[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり⑤:ショットノートの巻

[スポンサーリンク]

メモのデジタル化、最近静かな流行ですね。EvernoteとiPadの存在が後押ししているのは間違いないところでしょう。

とはいえ、手書きメモを毎回スキャンするのって、面倒なんですよね。Scansnapなどを使えば簡単にはできるんですが、一枚だけわざわざスキャンするのは正直言って手間そのものです。

そんなことに悩んでいた折に、キングジム社(前回紹介したブギーボードの発売元)から、またもや魅力的な製品が登場しました!

その名も「ショットノート」。一言でいえば、iPhoneでメモをカメラ撮影するだけで、整形・OCR・Evernote投稿までを全てやってくれるアイデア商品なのです!

こりゃ面白そうだわい、というわけで実際に使ってみました。


まずはノートを購入しないと始まらない。S(iPhoneサイズ)、M(A6サイズ)、L(A5サイズ)の三種類があります。

モノとしては上質紙にグリッドが印刷されてるだけの、メモノートそのものです。四隅にマーカーが印刷されているのが普通と違う点で、これがiPhoneの認識部位になっています。専用のアプリをiPhoneで起動し、四隅を上手く合わせ、カメラ撮影!すると台形補正+自動トリミングを自動でしてくれます。OCRが自動でかかり、内容の文字検索が可能になります。もちろんイマドキのアイテムですから、メール添付送信やEvernote投稿にも完全対応!

試しにひとつ撮ってみましたが、撮影時の光加減が難しく、撮影場所を選ぶかんじかも。何回でも取り直しできるんで、そこはまぁ仕方ないとこと考えるべきなのか。

shotnote_sample.jpgひとつの難点は、ノート本体の価格でしょうか。
アプリ自体は無料なのですが、ノートがA5サイズで一冊600円もします。ロディア製ブロックメモなどの対抗馬として見るなら相応のお値段なのでしょうが、気軽に書きまくり捨てまくりには厳しい感じですね。また最大サイズがA5というのも。持ち運び重視なんでしょうが、もっと大きなA4サイズがあれば使える幅も広がるかも・・・と思うのは筆者だけではないでしょう。

「・・・はてそれならば、台紙を拡大/縮小コピーして使うとどうなるのだ? 原理的には全く問題ないような・・・」

おっとと、商品のアイデンティティをぶち壊してしまうような、なんとも言えないアイデア思い浮かんでしまいました。思い浮かんでしまったものは仕方が無い、実験してみるしかない。さてさて結果はいかに・・・。

・・・大丈夫だ、問題ない!

しかし世の中上には上がいることを後に思い知ることになります。なんと台紙を自らカスタマイズしている強者が多数いらっしゃる(こことかこことかこことかこことかこことか)。

さらに凄いことに、Shot Note台紙の自動出力サイトまでもが既に公開されている!!

となれば、自作台紙を多数印刷して束ねて手製のメモ帳にしたてあげれば、そもそも高価な純正ノートを買わずして事足りてしまうということ。

・・・そんな仕様で大丈夫か!?

まぁ、現実は売れに売れてるという話ですから、ビジネスとしてはちゃんと成り立っているようです。一安心ですね(?)。

気になる人は是非一度、お試しあれ。これはなかなか面白いですよ。

 

関連動画

関連リンク

<他のレビュー記事>

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. クロスカップリングの研究年表
  2. 誤解してない? 電子の軌道は”軌道”では…
  3. 「触媒的オリゴマー化」によるポリピロロインドリン類の全合成
  4. MEDCHEM NEWS 31-3号「ケムステ代表寄稿記事」
  5. 触媒なの? ?自殺する酵素?
  6. メルクがケムステVシンポに協賛しました
  7. 「社会との関係を見直せ」とはどういうことか
  8. Carl Boschの人生 その2

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. Carl Boschの人生 その1
  2. 使っては・合成してはイケナイ化合物 |第3回「有機合成実験テクニック」(リケラボコラボレーション)
  3. 静岡大准教授が麻薬所持容疑で逮捕
  4. SPring-8って何?(初級編)
  5. 「イカ」 と合成高分子の複合により耐破壊性ハイドロゲルを開発!
  6. アルカロイドの科学 生物活性を生みだす物質の探索から創薬の実際まで
  7. ハニートラップに対抗する薬が発見される?
  8. 最近の有機化学注目論文3
  9. 文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり⑨:トラックボールの巻
  10. 新しい2-エキソメチレン型擬複合糖質を開発 ~触媒的な合成法確立と生物活性分子としての有用性の実証に成功~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

十全化学株式会社ってどんな会社?

私たち十全化学は、医薬品の有効成分である原薬及び重要中間体の製造受託を担っている…

化学者と不妊治療

これは理系の夫視点で書いた、私たち夫婦の不妊治療の体験談です。ケムステ読者で不妊に悩まれている方の参…

リボフラビンを活用した光触媒製品の開発

ビタミン系光触媒ジェンタミン®は、リボフラビン(ビタミンB2)を活用した光触媒で…

紅麹を含むサプリメントで重篤な健康被害、原因物質の特定急ぐ

健康食品 (機能性表示食品) に関する重大ニュースが報じられました。血中コレステ…

ユシロ化学工業ってどんな会社?

1944年の創業から培った技術力と信頼で、こっそりセカイを変える化学屋さん。ユシロ化学の事業内容…

日本薬学会第144年会付設展示会ケムステキャンペーン

日本化学会の年会も終わりましたね。付設展示会キャンペーンもケムステイブニングミキ…

ペプチドのN末端でのピンポイント二重修飾反応を開発!

第 605回のスポットライトリサーチは、中央大学大学院 理工学研究科 応用化学専…

材料・製品開発組織における科学的考察の風土のつくりかた ー マテリアルズ・インフォマティクスを活用し最大限の成果を得るための筋の良いテーマとは ー

開催日:2024/03/27 申込みはこちら■開催概要材料開発を取り巻く競争や環境が激し…

石谷教授最終講義「人工光合成を目指して」を聴講してみた

bergです。この度は2024年3月9日(土)に東京工業大学 大岡山キャンパスにて開催された石谷教授…

リガンド効率 Ligand Efficiency

リガンド効率 (Ligand Efficacy: LE) またはリガンド効率指数…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP