[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

超微量紫外可視分光光度計に新型登場:NanoDrop One

[スポンサーリンク]

サーモフィッシャーサイエンティフィック社が発売している1 μLでも測定できる超微量紫外可視分光光度計NanoDropが「NanoDrop One」としてリニューアルされました。

これまでのタイプはNanoDrop本体は小さいのにPCが場所を取っていましたが、新型であるNanoDrop Oneはタブレットタイプが付属。設置場所を選ばず機能充実、そしてかっこいいデザインになりました!

 

微量紫外可視分光光度計NanoDropとは

有機合成の方々には縁がないかもしれないのですが、生化学なラボにはおそらく1台置いてあるのがNanoDropです。他社製品も数社存在していますがNanoDropが圧倒的なシェアを占めています。

NanoDropを含む微量紫外可視分光光度計の最大の特徴は、1 μLの液を乗せて(下図左参照)ボタンを押すと、特定の波長の吸光度(またはスペクトル)がでてくるところです。生化学の場合測定する対象が核酸・タンパク質・細胞など限られているので測定する対象を選べば自動的に測定波長が設定されるしくみになっています。

また、液柱の長さが光路長になり(下図中央参照)、濃度に応じて液柱の長さを自動調節します。したがってダイナミックレンジが広くなりますのでサンプルを希釈する必要がほとんどありません。さらに、測定の後はキム(プロ)ワイプなどで拭き取るだけなのでキュベット洗浄のようなわずらわしさもありません。このように簡便に使えるのがNanoDropです。例えば大腸菌の増殖度合いを調べる際に使っています。スクリーンショット 2015-12-04 19.06.21

 

新機能1。PCからタブレットへ

今までは、NanoDrop本体より大きなPCが付属していましたが、今回からは本体にタブレット(左右に動かせます、下図参照)が付属しています。タッチパネル式なので使いやすく場所をとりません。cq5dam.thumbnail.250.250

 

新機能2。夾雑物および気泡を検出する機能が加わる

コンタミネーション同定機能が新たに加わりました。例えば核酸を精製する過程で使用するフェノールが混入すると、見た目の吸光度が高くなることから誤差が生まれます。NanoDrop Oneは波形分離機能が備わっているので、混入している成分を表示し、補正後の濃度を表示してくれます(下図参照)。これは便利。また液柱をカメラがモニタリングしていますので気泡がはいっている場合はその旨教えてくれます。粘性が高いサンプル測定のときに威力を発揮してくれそうですね。スクリーンショット 2015-12-04 19.06.38

 

新機能3。簡便性が向上

アームを下ろすだけで測定を開始できる自動測定機能が新たに加わりました。ボタンを押す手間が省けただけですが、サンプル数が多い場合には意外と手間になります。測定中はガラス製台座が点滅するので測定終了が一目でわかります。

 

まとめ

スタイリッシュなボディにうれしい機能満載のNanoDrop One。温調機能付きキュベット測定ができるタイプ(NanoDrop Onec)もありますので、合成ラボの方も一度お試しされたらいかがでしょうか。連絡先はこちら

 

サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社

〒108-0023 東京都港区芝浦4-2-8

TEL 0120-477-392

mail: jptech@thermofisher.com

 

関連動画

 

外部リンク

 

Avatar photo

msc

投稿者の記事一覧

質量分析計を使ったメソッド研究開発、国内外の研究者との共同研究および受託分析(実験計画からデータ解析まで)を行なっております。測定対象は、タンパク質同定およびLC-MSによる分析を中心に、水素-重水素交換質量分析(HDX-MS)、MALDI-TOFによる分析等幅広く扱っています。ITbMでは、トランスフォーマティブ分子の機能構造解析(プロテオミクス によるターゲットID、構造解析等)をITbMグループと共同で進めています。詳細はURLをご覧ください。

関連記事

  1. 金属・ガラス・製紙・化学・土石製品業界の脱炭素化 〜合成、焼成、…
  2. ペプチド触媒で不斉エポキシ化を実現
  3. Merck Compound Challengeに挑戦!【エント…
  4. 第44回ケムステVシンポ「未来を切り拓く半導体材料科学の最前線」…
  5. 活性が大幅に向上したアンモニア合成触媒について
  6. Actinophyllic Acidの全合成
  7. 年に一度の「事故」のおさらい
  8. 若手研究者に朗報!? Reaxys Prizeに応募しよう

注目情報

ピックアップ記事

  1. 中村 真紀 Maki NAKAMURA
  2. エナンチオ選択的Heck反応で三級アルキルフルオリドを合成する
  3. たばこと塩の博物館
  4. 第49回―「超分子の電気化学的挙動を研究する」Angel Kaifer教授
  5. 免疫不応答の抗原抗体反応を利用できるハプテン標識化試薬
  6. PCC/PDC酸化 PCC/PDC Oxidation
  7. 機器分析の基礎知識【まとめ】
  8. ライマー・チーマン反応 Reimer-Tiemann Reaction
  9. イナミドを縮合剤とする新規アミド形成法
  10. 第100回―「超分子包接による化学センシング」Yun-Bao Jiang教授

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年2月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
29  

注目情報

最新記事

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

第18回日本化学連合シンポジウム「社会実装を実現する化学人材創出における新たな視点」

日本化学連合ではシンポジウムを毎年2回開催しています。そのうち2025年3月4日開催のシンポジウムで…

理研の一般公開に参加してみた

bergです。去る2024年11月16日(土)、横浜市鶴見区にある、理化学研究所横浜キャンパスの一般…

ツルツルアミノ酸にオレフィンを!脂肪族アミノ酸の脱水素化反応

脂肪族アミノ酸側鎖の脱水素化反応が報告された。本反応で得られるデヒドロアミノ酸は多様な非標準アミノ酸…

野々山 貴行 Takayuki NONOYAMA

野々山 貴行 (NONOYAMA Takayuki)は、高分子材料科学、ゲル、ソフトマテリアル、ソフ…

城﨑 由紀 Yuki SHIROSAKI

城﨑 由紀(Yuki SHIROSAKI)は、生体無機材料を専門とする日本の化学者である。2025年…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP