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阪大・プリンストン大が発見、”高温”でも超伝導

 電気抵抗がゼロになる超伝導状態は、かなりの低温でしか実現しないと考えられてきたが、超伝導物質の内部では、比較的高い温度でもまばらに超伝導状態になっている部分があることを、安藤陽一・大阪大教授(材料科学)と米プリンストン大のチームが突き止めた。31日の英科学誌ネイチャーに掲載された。

 冷やすと超伝導状態になる金属や化合物は多数あるが、厳しい低温下でしか超伝導は実現せず、実用化はあまり進んでいない。

 グループは、超低温下で電子の様子を観測する米プリンストン大の「走査トンネル顕微鏡」を、常温に近い状態でも観測できるように改良。物質内の電子の状態を測定した(引用:読売新聞)。

 

超伝導化合物は時速500km/m以上での走行を可能にする超伝導磁気浮上式リニアモーターカーや、磁気共鳴現象を利用して疾患状態をデジタル画像で映し出すMRI(磁気共鳴映像装置)などに使われる超伝導マグネットとして使われてます。

産業分野で超伝導体として広く使われているのはニオブ(Nb)合金。液体ヘリウムを使って約4Kまで冷やす必要があります。高温超伝導体といわれる、液体窒素の沸点(-180℃)程度の温度で超伝導が見られる物質もあり、今回、それにあたる超伝導化合物Bi2Sr2CaCu2O8+
delta
を使い、観測を行ったところ、-120℃ほどまで温度を上げても超伝導状態を保っている部分が残っていたそうです。

 

低温すぎで、特定の利用にかぎられている超伝導体の実用化の鍵になればと話しています。

 

関連文献

  • Kenjiro K. Gomes, Abhay N. Pasupathy, Aakash Pushp, Shimpei Ono, Yoichi Ando, Ali Yazdani,Nature447, 569?(2007).?doi:10.1038/nature05881

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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