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海外化学者インタビュー

第109回―「サステイナブルな高分子材料の創製」Andrew Dove教授

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第109回の海外化学者インタビューは、アンドリュー・ダヴ教授です。ワーウィック大学化学科に所属(訳注:現在はバーミンガム大学に所属)し、分解性機能生体材料、重合触媒、持続可能な資源に由来するポリマーの開発に取り組んでいます。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

学校ではいつも化学が好きで、自然と身につきました。この科目の実践的な面をとても気に入っていましたが、これがさらに私を惹きつけ、研究の創造性と問題解決の側面を見ながら表現することを可能にしてくれました。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

(お金のためだけでなく)プロサッカー選手になりたいと思っていましたが、才能はそれに向いていませんでした。海洋生物学者として、特にハワイのようなホットでエキサイティングな場所で、魚の行動やサンゴ礁の微妙なバランスを研究するキャリアなら完璧だったのではと思います。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

プラスチックから医薬品に至るまで、化学者は世界に多くの貢献をしていると思います。 私たちを取り巻く世界が変われば、それに伴う課題も変わってきます。また、地球温暖化防止のための新技術の開発やクリーンな電力の創出など、地球規模の課題を解決する(あるいは少なくとも解決に貢献する)ために、目標を変えることができる柔軟性が必要です。さらには、次世代の化学者たちが問題を解決し続け、化学の基礎的な理解を深めていくために、私たちは十分な知恵を持って指導し、励ましていかなければなりません。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

シェイクスピアです。彼の人生や多くの作品における彼のインスピレーションについては、実際にはほとんど知られていないので、それを理解できれば魅力的でしょう。彼の過ごした時代と同様に、作品の主題が今日の社会といかに関わっているか理解することは、彼にとっても魅力的だと確信しています。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

約2ヶ月前、私は研究室の新入生にアルミニウムメチル錯体の作り方を教えました。今でも新入生のための時間を確保するようにしていますが、別のプロジェクトで私自身がしばらく作業をしてから、約1年が経ってしまいました。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

レイ・ミアーズが極限状況でのサバイバル本を書いていたはずなので、それは重宝しそうですね! もう少し楽しい本であれば、ジョージ・オーウェルの「1984」がいいかもしれません。

音楽ならば、レディオヘッドの「The Bends」かザ・キラーズの「Sam’s Town」がいいかもしれません。

原文:Reactions –  Andrew Dove

※このインタビューは2009年3月27日に公開されました。

cosine

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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