[スポンサーリンク]

化学一般

「えれめんトランプ2.0」が発売された

[スポンサーリンク]

元素と素粒子の描かれたカードを使用してデュエル?するカードゲーム「えれめんトランプ」が2.0となって新発売されました。旧製品を生協で衝動買いした筆者が新製品を早速レビューしました。

えれめんトランプとは

えれめんトランプは洛星中学高等学校の田中 淳先生によって元素を楽しく学習するために考案されたもので、元素と素粒子一つ一つがカードになっています。原子番号だけでなく性質や種別なども記載されているため、取説に書かれている遊び方だけでなく、自分たちで遊び方を考えることができます。旧製品である「えれめんトランプ」は2011年に発売され、非常に好評でケムステでも以前紹介しました。

えれめんトランプ2.0レビュー

旧製品であるえれめんトランプ(以後1.0と省略)と比較してみました。まずパッケージですが、2.0ということと、カードが増えたことを大きくアピールするパッケージに変わっています。ちなみに私の1.0のパッケージは、研究室の窓際に保管していたので退色しています。

パッケージ:左が2.0で右が1.0

次にカードですが、基本的なデザインは変わっていません。しかし裏側のデザインは青から赤に変化しました。2.0のほうがよりトランプっぽい感じがします。1.0も2.0もカードは厚紙製なので、プラスチック製のように爪の間に入って痛い思いもしません。また、研究をさぼって1.0でたくさん遊びましたが、コーティングが施されているので未だに新品である2.0と同じ質感を保っています。

カード表:左が2.0で右が1.0

カード裏:左が2.0で右が1.0

取説のA面ではカードの解説とUNO的な遊びえれめんとを解説しています。帯の色が赤からオレンジに変わり、新しい素粒子カードを使った遊び方についても解説されています。

取説A面:上が2.0で下が1.0

取説のB面は、1.0では麻雀的なえれめんじゃんを紹介していましたが、2.0では大富豪的な元素富豪を紹介しています。もちろん2.0でもえれめんじゃんも遊ぶことができます。不毛なローカルルール論争が起きるかもしれない元素富豪も、オトナのお遊びができるかもしれないえれめんじゃんもエキサイトできると思います。

取説B面:上が2.0で下が1.0

2.0から新しく発見された元素といくつかの素粒子カードが追加されました。ヒッグスのカードは、とても印象的なデザインになっていてニホニウムに負けないインパクトがあります。2.0では白紙カードが一枚追加され、カードを紛失しても補充できます。あるいは新たな元素登録の際に、ユーザー自身でカードを追加することもできます。

左:ヒッグスカード 右:ニホニウムカード

担当者インタビュー

2.0発売に際して化学同人のKさんにインタビューを行いました。

えれめんトランプ2.0はどのような経緯で発売するに至ったのでしょうか。

『えれめんトランプ』は2011年に発売しましたが,翌2012年には新たに2つの元素名が決まりました(フレロビウムとリバモリウム).
第7周期の残り4つの元素も遠からず名前が決まると期待して,そのタイミングで『えれめんトランプ』を改訂したいと考えていました.

化学同人は文科省の『一家に1枚周期表』の制作実務を担当しています.113番元素の命名権が理化学研究所に与えられることが決まり,118番まですべての元素が揃った周期表改訂第10版を制作するべく,2016年秋から玉尾皓平先生や桜井弘先生,寺嶋孝仁先生と内容の見直し等,準備を進めてきました.『えれめんトランプ』の元素カードのイラストと解説は,この『一家に1枚周期表』と連動しています.この周期表改訂にあわせて,『えれめんトランプ』もリニューアルすることになりました.

えれめんトランプ1.0との大きな違いはどこにあるのでしょうか。

元素カードは,ニホニウムのカードも入って6枚増え,合計118枚になりました.
イラストと解説の文章は,今回改訂した『一家に1枚周期表(第10版)』のものにすべて差し替えています.
たとえば,環境に配慮するため蛍光灯に水銀が使われなくなったので,水銀のカードを蛍光灯のイラストから,(メッキの際に水銀が使われた)奈良の大仏に変更しています.

また,トヨタ自動車株式会社のプリウスがジスプロシウムのカードに載っていましたが,トヨタ自動車は「脱レアアース」を目指して研究開発を重ね,昨年12月にはジスプロシウムを使わないプリウスにモデルチェンをしました.したがって,2.0にプリウスの姿はありません.

一方,ここ数年ヒッグス粒子が話題になっています.今回はヒッグスを含めた「ボソンというグループの素粒子カードを新しく7枚追加しました.

もちろん,遊び方もリニューアルをしています.基本の遊び方「えれめんと」では,新しく追加した素粒子カードを使って,「同時出し」ができるようにしました.たとえば,ウィークボソンはクォークやニュートリノ,電子を結びつける役割をもつので,これらの素粒子カードと同時に出せます.残っていると「厄介な」素粒子カードを,より早く手札からなくすことができ,スピーディーにゲームが進められるようになりました.

どこへ行けば実物を見て購入できますでしょうか。

三省堂書店,ジュンク堂書店,丸善,紀伊國屋書店,大学生協,大垣書店など.
ほかに,東京の国立科学博物館や科学技術館,京都大学総合博物館などのショップでも購入できます.
書店・大学生協に向けて,見本展示や,遊び方冊子の配布を進めていくようにしたいと思います.

Webページの更新のご予定は?

更新したいのですが,なかなか時間がなくて,手が回っていません….
5月中を目処に,と思っていますが.
以下のことを進めていく予定です.

・スマホで遊び方を見られるようにする
・全カードデータをwebに掲載する
・遊び方を増やす(募集中です!)
ほかにも,要望がありましたら,検討したいと思いますので,ぜひお聞かせください.

このようにえれめんトランプ2.0は、無限の楽しさを持つカードゲームだと思います。煌びやかなレアカードや強力なモンスターカードは必要ありません。あなたの元素の知識が最大の武器になります。ぜひ皆さんも購入して研究室のメンバーや友達同士でデュエルしてみてはいかがでしょうか。

関連書籍

関連リンク

Zeolinite

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 【書籍】10分間ミステリー
  2. 蒲郡市生命の海科学館で化学しようよ
  3. 開催間近!ケムステも出るサイエンスアゴラ2013
  4. 【書籍】電気化学インピーダンス 数式と計算で理解する基礎理論
  5. sinceの使い方
  6. クリーンなラジカル反応で官能基化する
  7. 東レ先端材料シンポジウム2011に行ってきました
  8. 続・企業の研究を通して感じたこと

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. キース・ファニュー Keith Fagnou
  2. 安定な環状ケトンのC–C結合を組み替える
  3. 酢酸ビニル (vinyl acetate)
  4. 「芳香族共役ポリマーに学ぶ」ーブリストル大学Faul研より
  5. イオン性置換基を有するホスホール化合物の発光特性
  6. 科学カレンダー:学会情報に関するお役立ちサイト
  7. 第37回反応と合成の進歩シンポジウムに参加してきました。
  8. ビニルシクロプロパン転位 Vinylcyclopropane Rearrangement
  9. 「コミュニケーションスキル推し」のパラドックス?
  10. ケイ素半導体加工に使えるイガイな接着剤

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年5月
« 4月   6月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

注目情報

最新記事

エキノコックスにかかわる化学物質について

Tshozoです。40年以上前でしょうか、手塚治虫氏の有名な作品「ブラック・ジャック」でこう…

秋田英万 Akita Hidetaka

秋田 英万(あきた ひでたか)は、日本の有機化学者である。千葉大学薬学研究院および東北大学薬学研究院…

香料化学 – におい分子が作るかおりの世界

(さらに…)…

ギ酸ナトリウムでconPETを進化!

塩化アリールのラジカルカップリング反応が開発された。芳香環の電子状態にかかわらず種々の塩化アリールに…

料理と科学のおいしい出会い: 分子調理が食の常識を変える

(さらに…)…

シビれる(T T)アジリジン合成

電気化学的に不活性アルケンと一級アミンをカップリングさせることで、N-アルキルアジリジンが合成された…

mi3 企業研究者のためのMI入門③:避けて通れぬ大学数学!MIの道具として数学を使いこなすための参考書をご紹介

最近よく耳にするデジタル・トランスフォーメーション(DX)やマテリアルズ・インフォマティクス(MI)…

産総研より刺激に応じて自在に剥がせるプライマーが開発される

産業技術総合研究所機能化学研究部門スマート材料グループ 相沢 美帆 研究員は、刺激を加える前には接着…

マイクロ波の技術メリット・事業メリットをお伝えします!/マイクロ波化学(株)10月度ウェビナー

10月は当社(マイクロ波化学)の技術あるいは当社の事業に興味がある方、それぞれをテーマにしたウェビナ…

宮田完ニ郎 Miyata Kanjiro

宮田 完ニ郎 (みやた かんじろう) は、日本の有機化学者である。東京大学大学院工学系研究科マテリア…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP