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会告

第464回生存圏シンポジウム バイオナノマテリアルシンポジウム2021 - アカデミアからの発信 –

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温室効果ガスゼロエミッションは、あらゆる分野において人類が生存を賭けて取り組む喫緊の課題です。大気中の二酸化炭素を吸収して生産される植物バイオマス資源は、ポスト化石資源の一番手に位置づけられ、持続可能なカーボンニュートラル素材として自動車産業、家電産業、化学産業を始めとする様々な分野から高い関心が集まっています。

樹木やタケの細胞、カニやエビの外殻、カイコが紡ぐ蚕糸は、人類の知恵をはるかに越えて作り出されている精緻なナノ構造とそれに由来する機能を有しています。しかし、そのことは限られたコミュニティで共有されているだけです。ナノ構造を有するバイオ素材、バイオナノマテリアルの最前線で活躍している大学研究者の活動が産業界や異なる材料分野で広く知られているとはいえません。そこで高性能のセルロースナノファイバーやナノクリスタル、キチンナノファイバー等から構築されているバイオナノマテリアルに関する研究が、今、どのような方向に向かい、展開しているのか、時代を先導する研究グループや研究者が最もホットな話題を発表する機会を作りました。可能な限り毎年開催していく所存です。是非ともご参加いただき、最近の情報を共有いただき、一緒になってバイオマス資源の先進的利用に取り組んでいただければ幸いです。

参加費は無料です。

開催概要

主催京都大学バイオナノマテリアル共同研究拠点(経済産業省Jイノベ拠点)

ナノセルロースジャパン

共催:近畿経済産業局、地方独立行政法人京都市産業技術研究所、

環境省ナノセルロースプロモーション事業

日時:令和3年12月21日(火)13:00-17:10 オンライン配信(Zoom)。

申込方法:下記リンクにアクセスして必要事項をご入力のうえ、送信ボタンを押してください。申込み受付済みのE-mailが送付されますのでご確認ください。その後、視聴に必要なURLとパスワードをE-mailにて12月20日(月)までにお送りいたします。

https://forms.gle/xTQeyZ6Lf3NDp1Qg8

定員:1000名(申込先着順)、参加費:無料)

講演要旨:要旨集は12月17日以降、下記URLからダウンロードできます。

https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/bionanomat/research/

プログラム

13:00 趣旨説明と各グループの紹介              京都大学 生存圏研究所 矢野 浩之

13:10 – 14:15 セッション1 

CNFの結晶性は分散と会合が支配する

齋藤 継之 (Tsuguyuki SAITO)

東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 製紙科学研究室・准教授

CNFの結晶性は、分散により低下し、会合により回復する可逆的な性質であるという新奇現象を解説する。

ナノセルロースに色素を混ぜてみたら、新しい定量法を発明できて学会でも受賞できちゃった話

荒木 潤 (Jun ARAKI)

信州大学 繊維学部 化学・材料学科・教授

トルイジンブルーO色素吸着を用いて、ナノセルロース試料の表面荷電基を迅速かつ簡便に定量する手法を考案した。

ミクロ~マクロのデータが物語るバイオベースコンポジット+α

寺本 好邦 (Yoshikuni TERAMOTO)

京都大学大学院 農学研究科 森林科学専攻 生物材料化学分野・准教授

バイオベースコンポジットの経験則を数値化するミクロな分析データと、マクロ物性の統計データがマッチングする様子を紹介する。バイオナノマテリアルのアプリケーションへのデータ活用の可能性についても触れる。

質疑応答: セッション1

14:15 休憩

14:25-15:50 セッション2

想定外への挑戦―CNF切り紙によるエレクトロニクス放熱―

上谷 幸治郎 (Kojiro UETANI)

大阪大学 産業科学研究所 第2研究部門 自然材料機能化研究分野・助教

CNFに見出された意外な熱伝導性をエレクトロニクスの冷却に適用することを目指し、切り紙構造と空気対流を組み合わせた新規な放熱機構を提案する。

次世代京都プロセスと高耐衝撃材料の開発

矢野 浩之 (Hiroyuki YANO)               

京都大学 生存圏研究所 生物機能材料分野・教授

CNF強化PP材料について次世代の製造プロセスと破壊までの仕事量が大きく向上した材料を紹介する。

キチンナノファイバーによる非アルコール性脂肪肝炎の改善効果

伊福 伸介 (Shinsuke IFUKU)           

鳥取大学 工学研究科 化学・生物応用工学専攻・教授

キチンナノファイバーを服用すると腸内細菌叢が変化し、生体内の酸化ストレスを低下させることに伴い、非アルコール性脂肪肝炎に対して改善効果をもたらす。

フィブロインナノファイバーのバイオマテリアルへの展開

岡久 陽子 (Yoko OKAHISA)

京都工芸繊維大学 繊維学系 バイオベースマテリアル学専攻 バイオ機能材料研究室・准教授

繭の主成分であるフィブロインを機械的に解繊して得られるフィブロインナノファイバーの医療用材料への応用を目指した取り組みについて紹介する。

質疑応答: セッション2

15:50 休憩

16:00 – 17:05  セッション3

木材を料理する

足立 幸司 (Koji ADACHI)                      

秋田県立大学 木材高度加工研究所・准教授

木材加工と食材調理は、バイオマテリアルの加工技術として共通点が多く、交流を通じた新しい展開が期待される。今回は料理をキーワードとして取り組みを紹介する。

セルロースの合成生物学への挑戦

今井 友也 (Tomoya IMAI)           

京都大学 生存圏研究所 マテリアルバイオロジー分野・教授

合成生物学とは、設計により生物現象を再構成する学問分野である。セルロースの合成生物学研究の価値について概説する。

生態系材料學のスヽメ

北岡 卓也 (Takuya KITAOKA)          

九州大学 大学院農学研究院 環境農学部門

サスティナブル資源科学講座 生物資源化学分野・教授

昨今のバイオナノマテリアル利用は、マイクロプラより環境に悪い。2050年のCO2排出実質ゼロに向け、Ecosystems Materialogyの概念を提唱する。

質疑応答: セッション3

17:05 閉会のあいさつ

後援(予定)

紙パルプ技術協会、日本製紙連合会、セルロース学会、公益社団法人日本材料学会関西支部、公益社団法人日本材料学会木質材料部門委員会、一般社団法人日本接着学会、一般社団法人日本木材学会、一般社団法人プラスチック成形加工学会、京都大学産官学連携本部、一般社団法人西日本プラスチック製品工業協会、SPE日本支部、関西イノベーションイニシアティブ(代表幹事機関公益財団法人都市活力研究所)、一般社団法人京都知恵産業創造の森、公益社団法人日本木材加工技術協会関西支部、四国CNFプラットフォーム、ふじのくにCNFフォーラム、薩摩川内市竹バイオマス産業都市協議会(順不同)

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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