[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

化学研究ライフハック :RSSリーダーで新着情報をチェック!2015年版

現代社会はインターネット全盛。個人が世界とつながり、やりとりする機会もごく普通のことになりました。まさに“一億総情報発信時代”と呼ぶにふさわしい様相です。

Web上の化学情報も、以前に比べて質・量ともに格段の発展を見せました。電子ジャーナルも一般化し、情報源たるブログやWikiも充実し続けています。Web化学情報の増加はいまだ留まるところを知りません。

その一方で、

「必要な情報だけを低コストでより分けるには、どうすればよいのか?」

「得た情報を上手に活用するには、どうすればよいのか?」

・・・この悩みがつきまとうのは日常生活でも研究でも同じであり、時間に追われる現代人ならば尚更です。情報を取捨選択し活用する技術は、現代人にとって必要不可欠なスキルです。

優れたツールを使いこなし、情報を効率よく集めて処理する「デキるオトナの仕事術」――これはライフハック(LifeHack)というカッコ良い言葉で形容され、昨今注目を集める概念となっています。

ケムステでは、Web全盛時代に化学情報を処理する術を、「化学研究ライフハック」と呼称して多数解説してきています。

本記事では、かつてその第一弾記事として公開されていたRSSリーダーを活用した新着情報チェック法(2008年)を、現代事情をふまえたうえでアップデートして紹介したいと思います。

RSSって何?

RSS対応アイコン

RSS対応アイコン

ネットを巡回していて、上図のような音波画像を見かけたことは無いでしょうか?これは「サイトがRSSに対応しています」という表示です。

 「RSS?・・・聞いたことあるけど良く分からないなぁ」・・・そんな方も多くいらっしゃることでしょう。かいつまんで言うなら、「ニュース・ブログなどの最新見出しを記述したコード」のことです。更新状況に応じて最新の状態に保たれる「リアルタイム性のあるブックマーク」とも取れます。沢山の新聞の見出しだけをまとめて読めるような仕組みと考えれば、利便性がイメージしやすいと思います。

 最近ではほとんどのニュースサイト・ブログにRSSコード生成機能が実装されています。皆さんが良く訪れるサイトを隅まで見てみてください。きっとこのマークが表示されているはずです。

 たとえば、ケムステの各種コンテンツもRSSに対応しています。上部メニューにある「Chem-Stationについて」から取得可能です。

ケムステコンテンツのRSS

ケムステコンテンツのRSS

定番RSSリーダー「Feedly」を使ってみる

RSSを読むためには、RSSリーダーと呼ばれるソフトが必要になります。いろいろなソフトが開発・公開されていますが、筆者のように毎回の起動が面倒に感じるものぐさタイプなら、ブラウザ対応のRSSリーダーがオススメです。

かつて隆盛を極めていた定番はGoogle Readerでしたが、残念ながら2013年にサービス中止となってしまいました。その後釜として定番視されているのがFeedlyです。

feedly_logo

導入方法については既にほうぼうで解説記事がありますので、そちらを参照いただくのが良いでしょう。たとえばGigazineのインストラクションでは導入からRSSの追加に至るまでが、丁寧に解説されています。また、各OS・端末に対応したアプリも発行されていますので、必要に応じてインストールください。一旦アカウントを登録してしまえば、どの端末からも同じデータを使えます。

Chromeアプリ Chrome拡張機能 iOSアプリ Androidアプリ

 

各種新着記事をチェックしてみよう

RSSリーダーの準備が整い、いよいよ具体的に使い始める段になりました。果たしてどういうものに使うのが賢いやり方といえるのでしょうか。

ここではとりわけ化学研究に役立つ方法を紹介しておきます。

①新着論文のチェック

競争の激しい分野に取り組む研究者には、毎日の新着論文チェックは欠かせません。 NPGジャーナルのAdvance Online Publications, ACSジャーナルのASAP/Just Accepted、WileyのEarly View・・・などなど、校正を経て雑誌形式になる(ページ番号が付く)前段階から論文が公開されることも、昨今では一般化しています。現状もっとも情報が早いメディアは疑いなくWebです。

しかし一つや二つならともかく、十や二十ものWebジャーナルを定期チェックするのは大変です。そういう時に、RSSリーダーが大きな助けになります。

 興味のあるジャーナルのRSSを上記解説の要領で登録します。すると、ジャーナルによってはGraphical Abstract付きの見出しが表示されます(下図)。 未チェックの記事数も表記されるため、見落としも少なくなります。

RSS_3

JACS誌が配信する新着論文RSS

②化学系ニュースとブログのチェック

 既に述べたとおり、ニュースサイト・ブログの更新情報はRSSを使えばカンタンに取得できます。 うまく使って巡回時間を節約しましょう。

以下に日本語で読める代表的な化学系情報サイトを記載しておきます。ほとんどの場合、Feedlyの検索窓にサイト名を入力するだけで検索・登録できます。Science Blog AntennaChemPortにもまとまっていますので、そちらから適宜ピックアップしても良いでしょう。もちろん登録すべきは化学情報に限りませんので、お好みでどうぞ。

