[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis 5th Edition

[スポンサーリンク]

 

内容

An indispensable reference for any practicing synthetic organic or medicinal chemist, this book continues the tradition of Greene’s as comprehensive in the overall scope of coverage, providing the most relevant and useful examples to illustrate each methodology.

• Presents valuable material, on the application of protective groups in organic chemistry, that is not easily found by casual searching

• Helps chemists to plan, investigate, and carry out organic syntheses in an efficient manner

• Adds over 2800 new references to update since the publication of the last edition

• Reviews of the prior edition: “An essential bible for the library or personal bookshelf of chemists performing complex synthesis.” (CHOICE, May 2007) “…the most up-to-date compilation available…should be an integral part of all institutional libraries…it is also highly recommended that individuals…maintain their own copy…” (Journal of Medicinal Chemistry, March 8, 2007) “…continues to be a comprehensive guide to the techniques for the formation and cleavage of protective groups.” (Journal of the American Chemical Society, January 31, 2007)

(引用:書籍紹介ページより)

 

対象

大学院生以上、研究者

 

解説

昨年(2014年)10月に発売された、有機合成化学者ならば知らない人はいない保護基の名著。「青い」保護基の本(第3版)といってわかるのは中堅以上の研究者、「緑の本」(第4版)でわかるのは最近の学生までで、今回の第5版はなんとも言えない、オレンジっぽい色となった(下図)。今後、「オレンジの保護基の本」と言われるのかもしれない。

 

2015-04-20_16-50-29

 

それはさておいて、有機合成で頻繁に用いられる保護基。反応させたくない官能基を”守る”ために今日でも、様々な保護基が開発されている。ただ、その保護基をどのように導入し、どのように除去するのであろうか?その条件を保護基別に記載したのが本書である。

改定前の本書をご存じの方ならば説明はいらないと思うが、ほとんど全ての保護・脱保護法が網羅されている。余談となるが、私が使った変わった条件や新しい保護基も、論文出版後の改定で、掲載されていて驚いた記憶がある。では改定前と何が違うのか。おそらく継続的に買われている方の興味はそこになるであろう。

ページ数を見てみると、1360ページ。第4版が1080ページであったので、260ページほど増加している。そして、前回の第4版は2006年出版であるため、8年以上の時を経ての改定となる。それに伴い、内容説明にも記載があるが、2800以上の新しい元文献(反応条件・保護基)が掲載されている。

例えば汎用な保護基である、ベンジル基の保護・脱保護についてみてみよう。

第4版では保護条件が21種類、脱保護条件が67種類であったのに対して、新書では保護条件が27種類、脱保護条件が90種類と、各々3割前後増加している。もちろん基本的な保護・脱保護条件は不変であるが、最近発見された新条件を見逃したくないのならば、ぜひ新版購入をおすすめしたい。

なお、新しく購入を検討している方にも、研究室に1冊は欲しいバイブル的な存在であるため、周りを見渡して見当たらなければ購入をおすすめする。

 

関連書籍

 

外部リンク

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 活性酸素・フリーラジカルの科学: 計測技術の新展開と広がる応用
  2. 演習で学ぶ有機反応機構―大学院入試から最先端まで
  3. [書評]分子の薄膜化技術
  4. ウォーレン有機化学
  5. 2009年7月人気化学書籍ランキング
  6. 革新的医薬品の科学 薬理・薬物動態・代謝・安全性から合成まで
  7. 有機合成のための遷移金属触媒反応
  8. 密度汎関数法の基礎

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. CO2の資源利用を目指した新たなプラスチック合成法
  2. ウッドワード・ホフマン則を打ち破る『力学的活性化』
  3. クロスカップリング用Pd触媒 小ネタあれこれ
  4. マーティン・オストライヒ Martin Oestreich
  5. 第33回「セレンディピティを計画的に創出する」合田圭介 教授
  6. シスプラチン しすぷらちん cisplatin
  7. 「科研費の採択を受けていない研究者」へ研究費進呈?
  8. シリカゲルの小ネタを集めてみた
  9. グリーンケミストリー Green Chemistry
  10. 白い有機ナノチューブの大量合成に成功

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年4月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

Christoper Uyeda教授の講演を聴講してみた

bergです。この度は2024年5月13日(月)に東京大学 本郷キャンパス(薬学部)にて開催された「…

有機合成化学協会誌2024年5月号:「分子設計・編集・合成科学のイノベーション」特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年5月号がオンライン公開されています。…

電子のスピンに基づく新しい「異性体」を提唱―スピン状態を色で見分けられる分子を創製―

第614回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院工学研究科(松田研究室)の清水大貴 助教にお願い…

Wei-Yu Lin教授の講演を聴講してみた

bergです。この度は2024年5月13日(月)に東京大学 本郷キャンパス(薬学部)にて開催されたW…

【26卒】太陽HD研究開発 1day仕事体験

太陽HDでの研究開発職を体感してみませんか?私たちの研究活動についてより近くで体験していただく場…

カルベン転移反応 ~フラスコ内での反応を生体内へ~

有機化学を履修したことのある方は、ほとんど全員と言っても過言でもないほどカルベンについて教科書で習っ…

ナノ学会 第22回大会 付設展示会ケムステキャンペーン

ナノ学会の第22回大会が東北大学青葉山新キャンパスにて開催されます。協賛団体であるACS(ア…

【酵素模倣】酸素ガスを用いた MOF 内での高スピン鉄(IV)オキソの発生

Long らは酸素分子を酸化剤に用いて酵素を模倣した反応活性種を金属-有機構造体中に発生させ、C-H…

【書評】奇跡の薬 16 の物語 ペニシリンからリアップ、バイアグラ、新型コロナワクチンまで

ペニシリンはたまたま混入したアオカビから発見された──だけではない.薬の…

MEDCHEM NEWS 33-2 号「2022年度医薬化学部会賞」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP