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中国へ講演旅行へいってきました①

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さて、3週間ほど前、あまり更新がなかったことに気づいたケムステヘビーユーザーの方はいらっしゃいますでしょうか。昨年のアジアンコアプログラムでレクチャーシップ賞をいただきまして、その期間、中国に講演旅行にいっていたため、少し更新が滞りました。

実ははじめての中国。自分の記録も兼ねて、折角なので3回に分けて紹介したいと思います。中国の講演旅行の雰囲気を味わっていただけると幸いです。

 

講演旅行の旅程は?

今回の講演旅行の旅程は以下の通り(図1)。期間は1週間で、4つの都市を周り、6つの大学で講演してきました。下記の地図でわかるとおり、中国のほぼ真ん中に位置する武漢からスタートし、香港のとなりの深センという都市までです。移動はなんと新幹線(高速鉄道)。平日毎日1講演(1日は2講演)、そして移動となかなかハードな旅程でした。今回の講演旅行をアレンジしてくれたのは、武漢大学のAiwen Lei教授。共同研究もしたことがあり、仲のよい教授です。実はちょっぴり中国を楽しみたかったこともあり、3大学ほどにしてほしいとお願いしたのですが、みてのとおり2倍になりました(苦笑)。

講演旅行旅程

 

9月6日(日)   武漢到着

9月7日 (月)    講演1(武漢大学, 武漢) ホスト: Aiwen Lei教授

9月8日 (火)    講演2(華中師範大学, 武漢) ホスト:Wen-Jing Xiao教授

9月9日(水)     講演3 (湖南大学, 長沙)  ホスト: Jin-Heng Li教授

9月10日(木)    講演4    (華南理工大学、広州) ホスト:Huanfeng Jiang教授

       講演5 (南方科技大学、深セン) (ホスト: Xin-Yuan Liu教授)

9月11日 (金)    講演6   北京大学深セン大学院 、深セン) ホスト:Yong Huang教授

9月12日(土) 名古屋到着

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図1. 講演旅行の旅程

では、都市や文化など細かい情報を足しながら日記風に講演旅行を紹介していきます。

 

1日目:中国・武漢到着

名古屋から中国・武漢までは2015年9月現在、中国南方航空(China Southern Airlines)から直行便がでています。昔は上海で乗り換えもしくは1-2時間待ちであったそうなので現在は非常に便利で、3時間半ほどで着きました。航空会社はあまり評判がよくなかったのですが、直行便のほうが楽なのでこれを選びました。すぐに着いてしまったため、感想もなにもないですが、思いがけずちゃんとした昼食が出ました。味はご想像にお任せします。

武漢天河国際空港に到着後、Aiwenの学生2人が迎えに来てくれました。武漢大学から武漢都市部まではタクシーで40分ほど。途中で建築中のビルが多く、思っていたイメージとは異なりかなり都会でした。訪問最初の都市にも関わらず、全く調べていない私の勝手のイメージの武漢は、

「三国志のイメージで山が多く、湖が綺麗で、寺院がたくさん」

という感じでしたが(ひどいイメージ)、着いてみると完全にイメージが覆されました。では、あまり聞き慣れない武漢という都市はどういうことろなのでしょう。まずはそこから説明したいと思います。

 

武漢ー中国ビジネスの中心拠点

武漢市は中国の湖北省の省都で、人口約1000万人の華中地方最大の都市です。武漢で「ウーハン(Wuhan)」と呼びます。人口でいったら神奈川県より少し多いぐらい。面積は、8494km2と、東京都が4つぶんくらい。広島県とほぼ同等の大きさです。さすが、大国中国です。武漢市はmother river と呼ばれる、みなさんご存知の中国最長の川、長江(揚子江:ヤンズーリバー)と、その支流漢江が交わったところに位置しており、川を挟んで漢陽、漢口、武昌という3つの地域にわかれています。長江の川幅はとてつもなく大きいので、むしろ同じ市というのが躊躇われるぐらいです。近くに(といっても50kmくらいありますが)映画「レッドクリフ」で有名な三国志の「赤壁の戦い」の古戦場があり、上述した軽々しいイメージもそこから来ていました。

さて、今回訪問した武漢大学華中師範大学は下地図のように武昌に位置しています(図2)。武漢は近年急速に発展と遂げ、現在では中国随一のビジネス都市となっており、イメージは東京都まではいかないまでも大阪、名古屋が広範囲にあるというものに覆されました。

 

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図2 武漢市

コールドビアー?

さて、初日は日曜日であったので、学生と武漢天地というショッピングモールのようなところに移動し、夕食を食べました(図3)。この地域はかなり辛いものが多く、食べ物は好みの味でした。また、蛙料理が有名でとっても辛い蛙が食べれます。ひとつ気になったのが、ビールを注文した時に「コールドビア?」と聞かれました。「ビールは冷たいに決まってんだろ!」という皆さん。私も大いに同意しますが、中国では基本ビールは常温です。冷たいビールが飲みたかったらしっかりいいましょう(講演後のディナーでは基本的に冷たいので大丈夫です。ほとんどビールは飲みませんでしたが。その理由は後に記載します)。

 

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図3 武漢天地(出典:http://wh.house.sina.com.cn/)

その後、長江クルーズに出掛けて、ホテルに戻りました。タクシーの運転、いやタクシーだけでなく運転マナーがひどく終わっている以外、とっても良い雰囲気の武漢。さて、明日の武漢大学での講演はいかなるものか?武漢大学の紹介とともにお話しましょう。

 

2日目:武漢大学ー中国トップ10大学の1つ

月曜日、朝ごはんを2週間前まで伊丹研究室にいたLei研出身の博士研究員(ちょうど米国にセカンドポスドクに行くために帰国していた)と美味しい飲茶を食べ、1つめの武漢大学へ向かいました。武漢大学(Wuhan University)は中国でトップ10大学に位置し、いい大学です。ランキングは参考程度ですが、アジアの大学でみると早稲田大学と同等程度らしいです(参考:アジア大学ランキング2015)。今回のホストであるAiwen Lei教授は有機化学分野で中国で大活躍をしている若手研究者。酸化的カップリング反応の第一人者でありながら、反応機構の解明研究を積極的に行っています。最近は光酸化還元触媒と組み合わせた酸化的なカップリング反応の開発に注力しているよいです。

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武漢大学では数人の学生とAiwenとのディスカッション、武漢大学の案内の後(図4)、講演を行いました。講演室は狭かったですが、沢山の学生が聞きに来てくれました。講師紹介でAiwenが15-20分くらい中国語で説明していていたのが印象的。どうやら日本のアカデミックシステムから説明していたらしいことが後々判明しました。その他には、名古屋大の北村研で博士研究員をしていて、現在中国科学院蘭州化学物理研究所(Lanzhou Institute of Chemical Physics,Chinese Academy of Sciences)のHanmin Huang教授(たまたま来ていた)や、米国スクリプス研究所のBaran研で博士研究員をしていて、今年武漢大学で教授となったQianghui Zhou教授と会えたのがよかったです。

 

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図4 武漢大学正門前にて。過去に伊丹研究室に所属していたポスドクと。

講演終了後、教授陣たちと夕食へ。武漢の街中のとあるレストランへ行きました。あまりにも沢山の食事で驚愕しましたが、これが中国式ホスピタリティ。ここで噂に聞いていたもうひとつの名物、「バイチュウ」を味わうことになりました。

 

バイチュウ:中国のホワイトワイン

バイチュウ(白酒、White wine)とは中国の蒸留酒でホワイトワインの英語名のとおり、見た目は透き通ったお酒。香りがかなり強く、化学者的に言えばかなりのエステル臭がします。特筆すべきはそのアルコール度数。いただいたものは武漢地元のバイチュウでなんと42度(図5)。通常は50度以上であることからかなり強いお酒です。

白酒:白云边。李白の顔が印刷されてある。李白はアル中であったらしい。

図5 白酒:白云边。李白の顔が印刷されてある。李白はアル中であったらしい。

中国の夕食会では定番らしく、ここでも2本の大ボトルバイチュウをのみ、さらに小さいボトル2本のお土産までつけてくれました(図6)。飲み方は、日本でいう徳利とおちょこ(共にガラス製)についで少しずつ飲むのですが、今回は主役ということで参加者全員が何十回も「乾杯」しに来ます。この乾杯というのは日本の「カンパイ」ではなく中国の「カンペイ」。文字通り杯を乾かさなければなりません(弱い人には強制ではありません)。そういうわけでたっぷりおいしい中華料理とバイチュウを”たらふく”いただいて、1つめの大学訪問が終わりました。ここから先、4日間続けて、とてつもない量のこれを飲み続けるとは夢にも思わず…

 

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図6. 夕食会にて。まだご飯も白酒も飲食する前です

 

3日目:華中師範大学

さて、何をしに来たんだという声が聞こえてきそうですが、しっかり仕事もしています。3日目は同じく武漢市にある華中師範大学(Central China Normal University)へ講演にいきました。朝から同大学、副教授のJia-Rong Chen博士にホテルに迎えに来ていただきました。武漢大学と華中師範大学は目と鼻の先にあり、ゲストをよくシェアしているそうです。ちなみに同大学は、中国で20番以内に位置する大学。Normal Universityでは意味がわからないですが、漢字で書くと「師範大学」なので、元々は日本でいう教育大学に近いものがあります。

少しキャンパスを見学した後、同大学のホストである、Wenjing Xiao教授とディスカッションしました。Xiao教授はカナダ・オタワ大学の大物Alper教授のところで、博士を取得し、初期のMacMillan研究室で博士研究員をしていることから、中国語鉛ですが英語は堪能。最近は合成反応開発中心で有機触媒や光酸化還元触媒を使った反応を開発しています。講師紹介にスライドまで用意していただいて丁寧に紹介していただきました。ここで感じたのが、携帯やカメラで講演中にスライドの写真を撮るひとの多いこと。途中数えてみたのですが(話している最中になにしてるんだという感じですが)、最大7名が同じスライドの写真をとっていました。おそらく、参考にしたり、記録の代わりに写真をとっているのだと思いますが、文化の違いとして受け入れつつ、未発表データはあまり話せないなと感じました。

講演後、学内のレストランで昼食をいただき(図7)、4人の学生の研究発表を聞いてディスカッションをした後、高速鉄道の武漢駅まで車で送っていただきました。

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図7. 昼食後XIao教授(左から4人目)らと。

 

ここから第三の訪問地、長沙市にある湖南大学まで、中国の高速鉄道で移動することとなります。では続きはまた次回に。

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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