[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

カール・ジェラッシ Carl Djerassi

[スポンサーリンク]

カール・ジェラッシ(Carl Djerassi、1923年10月29日-2015年1月30日)は、オーストリア国籍を持つ米国在住の化学者である。スタンフォード大学名誉教授(写真 The Guardian)。

経歴

1942 Kenyon College卒業
1945 Wisconsin大学 博士号取得
1942-52 Wayne State大学 Research Chemist
1949-51 Syntex社 Associate Director
1952-59 Wayne State大学 教授
1959 スタンフォード大学 教授、Syntex社 President
2002 スタンフォード大学 名誉教授

 

受賞歴

1973 アメリカ国家科学賞
1975 Perkin Medal
1978 ウルフ賞(化学部門)
1991 アメリカ国家技術賞
1992 プリーストリーメダル

 

研究概要

経口避妊薬(ピル)の開発

メキシコの化学会社Syntex在籍時に、世界初の経口避妊薬の成分・ノルエチステロン(ノルエチンドロン)をルイス・ミラモンテス、ジョージ・ローゼンクランツとともに化学合成した[1]。この画期的発明によって、長くノーベル賞候補としての呼び声が高い人物である。

norethisterone.gifその他、旋光分散法を始めとする、有機化合物の構造決定に有効な分光分析法の発展にも貢献している。

コメント&その他

  1.  SF小説作家、劇作家の顔も持つ。
  2. 出生国であるオーストリアは彼の80歳の誕生日を
  3. 美術品の収集に精力的であった。しかし芸術家である娘パメラの自殺を受けて以来、収集よりも芸術家の支援を真剣に考えるようになった。もともと所有していた牧場を芸術家たちのワークスペースに作り変えるなどの取り組みをしている。
  4.  ノーベル賞に次ぐ栄誉賞であるウルフ賞化学部門の第一回受賞者である。
  5. 3度結婚歴がある

 

名言集

 

関連動画

関連文献

  1. Djerassi, C.; Miramontes, L.; Rosenkranz, G.; Sondheimer, F. J. Am. Chem. Soc. 1954, 76, 4092. doi:10.1021/ja01645a010.
  2. Seeman, J. I. Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 3268. DOI: 10.1002/anie.201308367

関連書籍

[amazonjs asin=”4061542605″ locale=”JP” title=”男たちの薬”][amazonjs asin=”184816937X” locale=”JP” title=”Chemistry In Theatre: Insufficiency, Phallacy or Both”][amazonjs asin=”4061542583″ locale=”JP” title=”ノーベル賞への後ろめたい道”]

 

外部リンク

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ミケーレ・パリネロ Michele Parrinello
  2. マーティン・チャルフィー Martin Chalfie
  3. アレン・バード Allen J. Bard
  4. 吉田善一 Zen-ichi Yoshida
  5. 檜山爲次郎 Tamejiro Hiyama
  6. トム・マイモニ Thomas J. Maimone
  7. 山本明夫 Akio Yamamoto
  8. マット・ショアーズ Matthew P. Shores

注目情報

ピックアップ記事

  1. クロう(苦労)の産物!Clionastatinsの合成
  2. 次世代電池の開発と市場予測について調査結果を発表
  3. 高井・ロンバード反応 Takai-Lombardo Reaction
  4. アゾ重合開始剤の特徴と選び方
  5. 第16回 Student Grant Award 募集のご案内
  6. デイヴィッド・マクミラン David W. C. MacMillan
  7. 「化学の匠たち〜情熱と挑戦〜」(日本化学会春季年会市民公開講座)
  8. 超原子結晶!TCNE!インターカレーション!!!
  9. (+)-フロンドシンBの超短工程合成
  10. 決め手はジアゾアルケン!!芳香環の分子内1,3-双極子付加環化反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

ペーパークラフトで MOFをつくる

第650回のスポットライトリサーチには、化学コミュニケーション賞2024を受賞された、岡山理科大学 …

月岡温泉で硫黄泉の pH の影響について考えてみた 【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい! というわけで、硫黄系温泉を巡る旅の後編です。前回の記事では群馬県草津温泉をご紹…

二酸化マンガンの極小ナノサイズ化で次世代電池や触媒の性能を底上げ!

第649回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院環境科学研究科(本間研究室)博士課程後期2年の飯…

日本薬学会第145年会 に参加しよう!

3月27日~29日、福岡国際会議場にて 「日本薬学会第145年会」 が開催されま…

TLC分析がもっと楽に、正確に! ~TLC分析がアナログからデジタルに

薄層クロマトグラフィーは分離手法の一つとして、お金をかけず、安価な方法として現在…

先端の質量分析:GC-MSおよびLC-MSデータ処理における機械学習の応用

キャラクタライゼーションの機械学習応用は、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)およびラボオートメ…

原子半径・電気陰性度・中間体の安定性に起因する課題を打破〜担持Niナノ粒子触媒の協奏的触媒作用〜

第648回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院工学系研究科(山口研究室)博士課程後期2年の松山…

リビングラジカル重合ガイドブック -材料設計のための反応制御-

概要高機能高分子材料の合成法として必須となったリビングラジカル重合を、ラジカル重合の基礎から、各…

高硬度なのに高速に生分解する超分子バイオプラスチックのはなし

Tshozoです。これまでプラスチックの選別の話やマイクロプラスチックの話、およびナノプラスチッ…

新発想の分子モーター ―分子機械の新たなパラダイム―

第646回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機反応論研究室 助教の …

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP