[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

池田 菊苗 Kikunae Ikeda

[スポンサーリンク]

 

池田菊苗 (いけだ きくなえ、1864年10月6日-1936年5月3日)は、日本の化学者である。帝国大学理科大学(現在の東京大学) 教授(写真:Chem. Asian. J.)。

経歴

1889 東京帝国大学理科大学化学科 卒業 (櫻井錠二 教授)
1891-1896 東京高等師範学校 教授
1896 東京帝国大学 助教授
1899-1901 ドイツ留学 (F. W. Ostwald教授)
1901 東京帝国大学理科大学 教授
1902 理学博士
1913 日本化学会 会長
1923 東京帝国大学 退職
1925-31 ドイツ ライプチヒにて研究を行う
1931 品川に戻り、研究を継続

1936年5月3日 没。

 

受賞歴

 

研究概要

うま味成分・グルタミン酸の発見

1907年に昆布の出汁からグルタミン酸ナトリウムを単離。アリストテレスの時代から知られる4つの味(甘味、酸味、苦味、塩味)とは違う味覚成分であることを突き止め、これを「うま味」と名付けた。今日では”umami”は世界に通じる単語となっている。のちにこの旨味成分は大量生産により商業化され、それによりできた会社が現在の味の素株式会社である。

Kikunae_Ikeda_2.gifほか、日本国内への物理化学の導入に大きく貢献した。

 

コメント&その他

1. ドイツ留学後にロンドンに一時滞在し、夏目漱石と同じ下宿に暮らす。この出会いは彼の文学論に大きな影響を与えた。
2. 池田が単離した”具留多味酸”の資料は日本化学会によって、歴史的に重要な化学遺産に指定されている。
3. うま味の発見は、日本の十大発明の一つとされている。

 

名言集

 

関連動画

 

関連文献

[1] Nakamura, E. Chem. Asian. J. 2011, DOI: 10.1002/asia.201000899

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4807912607″ locale=”JP” title=”化学者池田菊苗―漱石・旨味・ドイツ (科学のとびら)”][amazonjs asin=”B009M8U236″ locale=”JP” title=”「味の素」発明の動機”][amazonjs asin=”4569795994″ locale=”JP” title=”「うま味」を発見した男”][amazonjs asin=”B00J4RM2KG” locale=”JP” title=”「うま味」を発見した男 ─ 小説・池田菊苗 (電子書籍)”]

外部リンク

 

Avatar photo

Green

投稿者の記事一覧

静岡で化学を教えています。よろしくお願いします。

関連記事

  1. 向山 光昭 Teruaki Mukaiyama
  2. 焦宁 Ning Jiao
  3. ディーン・タンティロ Dean J. Tantillo
  4. バリー・シャープレス Karl Barry Sharpless
  5. マーティン・バーク Martin D. Burke
  6. ジャン=ピエール・ソヴァージュ Jean-Pierre Sauv…
  7. マイケル・クリシェー Michael J. Krische
  8. リチャード・ヘンダーソン Richard Henderson 

注目情報

ピックアップ記事

  1. プリーストリーメダル・受賞者一覧
  2. キラルシリカを“微小らせん石英セル”として利用した円偏光発光制御技術の開発
  3. 留学せずに英語をマスターできるかやってみた(4年目)
  4. 【3月開催】第六回 マツモトファインケミカル技術セミナー 有機金属化合物「オルガチックス」の架橋剤としての利用-有機溶剤系での利用-
  5. 炭素ボールに穴、水素入れ閉じ込め 「分子手術」成功
  6. 自己組織化ホスト内包接による水中での最小ヌクレオチド二重鎖の形成
  7. 単分子レベルでの金属―分子接合界面構造の解明
  8. 【速報】2015年ノーベル化学賞は「DNA修復機構の解明」に!
  9. 窒素固定をめぐって-1
  10. 細菌ゲノム、完全合成 米チーム「人工生命」に前進

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP