[スポンサーリンク]

一般的な話題

「ねるねるねるね」はなぜ色が変わって膨らむのか?

[スポンサーリンク]

 

 

 「ねるねるねるねはひぇーっひぇひぇひぇっ練れば練るほどいろが変わってこうやってつけて….

てーれってれーっ♪」

このCMほとんど知らない人いいないと思います。筆者はこのCM結構怖かったイメージですが。そう謎のお菓子「ねるねるねるね」のCMです。我々が子供の頃に発売されたこのお菓子もなんと今年で発売25周年を迎えました!だからといってなぜブログにと?思う方はいるかもしれません。タイトルと冒頭の化合物ですでに理解している方も読者には多いと思います。

「ねるねるねるね」はなぜ色が変わって膨らむのか?

これが今回の話題です。「どーでもいい!」という声が聞こえてきそうですが、化学の原点にもどって考えてみてくださいね。実は、最近、この記事をみて、ああそうなんだと(いやむしろ興味がなかっただけなのですが)今更ながら納得してしまいましたw。今回は一般向けの話も含んでいます。

「ねるねるねるね」とは?

発売25周年の今年においても実は未だに不動の人気商品らしいです(知らなかった)。当時の親が30歳前後とすると、子供から定年前後の親まで知っているはずなので今更説明することもないですが、少しだけポイントを。ねるねるねるねは1986年に発売された今では「知恵菓子」シリーズといわれる、お菓子を作る商品。現在までに7億食以上売上、お菓子業界のトップを爆走中らしいです。CM通りねればねるほどいろが変わって食べるおやつですが、作り方がまた子供心をくすぐりますね。1番の粉を加えて水を入れてよく混ぜます。味によって色が違うらしいですが、ブドウ味は青色。次に2番の粉を入れると、色が赤紫色に徐々に変わるだけでなく、ちょっとづつ膨らんできます。よくかき混ぜたら同封のキャンディーチップかラムネをつけてれば、見た目がカラフルなお菓子のできあがりです。

nrn_product01_photo.jpg

「ねるねるねるね」を化学する!

それでは本題に入りましょう。なぜ「ねればねるほど色が変わるのか」。実はこの答えはなんと秘密でもなんでもなくクラシエの公式サイトにも記載してあります。今は怪しげなものを使っている中身は秘密☆では誰も買ってくれませんからね。色が変わる理由は、植物から抽出したアントシアニン色素(下図の化学構造)を用いており、はじめは若干塩基(アルカリ)性、そこに酸性である2番の粉をいれて混ぜると徐々に中性から弱酸性になっていき色が変わっていくというわけです。ちょっと酸っぱいのはこのせいでしょうか。それではなぜ膨らむのか。これも非常に簡単なもの、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3、重曹)が2番の粉に入っており、2番の酸性成分と1番の水溶液中で中和反応が起こり炭酸が発生して徐々に膨らむのです。あの怪しげな色と時代背景からいって確実に合成着色料と思っていましたがそうではなかったようです。アントシアニンは食用植物などにも含まれおり(天然からとれた色素だから安全というわけではない)、比較的に安全な部類の色素です。炭酸水素ナトリウムもベーキングパウダーの成分ですから全く問題有りません。

neruneru.png

というわけで、ねるねるねるねは怪しげなお菓子ですが、怪しげな化合物は使っていませんでした。当時小学生低学年の筆者(お小遣い:学年×100円)には高いお菓子という認識がありましたが、実際は105円(税込)なのですね(昔からなのかな)。世代を超えて人気の「ねるねるねるね」お子様にぜひどうぞ。

ただし、味は正直言ってマズイですよ(好みにもよりますが)。

 

【追記】結構こういう話は化学を一般に語るときにネタとしてお話できますね。個人的には「風邪薬はなにからできているのか?優しさ半分残りは?」みたいな話を「化学は分子で語れる学問」ということを一般にお話する際の導入にしたことがあるのですが、結構評判がよかったです。というわけで化学者の方は一般に対する講演のネタとしてもっておけばよいのではないでしょうか。ただし、普通の話で話すと引かれますよ。ネタ元はこちら(市販の新解熱鎮痛薬「ロキソニン」って?)。

 

関連動画

 

この魔女のおばあちゃんは2台目ですかね?少し明るくなった気がします。

 

関連リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 有機合成化学協会誌2020年11月号:英文版特集号
  2. PCに眠る未採択申請書を活用して、外部資金を狙う新たな手法
  3. 有機化合物で情報を記録する未来は来るか
  4. ケムステが化学コミュニケーション賞2012を受賞しました
  5. 2007年度ノーベル化学賞を予想!(2)
  6. 有機合成化学協会誌2021年8月号:ナノチューブカプセル・ナノグ…
  7. 分析技術ーChemical Times特集より
  8. 2021年ノーベル化学賞は「不斉有機触媒の開発」に!

注目情報

ピックアップ記事

  1. 「新反応開発:結合活性化から原子挿入まで」を聴講してみた
  2. 社会に出てから大切さに気付いた教授の言葉
  3. ムレキシド反応 Murexide reaction
  4. 葉緑素だけが集積したナノシート
  5. ベティ反応 Betti Reaction
  6. 大久野島毒ガス資料館
  7. 米国版・歯痛の応急薬
  8. 東大薬小林教授がアメリカ化学会賞を受賞
  9. アメリカで Ph.D. を取る –エッセイを書くの巻– (前編)
  10. Zachary Hudson教授の講演を聴講してみた

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

有機合成のカラム精製に革新を 〜モノリスカラムで変わる「研究のスピード」〜

筆者の研究室では有機合成を行っています。合成も大変ですが、何より大変なのが精製操作。最近、とある…

酸素は系内に入り込み続ける【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

アンモニウム構造によりラジカル種の発生位置を完全に制御!

第710回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の榊原 陽太(さかきばら …

化学つれづれ草【ある研究者の回想】

概要物理化学者で量子機能材料を専門とする著者によるエッセイ集.化学者としての研究,教育,人生…

第60回有機反応若手の会

開催概要有機反応若手の会は、有機化学分野で研究を行う全国の大学院生を中心とした若手研究者が集い、…

ノーベル賞受賞者と語り合う5日間!「第18回HOPEミーティング」参加者募集!

申し込みはこちら概要主催:独立行政法人 日本学術振興会(JSPS)開催地:神奈川…

光触媒による高効率なCO2還元の実現―まさかの光を弱く当てることが重要だった―

第709回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 理学院(前田研究室)博士後期課程2年の仲田竜一 …

「π-πスタッキング」という言葉が生む誤解【芳香環の相互作用を見直す: 前編】

芳香環が平行に並んで近接しているとき、その構造を「π–π スタッキング」と表されることがよくあります…

一重項酸素によるC(sp2)−P結合切断を用いた長波長光によるリン化合物のアンケージング

第 708 回のスポットライトリサーチは、同志社女子大学 薬学部 医療薬学科 5…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける画像解析の活用ガイド

開催概要材料開発において、電子顕微鏡やX線トモグラフィーを用いて材料の微細構造を観察するために画…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP