[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

研究室ですぐに使える 有機合成の定番レシピ

 

気ままに有機化学さんでも紹介されていました(記事:有機合成化学者必携!有機合成の定番レシピ)。なかなかの良書だと思いますので、こちらでも紹介したいと思います。

内容はタイトル通り、「研究室ですぐに使える」実験方法、合成法の紹介です。

対象

  • 研究で有機合成を行う人

評価・解説

この書籍はJie Jack Li著、”Modern Organic Synthesis in the Laboratory: A Collection of Standard Experimental Procedures”の邦訳版です。

前述した通り、内容は「研究室でよく使う」有機合成の実験方法を記したものです。

訳者の上村先生のタッチが軽く、直訳でない読みやすい日本語になっています。さらには原本よりも圧倒的に安いため、おすすめです。

基本的なテクニック、官能基変換反応、酸化反応、還元反応、炭素ー炭素結合形成反応、保護基の章にわかれています。

基本的なテクニックでは、研究室での安全予防や、TLCの展開方法、またジアゾメタンDess-Martin試薬などの調製法、有機リチウム試薬の滴定法が記されています。よく使うけれども、正確な実験方法がすぐにはでてこないような試薬調製法も記されており、一冊にまとまっていれば重宝する内容が満載です。また、各種反応についてはファーストチョイスとして使われる実験法、参考文献などが記載されています。また、論文からは得られない経験知に基づく、反応の危険性やテクニックなども記されています。

全般的には実験化学講座をコンパクトにまとめた印象であり、「有機化学実験の手引き(いわゆる黄色い書籍)」に雰囲気が似ていると思います。こちらはすでに発売から約20年経過しており、内容的に古くなってしまっているところも多いです。その後継として、有機合成を行っている研究者ならば1冊は持っておきたい本なのではないでしょうか。

  関連書籍

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 有機合成のための遷移金属触媒反応
  2. Cooking for Geeks 第2版 ――料理の科学と実践…
  3. Small Molecule Medicinal Chemist…
  4. 切磋琢磨するアメリカの科学者たち―米国アカデミアと競争的資金の申…
  5. Organic Synthesis Workbook
  6. なぜあなたの研究は進まないのか?
  7. Metal-Organic Frameworks: Applic…
  8. 【書籍】研究者の仕事術~プロフェッショナル根性論~

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. ウコンの成分「クルクミン」自体に効果はない?
  2. ナノテクノロジー関連の特許が多すぎる問題
  3. 「薬草、信じて使うこと」=自分に合ったものを選ぶ
  4. 独メルク、米シグマアルドリッチを買収
  5. EU、玩具へのフタル酸エステル類の使用禁止
  6. 秋の褒章2010-化学
  7. おまえら英語よりもタイピングやろうぜ ~中級編~
  8. マックス・プランク Max Planck
  9. 総合化学大手5社、4-12月期の経常益大幅増
  10. 高専シンポジウム in KOBE に参加しました –その 1: ヒノキの精油で和歌山みかんを活性化–

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

「銅触媒を用いた不斉ヒドロアミノ化反応の開発」-MIT Buchwald研より

「ケムステ海外研究記」の第25回目は、マサチューセッツ工科大学 (MIT)博士課程で研究をされている…

2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル保護基 Troc Protecting Group

概要2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(2,2,2-trichloroethoxycarb…

二重可変領域抗体 Dual Variable Domain Immunoglobulin

抗体医薬はリウマチやガンなどの難治性疾患治療に有効であり、現在までに活発に開発が進められてきた。…

サイエンスイングリッシュキャンプin東京工科大学

産業のグローバル化が進み、エンジニアにも国際的なセンスや語学力が求められているなか、東京工科大学(東…

特定の場所の遺伝子を活性化できる新しい分子の開発

ついにスポットライトリサーチも150回。第150回目は理化学研究所 博士研究員の谷口 純一 (たにぐ…

出光・昭和シェル、統合を発表

石油元売り2位の出光興産と4位の昭和シェル石油は10日、2019年4月に経営統合すると正式に発表した…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP