[スポンサーリンク]

一般的な話題

サイエンスアゴラ2014総括

[スポンサーリンク]

サイエンスについてのおもしろいこと、気になること、さらにこれからのことを、一緒に楽しみ、語り合い、共有するマルチイベント「サイエンスアゴラ

昨年度よりケムステの外部活動の一環として、またより一層の周知と新しいメンバーの募集を兼ねてサイエンスアゴラに出展しており、今年のサイエンスアゴラ2014に11月8日と9日に参加してきました。

遅くなりましたが、サイエンスアゴラ2014の総括です(予告記事はこちら)。

事前準備について

今回は、前回と同じマシュマロゲルエアロゲル、さらにヤモリテープを加えた三つを最新の研究トピックとして紹介し、バニリンとイソバニリン、DLメントールを匂いのかぎ分けクイズということで紹介しました。マシュマロゲルとエアロゲルに関しては、前回こどもたちの好奇心ですぐに粉々になってしまったので大量に準備しました。また、匂いの材料は手についてしまった参加者のいらっしゃったので固体の化合物のみを準備しました。このように前回の経験を生かして展示の方法を改良しました。

10710365_894764823868305_5061894864196834697_o

マシュマロゲル

1909231_894757253869062_6735542933220383809_o

エアロゲル

当日のにぎわい

前回はメインの会場ではなく、少し小さな部屋だったのでお客さんが途切れる時間がかなりありましたが、今回はメインの会場での出展となりほとんどの時間でお客さんが体験をしている状況でした。にぎわい度合いとしては、全体からみて中程度だったと思います。ケムステ目当てで来ていただいた方が本当に多く、うれしい限りでした。また、このサイエンスアゴラでケムステを知った方も多く、まだまだだなあと感じております。

10708717_894750957203025_197910423012757038_o

今年のユニフォーム

客層

こどもさんを連れた家族連れが多かったです。匂いの分子の説明のために分子模型を準備したところ、その模型で遊ばれたお子さんもいて、自分もその年齢だったら遊びたくなるだろうなと感じました。その一方で大学生以上の方にも多く来て頂き、有意義な議論を行うことができました。ありがとうございました。私も、彼女ができたらアゴラに彼女を連れていきます。さらに結婚して子供ができたらアゴラに連れて行き、立派なケミストに育てます!

1015805_894743690537085_3037453607761289037_o

会場でケムステを見られるようにしました

共通の質問

一番多かったのは、応用についてでした。やはり、今触っているものがどこに使われているかということは共通の不思議なのでしょう。もちろん応用を求める研究も大事ですが、ニュートリノのような物質の性質を知る研究も大事であることを、私は理解してほしいと思っています。また、私たちは何者だという質問も頂きました。我々は、世界一の化学ポータルサイトを作ることを目標にしている有志の団体であり、普段は大学の教員であったりサラリーマンであったり学生であったりとそれぞれの世界で活躍しています。匂いのコーナーでは、人工由来=悪いもの、自然由来=いいものという正しくはないイメージがひしひしと伝わってきました。このイメージはぜひとも考え直してほしいものです。

1415060_894757183869069_1796911471489396658_o

匂いを試している様子

サイエンスアゴラ全体について

やはり家族連れが多いため、何かを作ったり体験するような企画は賑わっていましたが、最新の研究トピックを扱うような企画はなかなか厳しいようでした。サイエンスアゴラは、ただの科学実験イベントではないですし、サイエンスアゴラ2014では

「あなたと創るこれからの科学と社会」という目標のもとに市民、研究者・専門家、メディア、産業界、政策決定者(行政・政治)といったすべてのステークホルダーが「科学(サイエンス)のひろば(アゴラ)」に参加して語り合い、科学と社会について考えていただける(ホームページから引用)。

ことを望んでいるそうです。

しかしながら、現状は科学実験イベントがメインとなっていた気がしました。もちろん第一に多くの方が参加することが基本事項ですが、このような目標を作ったからには、もう少し幅広い参加者を呼び込むような工夫があっても良かったのではないかと思います。

来年について

まだ未定ですが、前向きに検討しております。もしも参加する際には、新しいネタを加えて読者の方々と議論できるような内容で出展したいと考えております。ご期待ください!

関連書籍

関連リンク

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. がんをスナイプするフェロセン誘導体
  2. 空気と光からアンモニアを合成
  3. 2021年ノーベル化学賞は「不斉有機触媒の開発」に!
  4. 極薄のプラチナナノシート
  5. 有機合成化学協会誌2017年11月号:オープンアクセス・英文号!…
  6. 反応がうまくいかないときは冷やしてみてはいかが?
  7. ケムステイブニングミキサー2016を終えて
  8. 試薬の構造式検索 ~便利な機能と使い方~

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 【8月開催】マイクロ波化学のQ&A付きセミナー
  2. 「野依フォーラム若手育成塾」とは!?
  3. 化学と権力の不健全なカンケイ
  4. ブロック共重合体で無機ナノ構造を組み立てる
  5. 第七回ケムステVシンポジウム「有機合成化学の若い力」を開催します!
  6. 「赤チン」~ある水銀化合物の歴史~
  7. 日本薬学会第138年会 付設展示会ケムステキャンペーン
  8. ハネシアン・ヒュラー反応 Hanessian-Hullar Reaction
  9. 化学Webギャラリー@Flickr 【Part2】
  10. ウィッティヒ転位 Wittig Rearrangement

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP