[スポンサーリンク]

化学地球儀

韮山反射炉

[スポンサーリンク]

韮山反射炉は静岡県伊豆の国市にある反射炉の史跡。1857年に完成したもので国指定の史跡(史跡名勝記念物)。

 

 

マップ

その他の化学地球儀はこちらからどうぞ

マップ上部の白い四角の部分をクリックしても大きな化学地球儀が表示されます。

 

解説

 

1840年代の西洋列強の脅威に対抗するための軍事力強化の一環により、洋式の大砲建造に必要な(鉄鋼)を生産する必要がありました。元は伊豆下田に建設予定でしたがペリーの来航の影響で建設地が韮山に変更されました。

反射炉では、金属の精錬を行う炉床が熱を発生させる燃焼室と分かれており、燃焼室で発生した熱は壁や天井などで反射して炉床を集中的に加熱できることが特徴です。

韮山反射炉は実際に鉄の精錬に使用され大砲の鋳造も行われました。炉体の内側は伊豆天城産出の土で焼かれた耐火煉瓦、外側は伊豆石(緑色凝灰岩質石材)で作られるなど、地元の資源が活用されています。

当時いくつかの反射炉が各地に設計、建造されましたが実用化された炉で現存しているのは韮山反射炉のみとなっています。しかし韮山反射炉も内部の機械などは既になく、本体のみが保存されているのみです。写真では鉄骨の骨組みが外側にありますが、これは1980年代の保存修理で取り付けられたもので、上述の通り元は石製です。

 

2015年5月4日ユネスコの諮問機関であるICOMOSは韮山反射炉を含む一連の産業革命遺産について世界遺産に登録することがふさわしいという勧告を通知しました。これから世界文化遺産に登録されることが期待されます。

 

 

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4905300169″ locale=”JP” title=”しずおかの文化新書17 幕末の産業革命 韮山反射炉〜伊豆韮山代官 江川太郎左衛門の挑戦〜 (しずおかの文化新書 17 地域をめぐる知の冒険)”] [amazonjs asin=”4754101383″ locale=”JP” title=”江川太郎佐衛門の生涯―日本の国防に一生を捧げた韮山代官”] [amazonjs asin=”4812499372″ locale=”JP” title=”今すぐ行きたい! 産業遺産”] [amazonjs asin=”4588207717″ locale=”JP” title=”反射炉〈1〉―大砲をめぐる社会史 (ものと人間の文化史)”]

 

関連リンク

 

Avatar photo

ペリプラノン

投稿者の記事一覧

有機合成化学が専門。主に天然物化学、ケミカルバイオロジーについて書いていきたいと思います。

関連記事

  1. ノーベル街道起点
  2. 金沢ふるさと偉人館
  3. 多摩霊園
  4. 第12回化学遺産認定~新たに3件を認定しました~
  5. 【温泉を化学する】下呂温泉博物館に行ってきた
  6. たばこと塩の博物館
  7. フライデーハーバー研究所
  8. フィリピン海溝

注目情報

ピックアップ記事

  1. 積水化学、高容量電池の火炎防ぐ樹脂繊維複合材を開発
  2. テトラサイクリン類の全合成
  3. メリフィールド ペプチド固相合成法 Merrifield Solid-Phase Peptide Synthesis
  4. 性フェロモン感じる遺伝子、ガで初発見…京大グループ
  5. 第25回 溶媒の要らない固体中の化学変換 – Len MacGillivray教授
  6. 吉野彰氏が2021年10月度「私の履歴書」を連載。
  7. ウルマンエーテル合成 Ullmann Ether Synthesis
  8. NECら、データセンターの空調消費電力を半減できる新冷媒採用システムを開発
  9. 構造化学の研究を先導する100万件のビッグデータ
  10. アメリカで Ph. D. を取る –研究室に訪問するの巻–

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年5月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

細谷 昌弘 Masahiro HOSOYA

細谷 昌弘(ほそや まさひろ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の創薬科学者である。塩野義製薬株式…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP