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名古屋市科学館で化学してみた

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寒い毎日が続いていますね。仕事に恋愛に忙しい(ようでありたい)この季節、化学徒の皆様はいかがお過ごしでしょうか。先日のバレンタインデーで、チョコレートの油脂の分子構造について目をキラキラさせながら友人や恋人に語りかけ、ドン引きされてしまったという方もいらっしゃるかもしれません。

ドン引きされずに、一緒に化学を楽しみたい!

そんな時の強い味方が「科学館」です。

ここなら誰でも誰とでも、気軽に化学を楽しめる…はず!!

というわけで、身近に科学(化学)を楽しめるシリーズ(?)として、科学館を紹介していきたいと思っています。

そこで今回第一弾として、名古屋駅からのアクセスも抜群の「名古屋市科学館」についてレポートいたします。

名古屋市科学館の理工館5階で遊んでみた

大きな球体が目印の名古屋市科学館(トップ図)。

「理工館」「生命館」「天文館」の3棟からなっており、全部をじっくり見て回ろうとすると丸一日あっても足りないほどです。2011年に理工館と天文館が全面リニューアルし、世界最大のプラネタリウム「Brother Earth」が大きな話題となっています。

化学のフロアは、理工館5階です。

化学フロア

ものづくり都市・名古屋らしく、化学だけでなく化学を基盤とした「材料」に大きくスポットがあてられているのが特徴的です。

とりあえず、入り口近くにあるこちらの展示が大人気すぎて気になります。

大人気すぎる展示

つまみを持ち上げて重さをくらべましょう

木や水、金属などの様々な物質がだんだん重くなっていくように並べられています。大きさが同じでも物質によって重さが違うことがよくわかります。

そして、チャレンジ精神から無我夢中で一番重いタングステンのキューブ(19.3 kg)を持ち上げようと頑張る人、多数。

タングステンのキューブ

ええ、もちろん私もやりました。持ち上げても特にいいことはないんですが、謎の達成感があります。

 

自転車のスチールフレームとカーボンフレームの重さ比べもありました。黄色いところを持って、持ち上げます。

スチールフレームとカーボンフレームの自転車

…カーボンフレーム、軽っ。

もちろん単体同士ではないので単純比較はできませんが、炭素(原子量12)が鉄(原子量56くらい)との違いを見せつけてくれている…ような気分になります。

ここまでくると、もう周期表が見たくてたまりませんよね

展示室の奥のほうにでかでかと鎮座しているのがこちらの周期表です。なんと各元素の部分には実物が入っています。

あの元素やこの元素は、どんなところに使われているのか?特に原子番号の大きな元素は普段あまり目にしないため、まじまじと見てしまいました。逆に、ケイ素のようにメジャーな元素でも単体をなかなか見かけなかったりするもので、これまたまじまじと見つめてしまったのでした。楽しい〜。

周期表の近くには色々な分子模型が展示してあります。

チョコレート油脂の分子模型こそありませんが、別の食用油脂の分子模型はばっちり展示されています。科学館の分子模型を前にして語らえば、きっとドン引きなんてされずに二人の仲が縮まる…はず!

 

別のところにグラファイトとダイヤモンドの分子構造模型もありました。どちらも炭素原子のみからなる物質ですが、結合の仕方が異なっているのは有名です。ダイヤモンドでは炭素原子が縦方向にも横方向にもしっかり共有結合でつながっているのに対し、グラファイトでは炭素が層構造をとり、層どうしは共有結合しておらず離れやすくなっていることが、わかりやすく示されています。

グラファイト(左)とダイヤモンド(右)の模型

ボタンを押すと横に揺れ、グラファイトの層がずれるのがシブい!筆者のお気に入りです。

 

メントールの鏡像異性体の嗅ぎ分けも体験できます。

定番ですがやはり実際に嗅げるのは良いです。

 

こちらの展示は、展示だと気づかれにくいようで、多くの方々が素通りしてしまっていました…。触ると体温で色が変わります。温度で分子構造が変わる「サーモクロミック分子」で作られた顔料なんですね〜。

 

…というように、理工館5階で化学や材料科学を堪能しましたが、実はぜったい見逃せない化学(?)スポットがこのフロアとは別のところにありました。

 

これです。

元素コインロッカー!!!

 

エントランスから生命館につながる1階通路に置かれているこのコインロッカーが、実は、名古屋市科学館のひそかな名物。

2016年11月に正式に命名されたニホニウム」も、しっかり押さえられています。

ニホニウム!

アットホームな手作業感が、最近の出来事なんだというのを強調しています。

 

ちなみにこの元素コインロッカー、科学館のオリジナルグッズにまでなっており、トートバッグやら何やらがミュージアムショップで販売されていました。

なんだこの人気ぶりは。みんな元素が好きなんだな。嬉しいじゃないか。

 

感想

展示を体験した感想は「知らなくても楽しめるし、知っているともっと楽しい」です。説明は多くなく(むしろ、ほぼ説明がない展示も多く)、現象を体験しながら楽しむつくりになっているため、理屈がわからなかったとしても「堅苦しくて飽きちゃう〜」ということにはならないハズ。

逆に理屈がわかっちゃう人は、「あっ、知ってるアレが展示されてる!」とニンマリしたり、「こんな見せ方もあるのか〜」と唸ったりと、ちょっと捻った楽しみ方もできるかと思います。化学好きの友人どうしやカップルさん達が大きな周期表を眺めながら語らう光景もちょこちょこ見かけました。皆さんが共有結合もビックリの強い絆で結ばれるようお祈りしております。

 

おまけ

チョコレートの成分の結晶構造の違いから美味しさの秘密を解き明かす調理ワークショップを、高エネルギー加速器研究機構が実施しています。各地の科学館などで開催されているようなので、チャンスがあれば参加してみるのもいいかも?

近くで開催されないという方は、上記ワークショプの基になっていると思われる、放射光でチョコレート油脂やココアバターの結晶構造を解析した2004年の論文をお楽しみください。

 

名古屋市科学館おでかけ情報

〒460-0008 名古屋市中区栄2-17-1 芸術と科学の杜・白川公園内

[TEL] 052-201-4486    [FAX] 052-203-0788

[URL] http://www.ncsm.city.nagoya.jp/

[開館時間] 9:30〜17:00 (入館は16:30まで)

[休館日] 毎週月曜日 (祝日の場合は開館し、翌日休館)、第三金曜日 (祝日の場合は開館し、第四金曜日に休館)、年末年始  ※その他、臨時休館する場合有

[交通アクセス] 地下鉄「伏見」駅4・5番出口から南へ徒歩約5分  ※伏見駅へは名古屋駅から地下鉄東山線・藤が丘行きで1駅

 

参考文献

  1. Peschar, R.; Pop, M. M.; De Ridder, D. J. A.; Van Mechelen, J. B.; Driessen, R. A. J.; Schenk, H. J. Phys. Chem. 2004, 108, 15450. DOI: 10.1021/jp046723c

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Shirataki

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目には見えない生き物の仕組みに惹かれ、生体分子の魅力を探っていこうとしています。ポスドクや科学館スタッフを経て、現在は大学発ベンチャーの研究員。微生物と戯れる日々。

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