化学系ブログ 化学ニュースサイト
化学者のつぶやき ケムステニュース
有機化学美術館・分館 ガジェット速報-Technity-
気ままに有機化学 化学工業日報
気ままに創薬化学 薬事日報
こども省 マイナビニュース|テクノロジー
大学1年生の化学 グラフェンWiki & News
ワイリー・サイエンスカフェ 化学業界の話題
たゆたえども沈まず 日刊薬業
③TwitterのつぶやきをRSSで追う

近年ライトな情報発信媒体として台頭しているTwitterですが、タイムラインはどんどん流れていってしまうため、「つぶやきを見逃してしまった!!!」と嘆くことも多々あるものと思います。

そういう場合に備え、チェックしたいユーザのツイートをRSSリーダーで取得しておくと良いでしょう。昔は公式がRSS配信していたのですが、最近廃止されたため一工夫必要になっています。

いくつかやり方があるようですが、ここではQueryFeedと呼ばれるウェブサービスを使う方法をご紹介します。やり方は以下の通り。化学系Twitterもいろいろ登場しています(参考:有機化学系Twitter bot)ので、適宜探して登録しておくと良いでしょう。

QueryFeedのサイトを訪れ、フォームに「from:アカウント名」と打ち込みEnter。

RSS_4

②出てきたページのURLをコピーし、Feedlyの検索窓にペーストすれば、TwitterのRSSが登録できます。

RSS_5

④Googleアラートで特定のキーワードを追う

「化学」「有機化学」など、特定キーワードに絡むニュースや注目記事を広く引っかけたい場合には、Googleアラートが便利です。操作は直感的に行なえ、説明不要だと思います。出てきたRSSフィードをFeedlyに登録すればOK。

RSS_6

 

おわりに

  「化学研究ライフハック」 RSSリーダー編はこれにて終了です。

 化学者はIT技術に疎いためか、便利なWebサービスを使いこなせる人は多くないようです。しかし、うまく使えば大変便利なものばかりなので、本記事を参考に是非チャレンジしてみてください。

(2008.6.29. cosine 執筆)
(2015.1.24 加筆修正・つぶやきに移行)

関連書籍

 

関連リンク

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. (+)-マンザミンAの全合成
  2. 電気ウナギに学ぶ:柔らかい電池の開発
  3. カーボンナノリング合成に成功!
  4. 磁石でくっつく新しい分子模型が出資募集中
  5. ノーベル賞への近道?ー研究室におけるナレッジマネジメントー
  6. 除虫菊に含まれる生理活性成分の生合成酵素を単離
  7. Micro Flow Reactorで瞬間的変換を達成する
  8. フルオロホルムを用いた安価なトリフルオロメチル化反応の開発

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 武田薬品、糖尿病薬「アクトス」に抗炎症作用報告
  2. 科研費の審査員を経験して
  3. 安価な金属触媒でアルケンの高活性ヒドロシリル化を達成
  4. 新人化学者の失敗ランキング
  5. エーザイ 巨大市場、抗ガン剤開発でライバルに先行
  6. 不斉配位子
  7. マシュー・ゴーント Matthew J. Gaunt
  8. クラウス・ビーマン Klaus Biemann
  9. 薗頭・萩原クロスカップリング Sonogashira-Hagihara Cross Coupling
  10. レッドブルから微量のコカインが検出される

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

【なんと簡単な!】 カーボンナノリングを用いた多孔性ナノシートのボトムアップ合成

第 164 回目のスポットライトリサーチは東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻の森泰造 (…

「進化分子工学によってウイルス起源を再現する」ETH Zurichより

今回は2018年度のノーベル化学賞の対象となった進化分子工学の最前線でRNA・タンパク質工学を組み合…

アントニオ・M・エチャヴァレン Antonio M. Echavarren

アントニオ・M・エチャヴァレン(Antonio M. Echavarren、1955年3月25日–)…

スルホキシドの立体化学で1,4-ジカルボニル骨格合成を制す

イナミドと光学活性なアルケニルスルホキシドから、2位および3位に置換基をもつ1,4-ジカルボニル骨格…

サッカーボール型タンパク質ナノ粒子TIP60の設計と構築

第163回目のスポットライトリサーチは、慶應義塾大学理工学部 ・川上了史(かわかみ のりふみ)講師に…

不斉カルボニル触媒で酵素模倣型不斉マンニッヒ反応

ピリドキサール生体模倣触媒によるアリールN-ホスフィニルイミン類とグリシン類の不斉マンニッヒ反応が報…

PAGE TOP