[スポンサーリンク]

ケムステニュース

2008年10大化学ニュース

[スポンサーリンク]

 
2009年始まりました!明けましておめでとうございます!今年はどんな年になるでしょうか?経済的には昨年は今までになく悲惨な状況になり、USDをたくさん所有している筆者にとっても財産が目減りした年でした(苦笑)。いまさらですが、昨年の化学について、すこし独断と偏見で振り返ってみましょう。10大ニュースとありますが、10個あるわけでもありません。

iPS細胞研究支援に新年度30億円以上投入?

yamanaka.jpg 山中伸弥

京都大学発で発見者の山中教授を中心に研究されたiPS細胞。今年のサイエンス分野の注目度No.1とされました。ハーバードでは州が10年間で1000億円投入や、カリフォルニア州でも3000億円投入予定だとか報じられました。来年もまだまだこの勢いは続きそうですね。国をかけたこの大プロジェクトどのように収まるかが見物です。

鉄を含む新たな超電導物質発見

 

chodendo.png
銅酸化物系1993年に高圧下という条件で絶対温度約160度に達した!
ここから約15年、超電導の研究は長い壁に長い壁にぶちあたっています。同種のものではこれ以上の温度では超電導が得られないのです。
一方2008年に東工大の細野教授らは鉄系酸化物を用いて超伝導転移温度が絶対温度43度まで上昇す ることを見出しました。この転移温度は、銅酸化物系超伝導体以外では最高です。まだまだ改良の余地がみられますが、これを機に高温超電導フィーバー”再来なるか??

三菱化学生命科学研究所が解散決定

mitsubishi.png

生命科学研究で40年近い歴史を持つ三菱化学生命科学研究所が、2010年3月末で解散することが決まりました。基礎研究所がどんどんなくなっていく時代。お金がかかるのは間違いないです。ただ、極論かもしれないですが研究=利益の追求である。でよいのでしょうか。我々は基礎研究を重視する、いや軽視しない企業を応援したいです。

ユビキタスなC-H結合を官能基化!

C-Hbondactivation.jpg

今年のアカデミック、とくに有機化学の反応開発の分野での最も熱いトピックは「C-H結合の活性化反応」でした。炭素を主骨格とする有機分子のC-H結合を”活性化”して、そこに官能基を直接導入できれば、まさに分子模型をつくるような理想的な合成ができるわけです。ただし、どこまで不活性なC-H結合を”活性化”できているかというのはまだまだで、純粋なC-H結合の官能基化には2桁以上の反応レベルでの発展が望まれています。というわけで、今年もまだまだ続きそうです!

PartIIに続きます!!

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. AIが作った香水、ブラジルで発売
  2. 旭化成ファーマ、北海道に「コエンザイムQ10」の生産拠点を新設
  3. Pfizer JAK阻害薬tofacitinib承認勧告
  4. 国際シンポジウム;創薬・天然物―有機合成化学の展望―
  5. 三井化学が進める異業種との協業
  6. 武田薬品工業、米バイオベンチャー買収へ 280億円で
  7. 半導体で水から水素 クリーンエネルギーに利用
  8. 2021年化学企業トップの年頭所感を読み解く

注目情報

ピックアップ記事

  1. 科学は探究心を与え続けてくれるもの:2016 ロレアル–ユネスコ女性科学者 日本奨励賞
  2. ティム・スワガー Timothy M. Swager
  3. 春の褒章2010-林民生教授紫綬褒章
  4. NHC銅錯体の塩基を使わない直接的合成
  5. 無水酢酸は麻薬の原料?
  6. 島津製作所 創業記念資料館
  7. シリカゲルはメタノールに溶けるのか?
  8. ポンコツ博士の海外奮闘録② 〜博士,鉄パイプを切断す〜
  9. フタロシアニン phthalocyanine
  10. ケムステ海外研究記 まとめ【地域別/目的別】

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP