[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」④

[スポンサーリンク]

 

「極限からの一手」コーナーでは筆者の独断と偏見に基づき、全合成における優れた問題解決とその発想を紹介してみたいと思います。困難に直面した全合成化学者がいかにして創造的発想からの解決に至ったか、それを追体験できるようなクイズ形式にしています。

第4回は、北海道大学の宮下正昭・谷野圭持らによるNorzoanthamineの全合成(2004)を紹介したいと思います。

(※過去の問題はこちら:

 以下に示すアルキンBの形成では、ジヒドロピラン体Cの副生が問題となって、収率の低下を招いていた。各種条件検討では解決が難しいと判断され、基質構造の修正から収率の向上が図られた。最終的に、基質Aに適切な重水素化を施すことよって、収率の劇的な向上が達成された。
以下に鍵反応を含めた合成スキームを示す。副反応の反応機構および重水素試薬の入手性を加味しながら、鍵反応の収率向上が期待できるように、基質Aの重水素化体をデザインせよ。

next_move_4q_1

解答はこちら

 

関連書籍

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 分子研オープンキャンパス2023(大学院説明会・体験入学説明会)…
  2. 【9月開催】マイクロ波化学のQ&A付きセミナー
  3. Happy Friday?
  4. 化学者のためのエレクトロニクス講座~無電解卑金属めっきの各論編~…
  5. 医薬品への新しい合成ルートの開拓 〜協働的な触媒作用を活用〜
  6. スルホンアミドからスルホンアミドを合成する
  7. 光触媒ラジカル付加を鍵とするスポンギアンジテルペン型天然物の全合…
  8. 触媒のチカラで不可能を可能に?二連続不斉四級炭素構築法の開発

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 金属スカベンジャーを試してみた
  2. 京大北川教授と名古屋大学松田教授のグループが”Air Liquide Essential Molecules Challenge”にて入賞
  3. 茅幸二、鈴木昭憲、田中郁三ら文化功労者に
  4. オゾンホールのさらなる縮小を確認 – アメリカ海洋大気庁発表
  5. 三菱化学が有機太陽電池事業に参入
  6. マテリアルズ・インフォマティクスの推進成功事例 -なぜあの企業は最短でMI推進を成功させたのか?-
  7. 化学研究ライフハック:縦置きマルチディスプレイに挑戦!
  8. Kindle Paperwhiteで自炊教科書を読んでみた
  9. 銀ジャケを狂わせた材料 ~タイヤからの意外な犯人~
  10. ケテンジチオアセタール化による一炭素増炭反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年4月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

超塩基に匹敵する強塩基性をもつチタン酸バリウム酸窒化物の合成

第604回のスポットライトリサーチは、東京工業大学 元素戦略MDX研究センターの宮﨑 雅義(みやざぎ…

ニキビ治療薬の成分が発がん性物質に変化?検査会社が注意喚起

2024年3月7日、ブルームバーグ・ニュース及び Yahoo! ニュースに以下の…

ガラスのように透明で曲げられるエアロゲル ―高性能透明断熱材として期待―

第603回のスポットライトリサーチは、ティエムファクトリ株式会社の上岡 良太(うえおか りょうた)さ…

有機合成化学協会誌2024年3月号:遠隔位電子チューニング・含窒素芳香族化合物・ジベンゾクリセン・ロタキサン・近赤外光材料

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年3月号がオンライン公開されています。…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part3

日本化学会年会の付設展示会に出展する企業とのコラボです。第一弾・第二弾につづいて…

ペロブスカイト太陽電池の学理と技術: カーボンニュートラルを担う国産グリーンテクノロジー (CSJカレントレビュー: 48)

(さらに…)…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part2

前回の第一弾に続いて第二弾。日本化学会年会の付設展示会に出展する企業との…

CIPイノベーション共創プログラム「世界に躍進する創薬・バイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第104春季年会(2024)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「世界に躍進…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part1

今年も始まりました日本化学会春季年会。対面で復活して2年めですね。今年は…

マテリアルズ・インフォマティクスの推進成功事例 -なぜあの企業は最短でMI推進を成功させたのか?-

開催日:2024/03/21 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP