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リサーチ・アドミニストレーター (URA) という職業を知っていますか?

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突然ですが,みなさんはリサーチ・アドミニストレーター (URA) という仕事をご存じですか?ちなみに筆者は,つい先月公募を見て初めて知りました.何だこの職種は??と思って,Wikipediaで調べてみると…

『リサーチ・アドミニストレーター(Research Administrator)とは、企業や大学、研究所などの高等教育研究機関において、研究面から経営・運営に直接的に関与する上級管理職、役員級職のことである。トップダウンの支配命令型リーダーではなく、調整管理型リーダーであるサーバント・リーダーとしての役割を担う役職である。株式会社などの企業で言えば執行役員級の管理職であり、上級(シニア)職は取締役級の職位(例えば、最高技術責任者(CTO))である。』
 う~ん…なんかすごそうだけどよく分からない…。
それなら,実際にお仕事している人に聞いてみれば良いじゃない!
 ということで,先週の土曜日に行われていたWEcafe公開ゼミ「リサーチアドミニストレータ(URA)ってどんなお仕事?」に参加して,現役URAの方に直接お話を聞いてきました!

お話を聞かせてくれたURAさん

今回お話を伺ったのは,東京農工大でURAをしておられる丸山さんと阿部さんです.

(ちなみに,リサーチ・アドミニストレーターの略称がRAではなくURAなのは,大学におけるRA: Research Assistantとかぶらないようにするためだそうです!UはUniversityの略です)

 丸山 浩平 さん(東京農工大学 先端産学連携研究推進センター 主任URA)
 阿部 佑 さん(東京農工大学 先端産学連携研究推進センター URA)
WEcafe130511.jpg
左が阿部さん,右が丸山さんです.
ちなみに真ん中は,今回のゼミを企画してくださった蓑田裕美さん (国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーター)です.
 WEcafe公開ゼミの様子は,Togetterにまとめられていたりブログでいずれ紹介されたりすると思いますので,本記事では現役URAから教えていただいたURAの実際にスポットを当てて書いていきます.

URAが導入されたいきさつは?

 はじめに阿部さんから,大学,そしてURAの成り立ちについて説明していただきました.
 URAが日本で導入されたいきさつには,まず国立大学が法人化したことが背景にあります.国立大学時代では,大学は文部科学省から特別会計のお金を受けて運営していました.しかし,2004年度の法人化により一般会計からの運営費交付金となり,人件費もすべて含めて1年1%の削減が決まったため,競争的資金を獲得するための提案や成果を出すことが求められるようになりました.そのため教員は,研究成果をより明確に求められ,研究成果が挙げられる研究が推進されるようになり,職員はこれまでの事務や企画能力に加え,組織改革や研究支援と言った能力も必要とされるようになりました.
 しかし,それにともなって様々な問題が生じます.教員は従来の教育・研究に加え,社会のニーズを察知して,研究の成果をアピールして,国の資金制度を調べて応募して….一方職員も,資金を獲得しなきゃ大学の収入が減ってしまう!でも研究分野もよくわからない,どこまで立ち入っていいかも分からない,どうすれば??…ようするに,みんないっぱいいっぱいになってしまったのです.そして若手研究者が減少している!とNatureに書かれたり論文の数・質ともに減少してしまったり…(なんて,これらの直接の原因が法人化とは言い切れませんね).
 この事態を解決するため,文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室が,『研究開発内容について一定の理解を有しつつ,研究資金の調達・管理,知財の管理・活用等をマネジメントする人材』(=URA)を養成する仕組みを策定しました.その結果,平成23年度に5校,平成24年度に追加で10校の採択が決まったのです.

URAの実際の仕事は?

 ということで,URAはまだまだ始まったばかり,開拓途中の仕事なんですね.そのためかURAの仕事は明確に定められているとは言いがたく,各校によって違いがあるようです.URAに採用されて初めての仕事は,仕事内容を考えることだったなんていう噂も….
 WEcafe公開ゼミ後半では,農工大でのURAの仕事について丸山さんが教えてくださったので,その一部をご紹介します.
農工大URAの現在の活動状況は,以下の三つに大別されます.
■次世代研究政略
こちらには,主に次世代に向けての研究戦略をすることで,大学のブランド価値を高める取り組みが含まれます.具体的には,農工大次世代研究戦略に係るプロジェクトの企画・推進や農工大発新産業創出の組織的な加速戦略の立案・推進が行われているそうです.また,次世代若手研究者の科研費計画調書のロジカルライティング添削を行うことで,支援案件採択率は平均を上回る42.9%となったそうです!
■重点研究戦略
こちらには,主に既存の研究拠点やプロジェクトの研究戦略をメインに,全体最適化を行う取り組みが含まれます.大型研究プロジェクトの継続戦略や大型連携研究(産学,国際等)の拡大戦略の立案・推進等を行っているそうです.
■マネジメント
上記二つは,申請時の職域であるPre-Award的な支援が中心でした.しかし,URAの仕事は,申請すれば終わりというわけではありません!もちろん,申請後の職域であるPost-Award的支援もURAの仕事に含まれます.例えば,プロジェクトに必要な人員・組織・設備の整備,プロジェクトの進捗管理,プロジェクトの会計・財務,知的財産を含む研究成果の管理,広報等々….そうです,これらの仕事は,これまで大学職員や産学連携組織等が行ってきた従来の業務も含んでいます.つまり,URAは全く新しい仕事というわけではなく,従来よりも包括的に研究支援を行う業務であると言えます.

 URAの現状と今後について

 現在,URAの業務は,どれだけ競争的資金を獲得できたか?という点で評価される傾向にあります.しかし,このままでいいはずはない,と丸山さんは語ります.
 米国や欧州では,それぞれの大学には必ず特徴があります.そしてその特徴を前面に押し出すことで,大学の立ち位置を確立し,ブランド価値を高めているのです.日本の大学にURAが導入されたと言うことは,日本の大学も海外同様に,それぞれの立ち位置を明確化するべきと国が考えているように筆者は感じます.
 丸山さんは,URAの短期的な評価として,外部資金獲得数や論文数で評価することはもちろん有効ではあるけれど,中長期的な評価として,大学ランキングや,大学ブランドの確立・周知・向上…と言った点でもURAの業務が評価される体制にしていきたいとおっしゃっていました.この点に関しても,筆者も全く同感でした.
 URAは,その業務内容から,さまざまな専門分野(会計,知財といった事務系の方はもちろん,研究者も!)を持つ方が参入して可能だそうです.そして,今回お話を伺って,URAは,業務内容の範囲・意義ともに大きく,やりがいのある仕事であると感じました.もし,現在研究者の立場にいて,URAになってみたい!と思った方がいらっしゃいましたら,まず阿部さんが語っていたこの言葉をよく考えてほしいと思います.
 「研究者からURAになるということは自身のキャリアパスを大きく変更するということ. そして補助事業後も”大学が引き続きURAを必要とし続ける”という真の意味でのURAの定着を実現するには,URAたち自身が業務と価値を創造していかなければならないということ. その意味の理解と覚悟をもって目指してほしい.」
(ちなみに補助金ではなく,すでに自前の予算でURAを雇っている大学もあります.また,第二弾の公募の波が今来ているそうなので,興味のある方はこちらをご覧ください.)
 研究者・職員・教員・そしてURAと,みんなで手を取り合い,協力しながら,自分の大学・ひいては日本の大学の存在感をどんどん世界にアピールしていきましょう!

uretan

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博士後期課程の学生です.無機と有機とバイオの間を ふらふらしているので,同じく分野をふらふらした記 事を書ければと思っています.HNは誤字じゃないよ!

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