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女性科学者の卵を支援―「ロレアル・ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」 募集中

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「ロレアル・ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の募集が今年も始まっています。これは化粧品会社として名高いロレアル(L’Oreal)と国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が共同で主催している、博士課程に進学する女性を支援する奨学金の一つです。2005年から始まり、今年で第6回目となります。


応募資格も「国内で物質科学・生命科学を研究する博士過程に在籍(予定)している女性」(40歳未満、留学生は対象外)となっています。

授賞のニュース自体は、実は毎度新聞などのメディアにて取り上げられています。若くしてもらえる賞の中ではかなり注目度の高いものの一つではないでしょうか。

受賞者一覧がWikipediaにまとめられていますが、(化学分野しか分かりませんが)やはり相応の研究をされている方が受賞していると見受けられます。院生でしっかり研究をしている自負がある女性の方は、積極的に応募してみると良いでしょう。

応募要項などは日本ロレアルのページからダウンロード可能です。締切は2011年2月28日までです。

日本は、先進国と比べても特に、研究者に占める女性の割合が少なく、わずか13.0%と最下位にとどまっています。日本ロレアルは今後、より多くの若い女性科学者が研究を継続できるよう支援するとともに、若い世代に科学の楽しさや女性科学者としてのキャリアの無限の可能性を伝え、主要な社会貢献活動として積極的に推し進めていきます。(日本ロレアルのページより引用)

女性の社会進出を阻む日本の構造的問題が議論されて久しいですが、筆者個人は「女性が研究の場(特に化学界)にもっと進出してくれば良い」と考えている一人です。

見ているものや視点、繊細さなどの面で女性と男性は大きく違っています。それは研究を行う上でのアドバンテージの一つとなり得るでしょう。女性独自の視点や強みを活かした研究を進められる土壌を提供し、研究分野に多様性を持たせることが重要なのではないか、と感じます。
しかし出産や結婚などで一時的に職を離れることが多い女性研究者が、男性と同じラインでの競争を要請されるシステムになっているとすれば、なかなか大変なことだとも感じられます。うまい制度づくりこそが必要なところでしょう。

女性研究者支援の取り組みは、この賞の他にもいろいろあるようです。JSTの男女共同参画ページによくまとまっています。男性の方も、一度はご覧になってみてください。

 

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