ踏み出していく際に優位に働く能力なのだと成田氏は言います。
「たとえば『英語は話せますか』という質問に対して、多くの日本人は謙虚さから『話せません』『苦手です』と答える傾向があります。しかし、言い方によって相手への伝わり方は変わります。
『○○のような場面で英語を使った経験があります』『日常会話は可能です』といった具体的な回答をすることで、自分ができる範囲を明確にし、『ネイティブとのコミュニケーションでスムーズに話すことは今後の課題です』というような表現をすることが大切です。
自分にできることと、苦手なことを客観的に理解しているかどうかを企業は見ています」
Sさんは「どこまでが現在の自分にでき、一方で自分の課題が何であるか」を客観的に表現することができました。それはつまり「将来こうありたい」という明確なビジョンを持つということでもあります。
一次面接を終えたSさんは、意気揚々とした様子で、
「業務の内容を詳しく説明してもらい、よく理解できました。自分の想いもうまく伝えられることができました」と話したそうです。
N社からは「データサイエンティストとしての採用を考えたい」とのフィードバックも得られ、Sさんの転職活動はこのまま順調に進んでいくように思われました。

現在と未来の自分を見つめ直すことからはじめるビジョンマッチング


SさんはN社と並行して、他の転職エージェントを通じてもう1社の面接も受けていました。その1社は大手企業で、N社よりも高い給与条件が提示されていました。一方で、N 社は業績が好調とはいえ、従業員数が30名に満たない小規模な会社であり、Sさんは迷っていました。成田氏も山浦氏も、SさんがN社を選ぶ可能性はかなり低いだろうと考えていました。
しかし成田氏には、その大手企業について一つの懸念を抱いていました。以前にその企業の元従業員の転職を支援した経験から、「業務が固定化されており、将来的な成長や進展が期待できないのではないか」と感じていたのです。
「大手企業についての懸念点とN社の強みをしっかり伝えたうえで、後はSさん本人に判断していただきました」と成田氏は言います。
Sさんは数日悩んだ後「N社に勤務しながら博士号を取得した社員がどれくらいいるのかを知りたい」と尋ねてきました。
N社に問い合わせると、過去に勤務しながらPh.Dを取得した社員が数名おり、現在も大学院に通っている社員がいることがわかりました。さらに、希望すればSさんにもそれが可能だと分かりました。この事実が、SさんがN社に転職する決め手となりました。
成田氏は、Sさんの転職が実現したポイントは2つあると述べています。
「ひとつは、Sさんが薬剤師としての臨床経験と、公衆衛生学修士の資格を生かしつつ、博士号の取得も実現したいという希望を最後まで持ち続けたことです。そしてもうひとつのポイントは、Sさんが私たちの助言を素直に受け入れ、どう対処すべきかをよく考えてくださったことです。」
この助言は、グローバルに展開するAdecco Groupのハイキャリア転職支援を行うLHH転職エージェントが共有するビジョンマッチングというコンサルティング手法に基づいています。この手法は、求職者に常に寄り添いながら、求人企業との間でお互いが求めるビジョンを丁寧にすり合わせていくことを重視したものです。
今回のSさんの事例でも、このビジョンマッチングが転職の実現に大きく貢献しました。
求職者と求人企業を1人の担当者が一気通貫で対応し、意向を丁寧にすり合わせるコンサルティングサービスは、他社にはない珍しい形態です。他のエージェントに勤務した経験のある成田氏は、LHH転職エージェントのコンサルタントが行うビジョンマッチングの価値は高いと考えています。
「求職者が転職に成功した後の躍動する姿を見たり聞いたりできることが何より嬉しいです。また採用活動が成功した企業からも、その後の採用に困った時には私の名前を思い浮かべていただけているようです」
求職者と求人企業の双方から信頼を寄せられ、「ありがとう」と言われる仕事は貴重であり、そこに嬉しさややりがいを感じている、と成田氏は語りました。
成田氏は最後に、未経験の領域への転職を成功させるためのポイントを語りました。
「自分の強みやスキルを自分1人で洗い出すのは、とても難しい作業です。今すぐの転職でなくても、将来的にどうなりたいかを私たちコンサルタントと一緒に考え、言語化してみてはいかがでしょうか」
今回のSさんの成功例は、求職者のキャリアにとことん寄り添う成田氏の熱意の賜物と言えるでしょう。

コンサルタント:成田卓

教育業界での営業職を経て、ヘッドハンティング・リクルーティング会社に入社。セールス&マーケティング、ヘルスケアチームのコンサルタント、マネージャーとして勤務。2017年にLHH転職エージェントに入社。製薬企業、医療機器メーカー、バイオベンチャー企業など、ヘルスケア業界を中心に転職支援を行う。

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LHH転職エージェントについて


LHH転職エージェントとは、世界最大の総合人財サービス企業アデコが日本で展開する転職支援サービスのブランド名称です。国内では大都市圏を中心に事業を展開し、各領域に精通した転職コンサルタントがさまざまな業界・職種の転職サポートを行っています。ライフサイエンス・メディカル領域においては、化学業界を軸に、理化学機器、製薬、再生医療、医療機器といった分野でご活躍される方々の転職をサポートしています。

LHH転職エージェントの転職支援サービス特設サイトを見る↓↓↓

 

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