[スポンサーリンク]

K

コルベ電解反応 Kolbe Electrolysis

[スポンサーリンク]

概要

電解条件下、脂肪族カルボン酸の酸化的脱炭酸を伴いつつ二量化を進行させる手法。

基本文献

Review

開発の歴史

ドイツの化学者 Adolph Wilhelm Hermann Kolbeによって開発された。

画像引用:Wikipedia

 

反応機構

カルボン酸アニオンが陽極で1電子酸化を受け、その後脱炭酸を経ることで炭素ラジカルを生じる。これが二量化を起こすことで生成物が得られる。陰極では水(プロトン)が電子受容体となり、水素を放出する。

反応例

交差Kolbe反応:多くの場合、一方のカルボン酸を過剰に入れておく必要がある。以下は一例[1]。

固相担持塩基を用いるKolbe反応[2,3]:多くの3級アミン塩基は電極酸化を受けるが、固相担持されたものは電解条件に不活性となる。この特性を活かしたKolbe電解が開発されている。

多重結合への付加を介する交差Kolbe反応:分子内の適切な位置に二重結合がある場合、生じた炭素ラジカルが共役付加する形でC-C結合形成が進行する。電子不足オレフィンであると収率は向上する。以下は一例[4]。

 

参考文献

  1. Behr, S.; Hegemann, K.; Schimanski, H.; Fröhlich, R.; Haufe, G. Eur. J. Org. Chem. 2004, 3884. doi:10.1002/ejoc.200400219
  2. Kurihara, H.; Fuchigami, T.; Tajima, T. J. Org. Chem. 2008, 73, 6888. DOI: 10.1021/jo801016f
  3. Kurihara, H.; Tajima, T.; Fuchigami, T. Electrochemistry 2006, 74, 615. doi:10.5796/electrochemistry.74.615
  4. Becking, L.; Schäfer, H. J. Tetrahedron Lett. 1988, 29, 2797. doi:10.1016/0040-4039(88)85212-2

関連書籍

外部リンク

cosine

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. マルコフニコフ則 Markovnikov’s Rul…
  2. グレーサー反応 Glaser Reaction
  3. 福山アミン合成 Fukuyama Amine Synthesis…
  4. 還元的脱硫反応 Reductive Desulfurizatio…
  5. ロビンソン環形成反応 Robinson Annulation
  6. メーヤワイン試薬 Meerwein Reagent
  7. ヨードラクトン化反応 Iodolactonization
  8. クライゼン転位 Claisen Rearrangement

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 米デュポン、原料高騰で製品値上げ
  2. 核酸医薬の物語3「核酸アプタマーとデコイ核酸」
  3. 新規作用機序の不眠症治療薬ベルソムラを発売-MSD
  4. 単純なアリルアミンから複雑なアリルアミンをつくる
  5. HACCP制度化と食品安全マネジメントシステムーChemical Times特集より
  6. 抗アレルギー薬「アレジオン」の販売、BIに一本化
  7. 芳香環メタ位を触媒のチカラで狙い撃ち
  8. ベンジャミン・フランクリンメダル―受賞化学者一覧
  9. ハンスディーカー反応 Hunsdiecker Reaction
  10. ニンニクの主要成分を人工的につくる

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年5月
« 4月   6月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

注目情報

最新記事

がん治療用の放射性物質、国内で10年ぶり製造へ…輸入頼みから脱却

政府は、がんの治療や臓器の検査をする医療用の放射性物質の国内製造を近く再開する。およそ10年ぶりとな…

三洋化成の新分野への挑戦

三洋化成と長瀬産業は、AI 技術を応用した人工嗅覚で匂いを識別する「匂いセンサー」について共同で事業…

ケムステSlack、開設二周年!

Chem-Stationが立ち上げた化学系オープンコミュニティ、ケムステSlackを開設して早くも二…

過酸がC–H結合を切ってメチル基を提供する

光増感剤とニッケル触媒を用いたC(sp3)–Hメチル化が開発された。合成終盤でのメチル化に威力を発揮…

化学の祭典!国際化学オリンピック ”53rd IChO 2021 Japan” 開幕!

2021年7月「オリンピック/パラリンピック 東京2020大会」も無観客ではあるものの無事開幕されま…

O-脱メチル化・脱アルキル化剤 基礎編

メトキシ基→ヒドロキシ基への変換、割と苦戦しますよね。保護基と呼ぶには利便性が数歩足…

マイクロ波化学のカーボンニュートラルや循環型社会におけるアプリケーションや事業状況

当社のマイクロ波プラットフォーム技術および工業化知見を活用し、アクリル樹脂の分解に必要なエネルギーを…

NMRデータ処理にもサブスクの波? 新たなNMRデータ処理ソフトウェアが登場

NMRメーカーである日本電子のイギリス法人、JEOL UKが6月、WindowsとmacOSの両方で…

芳香環交換反応を利用したスルフィド合成法の開発: 悪臭問題に解決策

第 326回のスポットライトリサーチは、早稲田大学理工学術院 山口潤一郎研究室 …

ゼナン・バオ Zhenan Bao

ゼナン(Zhenan Bao, 1970年xx月xx日-)は、アメリカの有機材料科学者、カーボンナノ…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP