[スポンサーリンク]

B

ベティ反応 Betti Reaction

[スポンサーリンク]

 

概要

芳香族アルデヒド、アミン、フェノールの三成分縮合によってαアミノベンジルフェノールを与える反応。Mannich反応のフェノール版と考えれば良い。

基本文献

  • .Betti, M. Gazz. Chim. Ital. 1900, 30 II, 301.
  • Betti, M. Gazz. Chim. Ital.1903, 33 II, 2.
  • Pirrone, F.Gazz. Chim. Ital.1936, 66, 518.
  • Pirrone, F. Gazz. Chim. Ital.1937, 67, 529.
  • Phillips, J. P. Chem. Rev.1956, 56, 271. DOI: 10.1021/cr50008a003
  • Phillips, J. P.; Barrall, E. M. J. Org. Chem.1956,21, 692. DOI: 10.1021/jo01112a606

 

開発の歴史

1900年にイタリアの化学者Bettiは2-ナフトールにベンズアルデヒドとアミンを作用させると3つが結合した生成物を得た。2-ナフトールがよい求核剤であることがわかり、後に本反応はBetti Reactionと呼ばれる。また生成物をBetti 塩基と呼ぶ

Mario Betti

Mario Betti

反応機構

betti_2.gif

 

 

反応例

光学活性アミンを用いた例[1]

2014-09-07_06-03-30

実験手順

Batti Baseの合成[1]

窒素下、2-ナフトール (0.72 g, 5.0 mmol), ベンズアルデヒド (0.64 g, 6.00 mmol)、(R)-(+)-1-フェニルエチルアミン (0.64 g, 5.25 mmol)の混合物を 60°Cで8 時間撹拌した。TLCと1H NMRで反応の進行を確認したところ、 (R,R)体(44% at 2 時間)から (98% at 8 時間)へと変化し、結晶が生成した。混合物を室温でEtOH (5 mL)で洗浄した(trituration)。白色結晶を分離し、さらにEtOH(3 mL)で洗った。得られた白色固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、 (R,R)-生成物を得る (1.64 g, 4.65 mmol, 収率93%).

 

実験のコツ・テクニック

参考文献

[1] Palmieri, G. Tetrahedron: Asymmetry 2000, 11, 3361-3373. DOI: 10.1016/S0957-4166(00)00290-1

 

関連反応

関連書籍

[amazonjs asin=”9048138647″ locale=”JP” title=”Enantioselective Organocatalyzed Reactions I: Enantioselective Oxidation, Reduction, Functionalization and Desymmetrization”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 三枝・伊藤 インドール合成 Saegusa-Ito Indole…
  2. クレメンゼン還元 Clemmensen Reduction
  3. 金属カルベノイドを用いるシクロプロパン化 Cyclopropan…
  4. タングステン酸光触媒 Tungstate Photocataly…
  5. ヘメツバーガー インドール合成 Hemetsberger Ind…
  6. バンバーガー転位 Bamberger Rearrangement…
  7. ターボグリニャール試薬 Turbo Grignard Reage…
  8. ペタシス反応 Petasis Reaction

注目情報

ピックアップ記事

  1. 光誘導アシルラジカルのミニスキ型ヒドロキシアルキル化反応
  2. 光薬理学 Photopharmacology
  3. アマドリ転位 Amadori Rearrangement
  4. 京都賞―受賞化学者一覧
  5. タミフル―米国―厚労省 疑惑のトライアングル
  6. 可逆的に解離・会合を制御可能なサッカーボール型タンパク質ナノ粒子 TIP60の開発
  7. アルケンのE/Zをわける
  8. 試験管内選択法(SELEX法) / Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment
  9. (+)-フォーセチミンの全合成
  10. マニュエル・アルカラゾ Manuel Alcarazo

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

注目情報

最新記事

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

早稲田大学各務記念材料技術研究所「材研オープンセミナー」

早稲田大学各務記念材料技術研究所(以下材研)では、12月13日(金)に材研オープンセミナーを実施しま…

カーボンナノベルトを結晶溶媒で一直線に整列! – 超分子2層カーボンナノチューブの新しいボトムアップ合成へ –

第633回のスポットライトリサーチは、名古屋大学理学研究科有機化学グループで行われた成果で、井本 大…

第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異常を見つける」小松徹 准教授

第67回目の研究者インタビューです! 今回は第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化す…

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP