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中小企業・創薬ベンチャー必見!最新研究機器シェアリングシステム

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「研究を推進するために最新機器を自由に利用できる。」

そんな、研究機器シェアリングシステムを大学が提供しているのをご存知でしょうか。

東京医科歯科大学リサーチコアセンターでは、創薬・医療系ベンチャーの研究開発を後押しするために、2019年7月から東京都と連携し本システムの提供を開始しています。

すぐに新型コロナの蔓延となった影響なのか、実際ほとんど知られておらず、せっかくの機会の損失であると考えたため、今回は記事として取り上げてみました。

本記事では、東京医科歯科大学リサーチコアセンターの概要から、シェアリングシステムの対象者、料金設定、所有機器まで簡単に説明したいと思います。

東京医科歯科大学リサーチコアセンターとは

ホームページから本センターの概要について引用します。

リサーチコアセンターは、2017年5月に医歯学研究支援センターを改組し、難治疾患研究所における大学院教育研究支援実験施設及び生体材料工学研究所における医療機能分子開発室の機能を統合して新設されました。管理運営部門と研究支援ユニットで組織されており、研究発展のための支援や研究連携を目指し、本学の学生、学内外の研究者の利用・受注を積極的に行っております(引用:東京医科歯科大学リサーチコアセンター)。

研究支援ユニットは、以下に示す7ユニットから構成されています。イメージング、組織解析、遺伝子解析、スクリーニング、細胞分離、プロテオーム、アイソトープというキーワードの下に、最新研究機器を保有し、管理・運営を行っているようです。

どんな人が利用できるのか?

もちろん学内でも利用されていますが、外部の人特に、今後都内で研究開発等を予定している創薬・医療系ベンチャーも利用できるというのが今回のシェアリングシステムの大きな特徴です。

本シェアリングシステムへの応募資格は以下の通り

    1. – 東京都内で創薬・医療分野の研究開発の計画を有し、今後その事業化を目指している者及び創薬・医療分野の事業を行う中小企業者のうち、東京都内に事業所を有する者又は今後都内に事業所を構える計画のある者であること。
    2. – 申請課題並びにその成果について、平和利用を目的とすること。
    3. – 人権及び利益保護への配慮を行うこと。
    4. – 反社会的勢力と一切の関係がないこと。
    5. – この内規のほか、学内諸規則等並びに国内法等に従うこと。

大学ですと、共同研究をしていれば利用できるところは多いと思いますが、共同研究実施が前提ではなく、機器のみを自由に貸し出ししているのはかなり珍しいのではないでしょうか。もちろん共同研究のなかでの使用もOKだそうです。また、東京医科歯科大学という都内のど真ん中という立地も好条件ですね。

利用しやすい料金体系

複雑な登録とか、多額な登録料、また月額利用様などが必要なのではないか?

と思われる方もいるかもしれません。

しかし登録は必要ですが、至って簡単で、登録料不要、月額利用料も不要という太っ腹な内容となっています。創薬ベンチャーなどが使用したいとき、使用したいものだけ自由に機器を利用できるようになっています。

利用料は拝見させていただいたところ、それなりにしますが、大型機器も含めてこのような機器を購入・保守することを考えれば、破格の価格設定なのではと思います。現在は東京都との協定により利用料の一部を東京都が負担してくれるため、このような価格に落ち着いているようです

最新高額研究機器がずらり

ではどんな機器が使えるのか?そこが一番気になるところですね。ホームページを見ていただければすべての機器が掲載されているので詳しくはそちらをご覧いただければと思いますが、一例を以下に示します。かなりいい機器を利用できるようですね。上述したようにこれが大学とは関係なく自由に利用できるのは、中小企業、ベンチャーにとって研究開発を加速する一助になりそうです。

さらに、これらの機器の利用に関する講習会(WEB)なども不定期で行われており、一部機器に関しては、機器の利用時に、機器管理責任者が技術的なサポートをしてくれるため、一度ホームページをご覧になっていただければと思います。

気になる企業はお問い合わせを!

というわけで、今回は東京医科歯科大学リサーチコアセンターの機器シェアリングシステムを紹介しました。創薬・医療関係ベンチャーの方はぜひ、最新機器を活用して研究開発を進め、良い製品を世の中に創出していただければと思います。質問や、機器の詳細に関しては以下にお問い合わせください。

<申込に関すること>
東京医科歯科大学 統合研究機構 事務部 研究基盤係
TEL:03-5803-5776 FAX:03-5803-0230
E-mail:kenkyo.adm@tmd.ac.jp

<共用機器の詳細に関すること>
東京医科歯科大学 統合研究機構 リサーチコアセンター
各機器担当者へ直接ご連絡、あるいはこちらお問い合わせください。

余談

実はある大手機器メーカーに筆者の所属している早稲田大学でもこんなことできませんか?と声をかけたことがあるんですね。医科歯科大と同じく立地がよいので、オープンラボとして、ショールームとしても使えますし、依頼測定を行ったり、利用者からは利用料金を学内と学外から徴収すれば機器メンテンナンス費に加えて機器代もペイできるのではと。スペースは無料もしくはかなり安価で貸与できるはずなので、どうにかして一連の分析機器を導入してほしかったんですね。結局いろいろあって立ち消えになり、大学が購入してくれるはずもなく、機器はなにもないままですが(苦笑)。最近三井リンクラボ柏の葉を訪問、さらに今回のこの東京医科歯科大学のシェアリングシステムを調べてみて、本案件再燃しました。

今回の東京医科歯科大学の場合は東京都が利用料の一部を負担してくれるということで、かなりやりやすい状態になっていますね。超高額な機器も多いようですし、創薬ベンチャーの皆様に正直かなりオススメです。このシステムの課題は全くと言ってよいほど周知されていないこと。というわけで、せっかくの機器が使われないのはもったいない!ということで、紹介させていただきました。

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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