[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ジェニファー・ダウドナ Jennifer Doudna

ジェニファー・アン・ダウドナ(Jennifer Anne Doudna, 196x年xx月xx日-)は、アメリカの生化学者である。カリフォルニア大学バークレー校教授。

 

経歴

1985 ポモーナ大学(Pomona College) 卒業
1989 ハーバード大学博士号取得(Jack W. Szostak教授)
1989 マサチューセッツジェネラル・ホスピタル・ハーバード・メディカルスクール博士研究員(Jack W. Szostak教授)
1991 コロラド大学博士研究員(Lucille P. Markey Scholar)(Thomas R. Cech教授)
1994 エール大学教授(Henry Ford II Professor)
1997 ハワード・ヒューズ研究員
2003 ローレンスバークレー国立研究所研究員
2003 カリフォルニア大学バークレー校教授

 

受賞歴

1996 A Searle Scholar
1996 Beckman Young Investigators Award
1999 NAS Award for Initiatives in Research
2000 Alan T. Waterman Award
2002 Elected to the National Academy of Sciences
2010 Elected to the Institute of Medicine
2014 Lurie Prize in Biomedical Sciences from the Foundation for the National Institutes of Health
2014 Dr. Paul Janssen Award for Biomedical Research and Breakthrough Prize in Life Sciences, (Emmanuelle Charpentierと共同受賞)
2015 Named one of Time Magazine’s 100 most influential people in the world (Emmanuelle Charpentierと共同受賞)
2015 Princess of Asturias Awards(Emmanuelle Charpentierと共同受賞)
2015 Gruber Prize in Genetics(Emmanuelle Charpentierと共同受賞)

 

研究業績

ゲノム編集ツールCRISPR/Cas9の開発

2012年、シャルパンティエと共同で、ゲノム編集技術CISPR/Cas9を開発[1]。ZFN (Zinc Finger Nuclease、ジンクフィンガーヌクレアーゼ)、TALEN (ターレン、Transcription Activator-Like Effector Nuclease)に続く第三世代のゲノム情報の書き換え技術(任意のDNA塩基配列を改変する)として注目され、現在爆発的に普及している。

CRISPRとは(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)の略であり、1987年に大阪大学の中田篤男名誉教授、石野良純教授(現九州大学教授)らにより大腸菌のDNAを調べている際に、発見された繰り返し配列である[2]。この配列は、原核生物における一種の獲得免疫系として働く座位として知られていたが、その詳しい役割については知られていなかった。

ダウドナとシャルパンティエのチームはCas9 (CRISPR associated protein 9)と呼ばれるタンパク質に注目した。Casにより外来したDNAはCRISPER領域に取り込まれ、「ガイド鎖RNA」と呼ばれるRNAと複合体を形成し、ガイド鎖RNAと相補的な2本鎖DNAを切断することを発見した。すなわち、

  1.  ガイド鎖RNAが相補的なDNAと2重らせんを形成し、2本鎖DNAをほどく
  2. Cas9はほどかれた2本のDNA鎖を切断する
  3. ゲノムDNA中の切断部位が修復される過程でDNAの塩基配列に変異が起こるとゲノム情報が書き換えられる

といった仕組みである。様々なガイド鎖RNAを用いることで、DNAの任意の場所を切断することができる。既にこの手法を改良した研究や、利用した研究が多数報告され、一躍ノーベル賞受賞対象の研究となっている[3]。

 

2015-09-27_22-55-43

CRISPR-Cas9 (出典:文献[2]より)

名言集

 

コメント&その他

 

関連動画

 

関連文献

  1. Jinek, M.; Chylinski, K.; Fonfara, I.; Hauer, M.; Doudna, J. A.; Charpentier, E.; Science 2012, 337, 816. DOI: 10.1126/science.1225829
  2. Ishino, Y.; Shinagawa, H.; Makino, K.; Amemura, M.; Nakata, A.;J. Bacteriol. 1987, 169, 5429.
  3. Review: Doudna, J. A.; Charpentier, E.;Science 2014346, 6213. DOI: 10.1126/science.1258096

 

関連書籍

 

外部リンク

 

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 澤本 光男 Mitsuo Sawamoto
  2. ロイ・ペリアナ Roy A. Periana
  3. ロバート・メリフィールド Robert B. Merrifiel…
  4. ジョアンナ・アイゼンバーグ Joanna Aizenberg
  5. エリック・ソレンセン Eric J. Sorensen
  6. 有機合成化学特別賞―受賞者一覧
  7. 平田義正メモリアルレクチャー賞(平田賞)
  8. アーサー・C・コープ賞・受賞者一覧

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 書物から学ぶ有機化学4
  2. ノーベル賞いろいろ
  3. 希少金属
  4. トシルヒドラゾンとボロン酸の還元的カップリング反応とその応用展開
  5. 総収率57%! 超効率的なタミフルの全合成
  6. クレアチン creatine 
  7. なれない人たちの言い訳(?)-研究者版-
  8. 鉄の新たな可能性!?鉄を用いたWacker型酸化
  9. 日本人化学者による卓越した化学研究
  10. 可視光照射でトリメチルロックを駆動する

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

特定の刺激でタンパク質放出速度を制御できるスマート超分子ヒドロゲルの開発

第134回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院 工学研究科 合成·生物化学専攻 浜地研究室の重…

有機合成化学協会誌2018年1月号:光学活性イミダゾリジン含有ピンサー金属錯体・直截カルコゲン化・インジウム触媒・曲面π構造・タンパク質チオエステル合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2018年1月号が昨日オンライン公開されました。…

アミン化合物をワンポットで簡便に合成 -新規還元的アミノ化触媒-:関東化学

アミン化合物は医薬品、農薬などの生理活性物質をはじめ、ポリマーなどの工業材料に至るまで様々な化学物質…

独自の有機不斉触媒反応を用いた (—)-himalensine Aの全合成

近年単離されたアルカロイド(—)-himalensine Aの全合成に初めて成功した。独自開発した二…

究極の脱水溶媒 Super2(スーパー スクエア):関東化学

この度、関東化学株式会社は水分1ppm以下を保証する脱水溶媒を発売開始致します。この水分保証…

徒然なるままにセンター試験を解いてみた(2018年版)

今年もセンター試験が終わりました。大雪の問題など気象的に厳しかったかも知れませんが、受験生の皆さ…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP