[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

ここまで進んだ次世代医薬品―ちょっと未来の薬の科学

内容

医療が発達した21世紀。こんな現代において、創薬研究者はいったいどのような薬を開発しているのだろうか?副作用の起こりにくい抗ガン剤、薬がなかったアルツハイマー型認知症の治療薬、難病や不治の病…。そんな“一段上のレベル”の難しい分野へと、創薬の主戦場は移りつつある。次世代医薬品の研究は、航空宇宙産業と並んで“知の集大成”といわれ、世界の中でもごく限られた国でしか生み出すことのできない、特殊な産業である。創薬研究者たちは、あの手この手を用いながら、数々の難病と日夜闘っている。本書は、そんな彼らの活躍ぶりを伝えていく。

対象

次世代医薬品、製薬業界の研究潮流、薬学先端研究についての興味をもつ方。
薬学系学部以上の知識をお持ちであれば、理解はかなり容易だと思います。

解説

かつて全盛を誇った低分子医薬は鳴りを潜め、昨今はバイオ医薬品の台頭が著しい。実際に売り上げトップ10の大半を占めるまでになっているほどである。2011年刊行の本書はまさに今、現在進行形であるその内実に焦点を当てて解説している。

特に最近の一大潮流である抗体医薬に関しては、かなりのページを割いて解説され、その発展系である最先端医薬品・抗体-薬物複合体(ADC)についても簡潔に触れられている。その他核酸医薬や次世代ワクチンなど、数々のマイルストーン医薬にも解説があり、非専門家にも大変分かりやすく系統立てて執筆されている。

最近の創薬研究潮流を素早く大づかみするには大変有効だと思える。筆者自身も授業の組み立ての参考になればと手に取った経緯があり、実際非常に役に立ってくれた。

関連書籍

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. Name Reactions: A Collection of …
  2. トップ・ドラッグ―その合成ルートをさぐる
  3. 化学産業を担う人々のための実践的研究開発と企業戦略
  4. 最新 創薬化学 ~探索研究から開発まで~
  5. 有機化合物のスペクトルによる同定法―MS,IR,NMRの併用 (…
  6. 「えれめんトランプ2.0」が発売された
  7. 生物活性分子のケミカルバイオロジー
  8. クロスカップリング反応関連書籍

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. ピナコールカップリング Pinacol Coupling
  2. ここまでできる!?「DNA折り紙」の最先端 ② ~巨大な平面構造体 編~
  3. 中学入試における化学を調べてみた 2013
  4. ステファン・バックワルド Stephen L. Buchwald
  5. 第95回日本化学会付設展示会ケムステキャンペーン!Part I
  6. 米ファイザー、感染予防薬のバイキュロンを買収
  7. 芳香族カルボン酸をHAT触媒に応用する
  8. 武田薬品、高血圧治療剤が米で心不全の効能追加
  9. 私が思う化学史上最大の成果-2
  10. ファンケル、「ツイントース」がイソフラボンの生理活性を高める働きなどと発表

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

鉄カルベン活性種を用いるsp3 C-Hアルキル化

2017年、イリノイ大学 M. Christina Whiteらは鉄フタロシアニン触媒から生成するメ…

「生合成に基づいた網羅的な天然物全合成」—カリフォルニア大学バークレー校・Sarpong研より

「ケムステ海外研究記」の第19回目は、向井健さんにお願いしました。向井さんはカリフォルニア大…

研究者向けプロフィールサービス徹底比較!

研究者にとって、業績を適切に管理しアピールすることは重要です。以前にも少し触れましたが、科研費の審査…

天然有機化合物の全合成:独創的なものづくりの反応と戦略

概要生物活性天然有機化合物(天然物)は生命の40億年にわたる進化によって選択された高機能分子…

細菌を取り巻く生体ポリマーの意外な化学修飾

地球上に最もたくさんある有機化合物は何でしょう?それは、野菜や果物、紙、Tシャツ、木材、etc…身の…

有機分子触媒ーChemical Times特集より

関東化学が発行する化学情報誌「ケミカルタイムズ」。年4回発行のこの無料雑誌の紹介をしています。…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP